米2024年度予算の4回目のつなぎ予算案が可決(2024/3)

はじめに

2024年2月27日時点で

3月1日で失効する2024年米つなぎ予算の現状(2024/2)

をまとめ、その際には

「2024年予算に関して米国での報道が少ないように感じられるのは、まだ期間的に余裕があると思われているためなのだろうか。2月27日に予定されているバイデン大統領と議会指導部との会談で進展があれば何とか間に合いそうだが、それが不調に終わった場合どうなるのだろうか」

「単なる自分の杞憂であって株式市場に悪い影響が出なければいいのだが」

などと書いていたのだが、掲題の通り2月29日に4回目となる2024年の米つなぎ予算が上下両院で可決された。今回のつなぎ予算はどういった内容だったのか、以下に確認しておく。


2024年2月29日に上下院で可決された4回目となる米2024年度つなぎ予算

内容の確認の前に前回2月27日時点以降からの経緯をまとめると以下の様になる。

  • 2月27日
    • バイデン大統領、共和党のジョンソン下院議長、民主党のシューマー上院院内総務、ハリス副大統領の4名がホワイトハウスで会談し、歳出法案の早期可決を議論
  • 2月28日
    • 米議会指導部は2024会計年度(2023年10月~2024年9月)予算に関する12本の法案審議を進めることで合意したと発表
  • 2月29日
    • 米下院が賛成320票、反対99票、米上院が賛成77票、反対13票で法案を可決

【4回目のつなぎ予算内容】

  • 3月1日までが期限となっていた農業、エネルギー・水、軍事建設・退役軍人、輸送・住宅・都市開発の4分野向けの資金については、3月8日まで1週間分の追加資金を供給
  • 3月8日までが期限となっていた8分野のうち商務・司法・科学、内務・環境の2分野は引き続き3月8日までを期限とする
  • 残りの6分野の金融・サービス、労働・保健・教育、国防、国土安全、立法、外交については、3月22日まで2週間分の資金を新たに供給する

3月8日までが新たな期限となる6分野は、期限内に歳出法案パッケージとして成立させる方針でその歳出水準は財政責任法に沿ったものとなる見込みである一方で、3月22日が新たな期限となる6分野に関しては、依然として国境措置や対外支援、人工妊娠中絶といった個別論点を巡る与野党間の対立に解消のめどがたっておらず、下院共和党保守派が引き続き歳出削減を主張している状況とのこと。


まとめ

新たなつなぎ予算の内容と報道を見る限りでは、3月8日が期限となる6分野については問題なく審議を通過しそうだが、3月22日が期限となる6分野については予断を許さない状況に思える。

結果的には今回も冒頭に挙げた自分の懸念している事態にはならず期限内に4回目のつなぎ予算が成立した(これを書いている時点でバイデン大統領の署名待ち)わけだが、一体いつになったら2024年度米本予算が成立するのか。とりあえずは難航しそうな3月22日の期限に気を付けておきたい。

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