はじめに

2022年3月25日（金）の米国市場閉場後、自分の所有銘柄であるAT&T（T）がAT&Tからのワーナーメディア分離についての詳細発表を行った。以下に発表内容を確認しておくことにする。

2022年3月25日（金）のAT&T発表内容まとめ

以下はAT&Tの企業サイトより引用・抜粋。

【株式分割関連】

On the closing date of the transaction, anticipated to be in April, AT&T shareholders will receive, on a tax-free basis, an estimated 0.24 shares of stock in Warner Bros. Discovery, Inc. (WBD) for each share of AT&T common stock
AT&Tの株主は、4月に予定されている取引終了日にAT&Tの普通株式1株につきWarner Bros. Discovery Inc.（WBD）の推定0.24株の株式を非課税で受け取ることになります
The record date for the stock dividend is the close of business on April 5, 2022
株式分割基準日は2022年4月5日の取引終了時点です
AT&T shareholders do not need to take any action.
AT&Tの株主は何もする必要はありません
Their WarnerMedia Spinco shares will automatically be exchanged for WBD common stock in the merger, which will occur on the closing date of the transaction
WarnerMedia Spincoの株式は、合併の際に自動的にWBD（新会社のティッカーシンボル）普通株式と交換されます。これは取引完了日に行われます
The exact number of shares of WBD common stock to be received by AT&T shareholders for each AT&T common share will be determined immediately before the closing based on the number of shares of AT&T common stock outstanding and the number of shares of Discovery common stock outstanding on an as‑converted and as‑exercised basis
AT&T株主がAT&T普通株式1株につき受け取るWBD普通株式の正確な数は、転換および行使ベースでのAT&T普通株式の発行済株式数およびディスカバリー普通株式の発行済株式数に基づいて決算直前に決定されます
If certain closing conditions are not satisfied or waived in advance of April 5, AT&T may elect to change the stock dividend record date to a later date
4月5日より前に特定の完了条件が満たされない、あるいは断念された場合、AT&Tは株式分割の基準日を後日変更することを選択する場合があります
After close, investors should expect that AT&T’s share price will adjust to reflect the transfer of the WarnerMedia business to the newly formed Warner Bros. Discovery entity
取引完了後、投資家はAT&Tの株価が新たに設立されたWarnerBros.DiscoveryエンティティへのWarnerMedia事業の移転を反映するよう調整されることを想定する必要があります

【配当関連】

AT&T expects to close the transaction in April, second quarter dividend on common stock, payable in May, has been set according to previously announced updated dividend policy
AT&Tは4月に取引を完了する予定であり、5月に支払われる普通株式の第2四半期配当は、以前に発表された更新された配当方針に従って設定されています
With the close of the pending WarnerMedia transaction expected in April, the AT&T board of directors today also declared a second quarter dividend of $0.2775 per share on the company’s common stock.
4月に予定されている保留中のWarnerMedia取引の完了に伴い、AT&Tの取締役会は本日、同社の普通株に対して1株あたり0.2775ドルの第2四半期配当を宣言しました
While future dividends remain subject to board approval, this amount is consistent with AT&T’s previous announcement that the board had approved an expected post-close annual common dividend of $1.11 per share
将来の配当は引き続き取締役会の承認が必要ですが、この金額は取締役会が予想される決算後の年間普通配当1株あたり1.11ドルを承認した以前のAT&Tの発表と一致しています
Dividends on the common stock are payable on May 2, 2022, to shareholders of record of the respective shares at the close of business on April 14, 2022.
普通株式の配当金は2022年5月2日に、2022年4月14日の営業終了時に記録された株式の株主に支払われます

【その他】

詳細は省くが4月5日の株式分割基準日の前日4月4日から4月に予定されているスピンオフ完了日まで、AT&Tは上記分割に伴い以下の3パターンでの取引が可能となるらしい。

AT&Tの株主がAT&TのNYSEティッカーシンボル「T」でAT&T普通株式を売却する場合、株主はAT&T普通株式およびWBD普通株式を受け取る権利の両方を売却することになる
AT&Tの株主が一時的なNYSEティッカーシンボル「T WI」でAT&T普通株式を売却する場合、株主はAT&T普通株式を売却するが、WBD普通株式を受け取る権利は保持することができる
AT&Tの株主は一時的なNasdaqティッカーシンボル「WBDWV」を使用して、AT&T普通株式を保持しながら、WBD普通株式を受け取る権利を売却することができる

まとめ

今回の発表でAT&Tからのワーナーメディア分離の具体的な日程が明らかになった。3月25日発表で4月に分離取引完了予定というのは自分が思っていたよりも期間が短い。

AT&Tの配当やAT&T持ち株に応じた新会社株の付与に関しては2月1日に発表された内容と同じであり特筆すべきことは無い。新会社（WBD）株の配当が明らかになる事を期待していたのだが、スケジュールからするとこれから分離完了までに新会社の配当が明らかになる事は無いのだろう。

また分割完了前の4月4日からの取引に関しては、日本（楽天証券）で同じ様に取引できるかは不明であり、可能であっても新会社（WBD）株がどうなるかを見てから対応を考えたい。

年初からのAT&T株の推移を市場（S&P 500）と比べてみると

1月中旬までは市場に反して上昇していたのだが、1月半ばからは市場と同様下落傾向。そして1月26日の決算発表を受けて株価が大きく下落した後は概ね市場と変わり映えの無い動き。ただ3月半ばからの市場の上昇に乗れていない様にも見える。

今回の発表は取引時間後の事であり来週のAT&T株にどの様な影響を与えるかは不明だが、分離のタイミング以外には株価に影響を及ぼす特筆すべき目新しい情報があった訳ではないので、今回の発表でAT&T株が大きく動くという事は無い気がする。

また上述の4月4日からの分離完了前の取引でAT&T株がどの程度取引され、どのくらい変動するのかは予想がつかない。杞憂かもしれないが願わくば分離直前の駆け込みでAT&Tの売却取引が増加して株価が大幅下落するという事態には陥らないで欲しいのだが。