はじめに
現地日付2026年10月2日(金)には2026年9月の米雇用統計が米労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)から発表された。
前回9月発表の米雇用統計は、市場予想では5万6000人増だった非農業部門雇用者数が16万2000人増と市場予想を大きく上回り過去2ヶ月分も上方修正するなど雇用環境が堅調で、9月FOMCでの利上げ観測は発表前の約50%から約60%へと上昇したが、市場自体は概ね冷静な反応。
ただジリジリと9月FOMCでの利上げ確率は上昇し、翌週の米消費者物価指数(CPI)発表前の時点では利上げ確率は72.4%。そして実際のCPI結果は市場予想通りで9月FOMCでの利上げ確率は86.5%上昇となった。この時は利上げ確率が更に高まったものの、米株式市場、債券利回りは上昇、ドル円為替はドル安という通常とは異なる動きとなっていた(通常米FRBの利上げ可能性が高まると、調達金利の上昇から株式市場は下落、米国債は株式からの資金流入により利回り低下(債券買い)、ドル円為替は日米金利差の拡大からドル買いへと動く)。
そして迎えた9月FOMCでは市場予想通りに0.25%の利上げが実施。ただ結果発表後のウォーシュFRB議長が会見でインフレ抑制への姿勢をより鮮明にしたことで、市場では更なる利上げが行われるとの見方が強化され、株式市場は下落、債券市場は利回り上昇、ドル円為替はドル高となった(この際は10月FOMCでの利上げ確率は約50%)。
その後はジリジリと利上げ確率が上昇して約70%程度になったのだが、9月下旬にFRBのPhilip Jefferson副議長やニューヨーク連銀のJohn Williams総裁が、今後の金利政策に関して利上げ効果の見極め/今後の利上げには更なるデータの蓄積を踏まえての判断が必要との姿勢を示したことで利上げ確率は約50%まで低下。そして9月30日に発表された米PCE物価指数が市場の予想を下回る落ち着きを見せたことで10月FOMCでの利上げ確率は金利据え置きが約65%と有力になっていた。
そして今回の米雇用統計発表前日のCMEフェドウォッチツールでの2026年10月FOMCでの金利政策確率は
- 3.75%~4.00%(金利据え置き):75.6%
- 4.00%~4.25%(0.25%利上げ):24.4%
と金利据え置きがさらに有力視されている。
そんな状況の中、今回発表された2026年9月の米雇用統計の内容、及びそれを受けて市場がどう反応したのかについて確認し、整理しておく。
2026年10月2日米労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)発表の2026年8月米雇用統計
- 2026年9月の季節調整済み失業率は4.2%、市場予想は4.1%
- 2026年9月の非農業部門雇用者数は前月比2万9000人増、市場予想の9万人増を大きく下回っている

また2026年7月の非農業部門雇用者数は2万1000人増から3万1000人下方修正されて1万人減となり、8月は16万2000人増から2万9000人下方修正されて13万3000人増となっている。
同日の市場の動き
米国主要3株式指数

米雇用統計の発表は米国株式市場開始1時間前の米東部夏時間8:30。主要3株式指数ともに概ね似たような動きで前日比上昇して取引を終えている。市場予想を下回る非農業部門雇用者数を受けて利上げ観測が後退したことで、金利に敏感なハイテク銘柄を中心に上昇したようだ。
今回の米雇用統計を受けてCMEのフェドウォッチツールにおける10月FOMCでの政策金利確率は
- 3.75%~4.00%(金利据え置き):81.7%
- 4.00%~4.25%(0.25%利上げ):18.3%
と、冒頭に示した前日の金利据え置き見込みが強化されている。
米国10年債

米雇用統計が発表された米国東部夏時間8:30は上記チャートのCDT(米国中部夏時間)では7:30。
市場予想を下回る非農業部門雇用者数を受けて利回りは低下(債権買い)。しかし季節要因が影響している可能性なども考慮されたのか、インフレへの懸念は払拭されなかった模様で結局前日比利回り上昇(債権売り)で取引を終えている。
ドル円為替

米雇用統計が発表された米東部夏時間8:30は上記ドル円チャートのGMT+1の13:30。
米雇用統計発表前は1ドル=157.6~8円の範囲を中心とした動きが続いていた。そして発表を受けて1ドル=156.7円近辺までドル安となったが長続きはせず、すぐにドル高傾向となって結局1ドル=157.83円と米雇用統計発表前とほぼ変わらない水準で週の取引を終えている。
まとめ
以上、2026年10月2日発表の2026年9月米雇用統計と市場の動きについてまとめてみた。
市場予想では9万人増だった非農業部門雇用者数が2万9000人増と市場予想を大きく下回ったことで、冒頭に挙げた次回10月FOMCでの金利据え置き可能性が有力という元々の見方が更に強化される結果となった。とりあえず市場に大きな変動もなかったので、まずまず無難にイベントを乗り切ったと言えるだろう。
10月16日発表予定の米消費者物価指数(CPI)で大きなサプライズがなければ、10月27、28日開催のFOMCでは金利据え置きとなる公算が現在は高いが、実際にはどの様な結果で、市場はどう反応するのだろうか。