はじめに
2025年5月1日(木)には自分の所有しているケラノバ(K)の2025年第1四半期決算発表があった。
ケラノバは2024年8月半ばにマースによる買収が発表され、それ以来株価は買収合意時の価格@83.50ドルをやや下回る程度で推移している。
前回2024年第4四半期決算発表も株価への影響は無く、その後のトランプ政権の関税政策により市場が大きく下落した局面でもやはり変わらず推移している。
今回も決算内容というよりは、買収関連の進展状況を確認するためにケラノバの決算内容及び株価について確認・整理しておく。
ケラノバ2025年第1四半期決算概要
以下の情報はケラノバの企業サイトより引用・抜粋。今回もマース社との合併を控えているため通期見通しは発表せず、カンファレンスコール(決算内容の説明及び質疑応答)も無く資料提示のみだった。
- 2025年第1四半期の総売上高(Reported Net Sales)は30億8300万ドル、前年同期は32億ドルで前年同期比3.6%減少
- 2025年第1四半期の一時項目を除く調整後1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.90ドル(恒常為替ベースでは0.93ドル)、前年同期は1.01ドルで前年同期比10.9%減少(恒常為替ベースでも1.01ドルで7.9%減少)
決算資料で気になった点は以下の通り。
- 紛れもなく不確実なマクロ経済および業界環境の中で、集中力と決意をもって事業運営に取り組んだ
- 売上高は為替変動のマイナス影響と幅広いカテゴリーでの低迷の影響を受けたが、既存事業ベースでは新興市場が牽引役となり、成長を維持した
- また、世界の主要市場におけるカテゴリーシェアの向上にも勇気づけられている
- レポートベースの営業利益は前年度の事業再編費用の重複による恩恵を受けたが、調整後ベースでは為替の悪影響、コスト上昇、価格/出荷量の悪化により減少
- ケラノバの事業の約51%を占める米国での第1四半期売上高は4%減少
- マース社と共にグローバルなスナック食品大手の一員として次の章に向けて準備を進めつつ、世界経済の不確実性が続く中で不測の事態への対応策を計画し、対策を講じている
- 規制当局の承認を含む慣例的な完了条件に従う必要があり、引き続き2025年上半期中に完了すると予想(元々の買収発表時と変わらず)
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2025年第1四半期の総売上高(Reported Net Sales)は30億8300万ドル、市場予想の31億8000万ドルを下回っている
- 2025年第1四半期の一時項目を除く1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.90ドル、市場予想の1.01ドルを下回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてのケラノバの株価は
前日比0.03%の上昇。同日の米国市場は
マイクロソフトやメタの決算を受けてハイテク銘柄が市場の上昇をけん引したが、ケラノバ株は相変わらずほとんど変わらず。市場予想を下回る売上、EPSからすると下落するのが普通だが、予定されている買収に特にアップデートも無いことが原因だろう。
念のため決算後数日を含めた年初来のケラノバ株の推移を市場(S&P 500)と比べてみると
やはり市場の動向には関係なく、買収時の一株あたり価格と変わらずの水準を維持している。
今後のケラノバ株だが、マース社による買収が無くならない限りはこのまま株価は安定して推移するのだろう。2025年上半期に予定されているマースによる買収完了の正式な発表を待つことにしたい。