はじめに
2024年12月5日(木)にはOPECプラスの閣僚級会合(OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting)が開催された。
閣僚級会合は2024年6月2日以来約半年ぶりだが、共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitoring Committee)がほぼ2ヶ月に1度開催されており、また有志8ヶ国が2023年11月から行っている日量約220万バレルの自主的追加減産のアップデートもこの半年内に適宜行なわれている。直近では先月2024年11月に、有志8ヶ国が11月末までとしていた日量220万バレルの自主的追加減産を1ヶ月延長し12月末までとすることで合意している。
今回の会合では協調減産(日量366万バレル(全体で200万、8ヶ国で166万)を2025年末まで)に加えて自主的追加減産(日量220万バレルを2024年12月まで)を延長しながらも原油価格が上向かない中でどういう決定がなされるか、そしてその結果原油価格はどう動くが注目されていた。
以下、OPECプラス会合の合意内容とそれを受けての原油価格の動きを確認しておく。
2024年12月5日のOPECプラス会合まとめ
今回会合前までの削減規模は日量586万バレル。2025年末までの協調減産分が日量366万(全体で200万、8ヶ国で166万)バレル、2024年12月末までの8ヶ国による自主追加減産が日量220万バレル。
【会合前の状況】
- 12月2日のロイター報道
- OPECプラスの関係筋4人は、有志国による自主減産を来年第1四半期末まで延長する可能性が高いとした
- ブルームバークもほぼ同じ内容を別ソースから報道
【会合結果】
- 8ヶ国による自主的追加減産について2025年3月末まで3ヶ月延長することで合意
- 8ヶ国の自主的追加減産は2025年4月から2026年9月末まで月単位で段階的に廃止される予定
- また協調減産については従来の2025年末から2026年末に1年間延長することで合意
OPECプラス会合を受けた原油関連の動き
OPECプラス会合を受けた原油関連の動きを確認する。
【ニューヨーク原油先物価格】
OPECプラスの会合結果が発表された正確な時間は判らないが、チャートを見る限りは米東部時間の6時半ぐらいだろう。一時急激に原油先物価格は下がったが、その後は持ち直して大きな変動とはならなかった。
【エクソン・モービル(XOM)株】
開場直後は上昇したもののすぐに前日終値と同等レベルに落ち着く。その後はやや上昇して前日比ではプラスで取引を終えている。
まとめ
今回のOPECプラス閣僚級会合は概ね市場の予想通りだったためか、市場に瞬間的な動きはあったが目立った変化は無かった。ただしあくまで1日のことなので今後顕著な変化が現れる可能性もある。
年初来のニューヨーク原油先物価格の推移を見てみると
4月までは上昇傾向にあったが、その後多少の動きはあったものの特に7月以降全体的に右肩下がりの下落傾向となっている。中東情勢による原油供給の懸念はあるものの、国際エネルギー機関(IEA)の予測では来年原油供給過多となる見込みであることや、最大の原油消費国である中国の景気減速、米国やブラジル、カナダなど非OPECプラス加盟国での原油生産増などが原油価格が下落基調にある原因だろう。
基本的には今後もこの傾向は続くと思われ、そうなると自分が所有しているエクソン・モービル株への業績・株価への影響が懸念されるのだが、今の所以下の様にニューヨーク原油先物価格程の下落傾向とはなっていない(赤線がエクソン・モービル株価の推移)。
何とかこのまま原油の下落傾向にかかわらず頑張って欲しいところだがどうなるだろうか。正直エクソン株の先行きに不安を感じる今日この頃ではある。