はじめに
2026年4月29日(水)には自分の所有銘柄であるGEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)の2026年第1四半期決算発表があった。
前回2026年2月の2025年第4四半期決算では売上、EPS、そして通期見通しのいずれもが市場予想を上回ったことで4.89%の上昇。その際には
「今後のGEヘルスケア株だが、今回市場予想を上回る好決算で上昇したのだが、その後2営業日は続落となっていることを考えると、判断を下すには早いかもしれないが、決算の好材料は既に株価に織り込まれた可能性もある。ここから下落傾向に陥らず、何とか現状程度は維持してもらいたいところだがどうなるだろうか。」
とそれ程期待してはいない旨を書いていた。
そしてGEヘルスケア・テクノロジーズは3月に入ってから大きく下落(15.5%)し、その後4月に入って市場が持ち直している中でも低調な推移が続いている印象がある。
そんな中、今回のGEヘルスケアの決算とそれを受けての株価はどうだったのか。以下内容を確認し、整理しておく。
GEヘルスケア・テクノロジーズ2026年第1四半期決算概要
以下の内容は、GEヘルスケア・テクノロジーズの企業サイトより引用・抜粋。
- 2026年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は51億3100万ドル、前年同期は47億7700万ドルで前年同期比7.4%の増加
- 2026年第1四半期の希薄化一株あたり利益(Diluted EPS)は0.85ドル、前年同期は1.23ドルで前年同期比30.9%の減少

- 2026年第1四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.99ドル、前年同期は1.01ドルで前年同期比2.0%の減少

- 2026年第1四半期のフリーキャッシュフローは1億1200万ドル、前年同期は9800万ドルで13.3%の増加

2026年通期見通し
2026年の通期見通しは以下の通り。

- 既存事業売上成長率(Organic Revenue Growth):3.0~4.0%(前回と変わらず)
- Adjusted EBITマージン:15.4~15.7%(前回の15.8~16.1%から下方修正)
- Adjusted ETR(Effective Tax Rate):20.0~21.0%(前回と変わらず)
- Adjusted EPS:4.80~5.00ドル(前回の4.95~5.15ドルから下方修正)
- Free cash flow:16億ドル(前回の17億ドルから下方修正)
見通しに際しての前提
- 健全な設備投資環境と継続的な事業遂行を反映
- 中国に対する慎重な見通しは変わらず、中東紛争による収益への影響は軽微
- 売上高に対する為替の影響は現在のレートに基づくと約100bpsの好影響
- 約2億5000万ドルのコストインフレが利益見通しに影響。価格およびコスト削減策により、影響の半分以上を相殺できる見込み
- 2026年の関税影響は2025年の2億4500万ドルに比べて小さくなる見込み。IEEPAに基づく関税還付は想定していない
- Intelerad社の買収は、2026年の調整後EBITマージン及び調整後EPSへの影響は最小限にとどまる見込み
その他
その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- 2026年第1四半期について
- 売上高は予想の上限に近い伸びとなり大変満足
- 第1四半期の利益実績は期待外れ
- これはPDXサプライヤーに関連するリコールが影響したもので、現在は解決済み
- 第1四半期後半には材料費の大幅な増加が見られ始め、これは年末まで続くと予想
- 顧客の需要を満たす供給を調達する能力には自信があるが、インフレ環境を考慮して慎重な見方をし、2026年の利益とフリーキャッシュフローのガイダンスを引き下げた
- インフレの影響について
- インフレによるコストへの影響は、対策を講じる前で約2億5000万ドル、1株当たり0.43ドル
- 当社の多くの製品に使用されている重要な部品であるメモリチップのコストが約1億ドル上昇
- さらに原油価格と輸送費も約1億ドル上昇
- タングステンなどの金属価格の上昇など、その他のインフレの影響は合計で約5000万ドル
- 価格とコストの対策によってインフレの影響の半分以上を相殺できる見込み
- インフレによるコストへの影響は、対策を講じる前で約2億5000万ドル、1株当たり0.43ドル
- 財務関連
- フリーキャッシュフローは1億1200万ドルとなり、前年比1300万ドル増加
- 第1四半期には5億ドルの負債を返済
- 配当と約1億ドルの自社株買いを通じて株主に資本を還元
- 通期見通し
- 中東紛争による収益への影響は限定的であると予想。中東は当社総売上の約3%
- 質疑応答
- コスト影響への2億5000万ドルの見通しへの影響について詳しく
- 今年残りの期間には、これらの商品コストが現在の高い水準で推移すると想定しており、それに対するバッファは含まれていない
- 相殺措置として価格変更の実施について触れたが、主に新規受注に関するもの
- 現在、慎重なコスト削減策を実施しているが、コスト要因は第2四半期よりも今年の後半から来年にかけて、より大きな影響を与えるだろう
- 業績見通しを引き下げざるを得なかったことは残念で、決して好ましいことではないが、現状ではそうせざるを得なかった
- 実施している対策は、今年の後半だけでなく、来年にも効果を発揮すると考えている
- PDX事業で発生したサプライヤーの品質問題について詳しく
- 影響額は約0.05ドル
- この問題がなければ、第1四半期の業績は達成できていただろう
- 買収したFlyrcadoの現状について
- 成長はほぼ予想通りで、週ごとの取引量は四半期を通して増加し続けている
- まだやるべきことはたくさんあるが、2028年までに5億ドルの売上を達成するという我々の目標に対する自信を与えてくれている
- 中国の状況について
- 中国の業績予想通りで、前期比で改善
- 2026年の見通しについては意図的に慎重な姿勢を取り、中国の売上高は前年比で減少すると予想している
- この市場でいくらか回復の兆しが見られるが、現時点では中国の業績に満足してはいない
- 製品の受け入れ状況、今後の製品展開への期待、我々が進めている変化を考えると、今年も依然として厳しい年になると思うが、中国市場では安定化の兆しが見え始めていると思う
- 通期見通しにおける具体的な相殺効果について
- ガイダンスには約0.23ドルの相殺効果が反映されている
- 相殺効果の大部分は第3四半期と第4四半期に集中しており、第2四半期にはほとんど見込めない
- 医薬品診断業界におけるジェネリック医薬品の影響について
- 現時点では、新規参入企業による市場への影響は特に見られない
- インフレ圧力に直面している現状での資本配分戦略について
- 研究開発に関する適切な投資を継続的に行っていく
- またInteleradの買収の様に、規律あるM&Aを今後も実施していく
- 株価が下落する時期を見極め、本質的価値との比較をし、自社株買いを検討していく
- 自社株買いプログラムについても非常に有望だと考えており、M&Aの補完策として今後も継続していく予定
- 関税の影響について
- 2026年の関税の影響は2025年よりも少ない、つまり2億5000万ドル以下になると予想
- 実施してきた緩和策に基づくと、第1四半期が今年最大のインパクトとなり、その後は年を通して徐々に減少していくだろう
- 今年最高裁判所の判決により関税が置き換えられた結果の影響は見られない
- 払い戻しに関しては、多くの企業と同様に昨年支払った関税に関する払い戻しを申請する予定
- 払い戻しが認められることを期待しているが、調整後EPSなど、どのように報告または会計処理するかはまだ決定しておらず、本日発表した業績予想にも含まれていない
- コスト影響への2億5000万ドルの見通しへの影響について詳しく
市場予測との比較
- 2026年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は51億3100万ドル、市場予想の50億3700万ドルを上回っている
- 2026年第1四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.99ドル、市場予想の1.05ドルを下回っている
まとめ
上記の様な決算を受けてGEヘルスケアの株価は

前日比13.16%の急落。同日の米国市場は

FOMC会合結果が発表されたものの反応が限定的だったのと比べると、GEヘルスケアの下落幅は急落と言って良いレベル。
売上高は市場予想を上回ったものの調整後EPSは市場予想に届かず、インフレによる2億5000万ドルのコスト圧力を明らかにし、通期見通しを引き下げたことが市場に嫌忌されたのだろう。
決算後数日を含めた年初来のGEヘルスケア株の推移を市場(S&P 500)と比べると

前回2月初旬の決算後は波がありながらもまずまず順調に乗り切ったのだが、冒頭に書いた通り3月は市場の下落傾向よりも大きく下落。そして4月に入っても市場が上昇する中で中旬からは下落傾向となっており、今回決算では急落となっている。翌営業日、翌々営業日に続落とならなかったことだけが幸い。
今後のGEヘルスケア株だが、決算前も市場が上昇基調にある中で冴えない動きだったこと、そして今回決算でインフレコスト増2億5000万ドルとして通期見通しを引き下げたことでの急落を考えると、しばらく株価には期待できないだろう。決算翌日、翌々日に下げ幅を拡大していないので悪材料が株価に織り込まれたことを願いたいが、更なる下落の可能性も頭に入れておきたい。