投資開始からの期間
2001年7月から数えて281ヶ月目(23年5ヶ月目)。
資産動向考察
2024年11月末の円ベース資産は以下の通り。
2024年11月末の円ベース資産は前月末に比べて約830万円(約4.1%)の増加。ちなみに11月中に米国個別株の円配当金100万円を生活費に充当した分が差し引かれているが、11月に受け取った配当金もそれなりに多かったので幾分相殺されている。
2024年11月の市場推移
【ダウ工業平均】
2024年10月末終値:41,763.46
2024年11月末終値:44,910.65
2024年10月末/11月末終値差異:7.54%上昇
【S&P 500】
2024年10月末終値:5,705.45
2024年11月末終値:6,032.38
2024年10月末/11月末終値差異:5.73%上昇
【NASDAQ】
2024年10月末終値:18,095.15
2024年11月末終値:19,218.17
2024年10月末/11月末終値差異:6.21%上昇
2024年11月の米国株式市場は、月初は先月末にマイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)が人工知能(AI)向け投資の資本費用が増加していると明らかにしたことで下落した流れを受けて低調にスタート。その後米大統領選でトランプ氏が勝利したことで経済対策への期待感から大きく上昇したがその勢いは長く続かず、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、経済情勢は極めて良好で労働市場の状況は底堅く、利下げを急ぐ必要はないという見解を示したことやトランプ氏の閣僚人事などで下落傾向。その流れが続くかと思ったが、月半ば以降に発表された各種米経済指標がインフレ圧力を和らげながら景気後退を抑えるとの期待を想起させる結果であったため上昇傾向となって11月を終えている。
結果的に月間ではダウ工業平均が7.54%、S&P 500が5.73%、NASDAQ総合が6.21%といずれも大きく上昇して終えている。ダウ工業平均とS&P 500は月末に過去最高値を更新しているが、NASDAQ総合は11日の最高値までは回復していない。
11月にあった主な出来事
- 米大統領選でトランプ氏が勝利し、上下院でも共和党が多数派に
11月5日の大統領選で米国株式市場ひいては自分のポートフォリオがどう動くかを懸念していたのだが、トランプ氏が勝利したことでひとまず株式市場は上昇。しかし、その後の閣僚人事発表では政策への懸念などから下落することもあり、今一つ安定していない感はある。月後半の株式市場上昇もどちらかというと経済指標からインフレが緩和しているのでは、という見込みからに拠るところが大きいように思える。そして自分のポートフォリオはトランプ氏勝利直後の傾向から11月中は概ね変わっていない気がする。割合の大きい銘柄は概ね悪くない動きだがすべての株式が上昇しているわけではなく、特に関税が絡んでくる銘柄はあまり宜しくない動きをしている。
そして米議会の方だが、上院は11月21日に全議席が確定して共和党が100議席中53議席、下院は全議席は未だ確定していないが共和党が435議席中218議席を獲得して、上下院共に共和党が多数派となることになった。少なくとも2026年の中間選挙まで2年間はトランプ氏は議会の監視が弱い状態で政権運営をすることが出来るようになるだろう。
- 米国企業の主に2024年第3四半期決算発表がほぼ終了
10月半ばから始まった米国主要企業の主に第3四半期(6~9月)決算が11月末でほぼ終了。LSEGのデータによると11月29日時点でS&P 500採用企業の482社が決算を発表しており、うち売上高が市場予想を上回った企業の割合は60.6%、利益が市場予想を上回った企業の割合は76.3%とのこと。
前年同期比では売上高が9.0%増、利益が5.3%増となっており、もちろん個別企業によって違いはあるものの全体的には堅調な業績であったと言える。この流れが2024年第4四半期決算も続くのか、それともトランプ氏が大統領選に勝利したことで流れが変わるのかに要注目。
2024年11月13日に発表された2024年10月の米消費者物価指数(CPI)は、市場予想とほぼ同じであったため市場に大きな変動は無し。しかしCPI発表後の各種経済指標はインフレのソフトランディングを期待させる内容だったために株式市場は上昇傾向となった。
CPI自体は予想の通りだったが、CPIが予想外の結果となった場合は大きな変動が起こっただろうし、その後の各種経済指標の分析/見方も変わってFRBの政策にも影響を及ぼすだろうから、やはりまだまだ米消費者物価指数の重要度は変わっていない。来月以降も注視していきたい。
- その他
11月は自分が所有している銘柄の決算発表整理に追われ、かつ米大統領選の結果とその後を気にしていたこともあり、個別株の動きは正直あまり印象に残っていない。
そんな中で今後に影響を及ぼすかもしれない所有している銘柄のニュースは以下の2つ。
ブリストル(BMY)株の10%超上昇について(2024/11)
ワーナーブラザースがNBA放映権で和解に達する(2024/11)
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)は9月末に米食品医薬品局(FDA)から新しい統合失調症治療薬COBENFYの承認を受けていたのだが、11月に類似の治療薬を開発していたAbbVie Inc.が臨床試験に失敗したことを受けて株価が大きく上昇している。
ただし、その後ブリストルの株価は市場の上昇の流れに乗る事は出来ず、この10%超上昇した株価と同程度で11月を終えている。これはトランプ氏の閣僚人事でロバート・ケネディ・ジュニア氏が厚生長官を起用すると発表したこと等で、特にコロナワクチン製造企業を中心としたヘルスケア企業全般の株価が伸び悩んだため。今後のブリストル株も業界全体の影響を受ける可能性は高い。
またワーナーブラザースは夏に契約更新に失敗したNBAの放映権で和解に達している。新たな契約では北米でのNBAライブ放映権は含まれていないものの、和解を受けて株価は上昇しており結果を見ると悪くない落としどころだった様にも思える。
ポートフォリオ
2024年10月末と11月末の自分の米国株ポートフォリオは以下の通り。
【2024年10月31日】
【2024年11月29日】
2024年11月に10%を超える上下動のあった銘柄は以下の9銘柄。
シティグループ(C):10.4%上昇
ケマーズ(CC):19.7%上昇
チャーター・コミュニケーションズ(CHTR):21.2%上昇
ウォルト・ディズニー(DIS):22.1%上昇
ダウ・インク(DOW):10.5%下落
GEベルノバ(GEV):10.8%上昇
JPモルガン・チェース(JPM):12.5%上昇
WKケロッグ(KLG):25.1%上昇
ワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD):28.9%上昇
シティとJPモルガンは同じ大手米銀株というカテゴリーで、トランプ氏が大統領選に勝利したことでの銀行規制緩和への期待から上昇したのだろう。
そしてGEベルノバはこれで4ヶ月連続で月間10%を超える上昇となり、この勢いがどこまで続くのか。
一方でダウ・インクは10%を超える下落となり、これはトランプ氏が大統領選に勝利したことによる関税強化が懸念されているのだろう。同業のデュポン・ドゥ・ヌムール(DD)もほぼ横ばい。
2024年11月は所有27銘柄中上昇が22銘柄だった一方で下落がダウ・インク(DOW)、GEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)、クラフト・ハインツ(KHC)、コカ・コーラ(KO)、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)の5銘柄。食品関連のディフェンシブ銘柄は下落していない銘柄も含めて総じて低調な印象がある。
ポートフォリオ全体では前月比資産が7.5万ドル、割合では5.84%の増加。NASDAQ総合、ダウ工業平均の上昇には及ばなかったもののS&P 500とほぼ同程度の上昇であり、一部銘柄が伸び悩んでいるのは気にかかるが大統領選を11月末時点ではまずまず無難に乗り切ったと言えるだろう。
為替
先月終値:2024年10月31日 1ドル=152.03円
今月終値:2024年11月29日 1ドル=149.75円
2024年11月末のドル円為替レートは前月に比べて1ドルあたり2.28円、割合で言うと1.50%のドル安。
月末だけ見ると振れ幅が少なかった様にも見えるのだが、月半ばには1ドル=156円台の時もあり振れ幅はそれなりにあった。為替もトランプ氏が大統領選に勝利しての変動がどうなるか気にかかっていたのだが、大統領選よりも先に挙げた米国株式市場が月半ばから上昇したのと同じく各種経済指標がインフレ圧力を和らげながら景気後退を抑えるのではという見込みが強まったため、12月の米利下げ見込みが強まったことで月半ばからややドル安傾向という流れが月末まで続いたため、月末ベースでは前月比ドル安で終えている。
まとめ
累計投資:80,000,000円(今月追加投入なし)
米国株:205,343,747円
外貨MMF:55,453円
USドル:2,177,690円
日本円:3,027,685円
資産:210,603,575円
累計損益(累計投資と資産より):130,603,575円/163.3%
累計引落額:13,500,000円(今月100万円引き落とし)
2024年11月は先月のまとめ時には
「ただこれを書いている11月半ば現在では、トランプ氏が大統領選に勝利したこと、それに伴い高官の任命を行っていることもあって、市場は神経質で落ち着かない状況が続いている。11月のまとめを書く時点では状況が落ち着き、良いにせよ悪いにせよ方向感が見えるようになっていて欲しいものだ。」
と書いていたが月後半にかけて落ち着いてきた印象で、不安はあるものの市場は右肩上がりの上昇を続けている。自分のポートフォリオ資産もドルベースでは市場とほぼ変わらない上昇で、ディフェンシブ銘柄にやや懸念があるものの米大統領選以降は130万ドル台を維持して終えている。円ベースでもややドル安とはなったものの、月末時点では先月の2億越えに続き2.1億円台と最高値を更新している。
これを書いている12月もある程度経過した時点では、米株式市場はハイテク銘柄を中心に上昇しているがダウ工業平均はほぼ横ばいで、自分のポートフォリオにもハイテク銘柄がほぼ無いことから11月末と変わらずとなっており11月の様な上昇は望めないのだろう。一応11月に比べて市場の方向性が見えてきた感もあるが、自分の資産が何とか大きく下落する様なことが無く2024年を終えてくれることを期待したい。