はじめに
昨日2022年2月22日の米国市場もウクライナ情勢から
不安定な動きで4営業日連続下落。
そんな中自分の所有銘柄のクラフト・ハインツ(KHC)は
5%を超える大幅上昇。
上昇の理由は掲題のCAGNYにおけるクラフト・ハインツの発表内容が原因だったらしい。以下にその内容について整理しておく。
2022年2月22日の2022年CAGNYにおけるクラフト・ハインツの発表概要
以下はクラフト・ハインツの企業ページより引用、抜粋。CAGNYはConsumer Analyst Group of New Yorkの略。
主ば内容は大まかに以下の2点。
【Agile@Scale】
まとめると
クラフト・ハインツは過去2年間に確立されたベストプラクティスを導入し、業界標準にするための主に社内に焦点を当てたプロセスによりビジネス基盤をリセットし、新しいオペレーティングモデルを展開してきました。
次のフェーズとして、大手テクノロジー企業や最先端のイノベーター企業とパートナーシップを通じて再定義を行いAgile専門知識と能力を増強し(augment our agile expertise and capabilities)、改善された財務の柔軟性をポートフォリオの規模と組み合わせることで更に強力になる可能性のある能力を獲得します。
これをAGILE@SCALEと呼びます(We call this AGILE@SCALE)。
という事らしい。
【長期財務プロファイル】
これまでのビジネストランスフォーメーションと次フェーズへの自信を考慮に入れて、クラフトハインツはFree Cash Flow conversion以外の長期的な成長目標を上記の様に引き上げている。
また2022年通年のAdjusted EBITDAを58億ドル~60億ドルとしているが、これは1週間程前の前回四半期決算発表と変わらず。
クラフト・ハインツとNetCoの合弁企業(JV)設立発表
CAGNYでの講演とは別に同日2月22日にクラフト・ハインツは食品技術の新興企業であるNotCoとの合弁企業設立を発表している。発表概要は以下の通り。
- JVはNotCoの人工知能(AI)ソリューションとクラフトハインツのブランドポートフォリオを活用し、共同ブランド製品の植物ベースのバージョンを開発します
- NotCoは、味、機能性、または消費経験を犠牲にしない、より単純な成分を使用した動物製品の植物ベースの代替品を開発しました
- JVはクラフトハインツの管理下でThe Kraft Heinz Not Company LLCとして運営されます
- JVはシカゴに本社を置き、サンフランシスコに研究開発施設を置く予定です
金銭的条件は明らかにされていない。
まとめ
1日のクラフト・ハインツ株の推移を市場と比べてみると
となる。
既述したクラフト・ハインツの発表の時間軸を確認すると
- 09:05:CAGNYのニュースリリース発表
- 11:05:NetCoの合弁企業(JV)設立発表
- 11:30:CAGNYカンファレンスでのプレゼンテーション(及びプレゼン資料掲載)
となっており、複数ニュースがあったが開場前のCAGNYニュースリリース発表、特に長期財務目標の上方修正が株価上昇に寄与したように思える。ただ、合弁企業設立のニュースもその後市場が右肩下がりであったのに、クラフト・ハインツ株は右肩上がりだったことからクラフト株の上昇を支えたかもしれない。少なくとも悪材料では無かった。
2月16日の決算発表を含めたここ1ヶ月のクラフト・ハインツ株の動きは
市場の下落とは逆行する形で5営業日連続で上昇。決算発表の際には
「クラフト株については今後も株価には期待せず~」
と書いていたのだが、その想定とは逆に上昇を続け久々に株価も40ドル台を突破。市場全体が不安定な中、このままクラフト株が上昇を続けるのか注意してみておきたい。