エクソン(XOM)が3%超の従業員リストラを計画(2025/9)

はじめに

米現地2025年9月30日(水)の米国市場は、9月30日が期限である米2026年度のつなぎ予算案が可決するかどうかに注目が集まっていたが(結果否決、まとめは別途行う予定)、そんな中で自分の所有するエクソン・モービル(XOM)には掲題の動きがあった。

以下、その内容とそれを受けての株価について整理・確認しておくことにする。


2025年9月30日付のエクソン・モービル社内メール概要

以下は最初にブルームバーグが報道し、その後各報道機関が追随報道したDarren Woods最高経営責任者(CEO)が従業員に宛てた社内メールの内容より引用・抜粋。

  • 数年にわたり続けている競争力強化の取り組みを基盤として、エクソンは2000人の従業員を削減するという「厳しい決断(tough decisions)」を下す
  • 我々は人々を同じ場所に集めることの価値を理解している。我々は世界規模の拠点を当社の事業モデルと整合させ、チームを一つにまとめていく
  • 今回の人員削減はエクソン・モービルの全従業員の約3~4%に相当し、現在進めている効率化推進の一環である
  • 本日発表した変更により、当社の優位性はいっそう強化され、競合他社との差を広げることができる。向こう数十年にわたって当社のリードは維持されるだろう

エクソンは各報道機関からの問い合わせに対して、この社内文書について文面以外のコメントはないと回答している。


まとめ

上記発表があった9月30日のエクソン株は

前日比1.29%の下落。同日の米国株式市場が

ほぼ横ばいだったのと比べるとやや見劣りがする。ただ同日は今年に入って原油生産回復を進めているOPECプラスが、10月5日の会合でも現在供給停止分の日量166万バレルについて早急な回復を検討するとの報道があったことが影響しているものと思われ

同業他社も軒並み下落している(エクソンの下落はやや大きいのは人員削減報道のせいだろう)。

自分が思ったよりも株価への影響が軽微だったのは、元々エクソンは2019年から構造的コストの削減に努めており、2030年には約180億ドルの削減という計画を立てていることの一環と受け止められたのだろう。

また今年に入ってから既に同業他社が原油価格の下落などにより

  • シェブロン(CVX):全従業員の15~20%を削減
  • BP(BP):全従業員の5%を削減
  • コノコフィリップス(COP):全従業員の20~25%を削減

するという計画を打ち出していることも影響しているかもしれない。

エクソンは同業他社に比べてコスト削減/効率化には成功(直近の2025年第2四半期決算時に「2019年以降、当社は135億ドルの構造的コスト削減を実現しており、これは他のすべてのIOC(International Oil Company)の合計額を上回っている」と述べている)しているため、今回の人員削減計画も後ろ向きなものではなく、更なる業務の効率化につながることを期待したい。

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