シティとJPモルガンの講演でのアップデート(2021/2/26)

はじめに

昨日2月25日(現地時間)に2021 Credit Suisse Financial Services Forumがバーチャル会議で開催された。

自分の所有銘柄であるシティグループ(C)とJPモルガン・チェース(JPM)がそれぞれ講演を行っているので、以下に今後の見通しに関する内容を簡単に整理しておく。


2021 Credit Suisse Financial Services Forum講演要旨

シティグループ

以下は最高財務責任者(CFO)Mark Mason氏の発言より。

  • 今年は非常に良いスタートを切ったと思う(I think we’re off to a very good start to the year)
  • 株取引や債券商品からの収益は、コロナウイルスのパンデミックが市場のボラティリティを引き起こした1年前から1桁台半ばの割合で減少するだろう
  • 投資銀行の収益は、新規株式公開を引き受けるという同社の事業に支えられており、おそらく10%後半または20%前半に上昇するだろう
  • リスク管理技術の改善に投資しているため、今四半期に1桁台半ばの範囲でコストが上昇するだろう
  • (ただし)今四半期は終わっていない(The quarter’s not over)

JPモルガン・チェース

以下は最高財務責任者(CFO)Jennifer Piepszak氏の発言より。

  • 現時点では2020年の同時期よりも今年の取引収益は多い( generated more trading revenue this year than in the same period of 2020)
  • ECM(equity capital markets)には引き続き多くの力が見られるので、それが最大の推進力だと思う(We continue to see a lot of strength in ECM, so that’s where I would say the biggest driver is)
  • (ただ明確な今四半期の見通しについては触れず)前年の3月の数値と比較して、我々ははるかに困難な状況に向かっている(we’re heading into a much more challenging)

まとめ

昨日米国市場閉場後の両社の株価は、

といずれも低調ではあったのだが、同日のダウ工業平均が1.75%、S&P 500が2.45%、NASDAQが3.52%いずれも下落しているのに比べるとマシであった。

昨日のカンファレンスでの内容はそれ程市場に重要視されなかったのか、それとも市場の下落に紛れたのか。内容自体も基本的には今の所は順調だが、前年3月の取引手数料と比較すると低下が予想されるので判断が難しいところ。

年初来の両社の株価の推移を見てみると、

【シティグループ】

【JPモルガン・チェース】

シティは年初来約10%、JPモルガンは年初来約20%それぞれ上昇と、いずれもダウ工業平均の2.6%増を上回っている。

特にJPモルガンの大幅上昇は際立っていて、自分もこちらの所有株数が多ければ良かったのにと思わなくもない。配当率が税引前でシティの方が約3%、JPモルガンが2.5%弱という違いがあるので、バイアンドホールドかつ配当金生活となった今ではシティでまあ良しとするべきだろう。

いずれにせよ、年初来では今のところ市場を上回る順調な株価上昇ではあるが、両者が懸念している昨年3月と比較した取引収益の低下や、最近の米長期金利の動向などを鑑みてこれまで通り金融株が上昇するとは限らないことを頭に入れておくことにしよう。

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