はじめに
2026年4月28日(火)の米国市場閉場後には自分の所有株の一つであるモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)の2026年第1四半期決算発表があった。
前回2026年2月の2025年第4四半期決算では売上、EPSは市場予想を上回ったものの2026年通期見通しは市場予想を下回ったこともあってか0.21%の下落。その際には
「今後のモンデリーズ株だが、決算前には上昇傾向だった株価が決算を受けてどうなるかは2営業日経過時点ではまだ判らない(決算翌日はやや上昇、翌々日はやや下落)。通期見通しが市場予想に届いていない点が気になる一方で、最近下落したカカオの価格動向がモンデリーズの見込み通りとなれば持ち直す可能性もあるかもしれない。ただカンファレンスコールの説明では、カカオ価格の下落の恩恵を本格的にモンデリーズが受けるのは2027年とのことなので、短期的に過度な期待はしないでおこうと思う。」
と長い目で見る旨を書いていた。
今回のモンデリーズ決算そして株価はどのような結果となったのか。以下に確認し整理しておく。
モンデリーズ2026年第1四半期決算概要
以下はモンデリーズ・インターナショナルの企業サイトより引用・抜粋。
- 2026年第1四半期のレポートベース純売上高(Reported Net Revenues)は100億8000万ドルで前年同期比8.2%増

- 2026年第1四半期の調整後希薄化1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.67ドルで前年同期比9.5%減(恒常為替ベースでは14.9%減)

2026年通期見通し
2026年通期の見通しは以下の通り。

- 既存事業純売上成長率(Organic Net Revenue growth):0~2%(前回と変わらず)
- 調整後EPS成長率(恒常為替ベース):0~5%(前回と変わらず)
- フリーキャッシュフロー:30億ドル(前回と変わらず)
- 自社株買い:20億ドル(前回と変わらず)
その他
その他決算発表/アナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。決算発表説明は事前準備資料で行われ、カンファレンスコールでは質疑応答のみ。
- 2026年は順調なスタート
- 消費者の不確実性が続く中、いくつかの主要市場で明るい兆しが見られた
- 第1四半期の売上高は3.0%増となり、パッケージの小型化の影響を除くと、実質的な販売量はプラスとなったた
- 新興市場では力強く持続的な売上高成長が見られ、先進国市場も改善傾向にあり、EUの小売業者との交渉の大部分が完了
- 調整後EPSは、カカオ価格の段階的変動の影響で、為替変動の影響を除いた前年同期比14.9%減の0.67ドル
- カカオ価格は過去の傾向に比べて依然として高い水準にあるが、徐々に正常化に向かっていると見ている
- 当四半期のフリーキャッシュフローは2億ドル。自社株買いについては引き続き機会を捉えて行う
- 質疑応答
- 先進国市場と新興市場の動向について詳しく
- 先進国市場における業績向上には満足しており、予想通りあるいは予想を少し上回る結果
- ヨーロッパでは消費者信頼感は安定しているが、中東紛争の影響もあり依然として不安定な状況
- 米国では消費者信頼感が依然として低い水準にとどまっており、中東紛争の継続に伴い今後さらに悪化すると予想
- 米国の購買力は上昇しているものの、消費者は依然として経済状況、経済見通し、雇用の安定性について強い懸念を抱いている
- 新興国市場についても依然として非常に好調で、業績には非常に満足している
- 新興国市場は当社の事業の約40%を占めており、第1四半期には6.3%の成長
- 消費者については当社の主要4市場のうち、消費者の信頼感がやや低迷しているのは中国だけ
- とはいえ中国の消費者信頼感は前四半期と比較すると改善しており、今後も改善していくと確信している
- インド、メキシコ、ブラジルでは非常に前向きで、消費者は良い状態にあると感じている
- もちろん、紛争とそれがインフレやエネルギーコストに及ぼす影響に関連して、消費者はどこでもかなり慎重
- 新興市場は持続可能な成長エンジンであり続けると見ており、長期的な見通しは非常に明るい
- 先進国市場における業績向上には満足しており、予想通りあるいは予想を少し上回る結果
- 第1四半期は好調なスタートとのことだが、通期見通しを据え置いた理由
- 第1四半期は予想を上回っていると言っても差し支えないと思うが、残りの期間については、当初の予測にはなかったいくつかの逆風、特に中東危機に起因する逆風にも対処する必要がある
- 中東情勢における追加コストについては当社は管理下に置いていおり、残りの期間についても楽観的ではあるが、現時点ではそれを吸収するために通期見通しに関するガイダンスを据え置く必要があった
- 当社は自信を持っており、EPSの上振れが実現すれば、それを事業に再投資し、2027年の力強いEPS成長という明確な目標に向けて、勢いを維持していきたいと考えている
- 現時点でヨーロッパにおける交渉はほぼ完了しているとのことだが詳細について
- 残っている小規模な顧客が数社あるが、特に大きな案件はない
- 重要な点として、イースター商戦は順調に進み、年末に向けてプロモーションも予定し、ヨーロッパの小売業者との関係も良好で順調に進んでいると確信している
- (年初には価格が急落したが、現在は一定の範囲で安定しているように見える)カカオ市場の現状について
- 中期作は非常に良好で、来年の作柄も期待が持てるという状況から、根本的な変化は何も起きていないと思う
- 今年初めに見られたカカオの最低価格水準と比較して、カカオ市場の価格上昇が見られたのは、業界の供給期間が長くなったためと思われる
- おそらく今年も供給過剰の状態が続くだろう
- 特にヨーロッパではカカオの需要がかなり低迷しており、今後さらに下落する可能性もあると感じている
- 中東情勢が及ぼすコストへの影響
- 現時点では中東情勢の影響で若干のコスト増が生じているが、今年の残りの期間の石油と包装コストについては十分な備えがある
- 率直に言って、2027年まで市場の中にはリスクヘッジに関して何もできないものもあり、それが今年残りの期間に発生するコストであり、通期見通しにはそれを考慮に入れなければならなかったため、先ほどの通り見通し据え置きとなった
- 米国における消費者動向について詳しく
- 米国における消費は様々な理由から概して低迷が続くと思う
- 消費者は経済状況をかなり心配しており、食品やスナック菓子のカテゴリーは概して低迷が続くだろう
- 消費者支出をを見てみるとここ3年間金額ベースで増加しておらず、同時に商品の価格はかなり上昇しており、消費者はより意識的な選択をする必要がある
- 高所得層の消費者がプレミアム製品を購入する一方で、低所得層の消費者は単価の低さを重視し、いつ何を買うかを非常に厳選しているという変化がある
- 率直に言って今年の残りの期間でスナックカテゴリーの数字がもっと良くなるとは予想していない
- とはいえ我々の施策によりシェアは拡大しており、米国では下半期に入ると販売量と収益に段階的な改善が見られるだろう
- 先進国市場と新興市場の動向について詳しく
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2026年第1四半期の純売上高(Reported Net Revenues)は100億8000万ドル、市場予想の97億5000万ドルを上回っている
- 2026年第1四半期の調整後希薄化1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.67ドル、市場予想の0.61ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてモンデリーズ・インターナショナルの株価は
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前日比4.26%の上昇。同日の米国市場が

ウォール・ストリート・ジャーナルがOpenAIが週間ユーザー数と収益の社内目標を達成できず、このAI大手がデータセンターへの巨額投資を維持できるかの懸念を報道したことで、ハイテク銘柄中心に下落となったことを考えるとモンデリーズ株の上昇幅は大きい。
市場予想を上回る売上、EPSに加え、中東情勢における追加コストについても管理下にあると発言したことが市場に評価された様だ。
決算後数日を含めた年初来のモンデリーズ株の推移を市場(S&P 500)と比べると

前回2月上旬の決算後は冒頭に挙げたカカオ価格の下落からか上昇傾向。しかし2月半ばに同業のゼネラル・ミルズ(GIS)が決算発表で通期見通しを下方修正したことで一転下落。モンデリーズの下落傾向は長続きはしなかったものの、やはり3月に入ってからは中東情勢に起因する市場全体の低迷もあって下落傾向となり、3月11、12日は同業他社の目標株価引き下げもあってか業界全体で大きく下落。ただその後3月16日にMorgan Stanleyがモンデリーズの目標株価を66ドルから70ドルへ引き上げ(評価はOverweightで変わらず)たことで反発してやや上昇傾向へ。そして4月は市場が右肩上がりとなる一方停滞気味(これは同業他社も同様)だったが、今回決算を受けて大きく上昇し、決算から2営業日が経過しても大崩れはしていない。
今後のモンデリーズ株だが、今回決算を受けて上昇した株価はどうなるかは正直2営業日経過時点ではまだ判らない。ただ好調な決算内容、主力の米市場で下半期に段階的な改善が見込まれ、中東情勢に起因するコスト増も十分な備えがあるとしたことを考えると、まずまず堅調な株価が推移が期待出来そうな気がする。とはいえ中東情勢が市場全体に及ぼす影響次第では、モンデリーズが考えている前提自体が崩れる可能性もある点には注意が必要だろう。