はじめに
2023年11月1日(水)の米国市場閉場後には自分の所有株の一つであるモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)の2023年第3四半期決算発表があった。
前回の四半期決算では
「今回の決算でやや盛り返し、決算後からは市場が下落傾向にある中でモンデリーズ株は比較的下げ幅が小さく済んではいる。」
「こういった状況を踏まえて今後のモンデリーズ株だが、決算後に米国市場全体が低調となっているため判断が難しい。市場ほど下落幅が大きくないことから大崩れすることはないと思いたいがどうなるだろうか。」
と書いていたのだが今回の決算そして株価はどのような結果となったのか。以下にモンデリーズの決算内容を整理しておくことにする。
モンデリーズ2023年第3四半期決算概要
以下はモンデリーズ・インターナショナルの企業サイトより引用・抜粋。
- 2023年第3四半期のレポートベース純売上高(Reported Net Revenues)は90億2900万ドルで前年同期比16.3%増
- 2023年第3四半期の調整後希薄化1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.82ドルで前年同期比13.9%増(恒常為替ベースでは16.7%増)
2023年通期見通し
2023年通期の見通しは以下の通り。
- 既存事業純売上成長率(Organic Net Revenue growth):14~15%(前回の12%+から上方修正)
- 調整後EPS成長率(恒常為替ベース):~16%(前回の12%+から上方修正)
- フリーキャッシュフロー:33億ドル超(前回と変わらず)
- 自社株買い:15億ドル+(前回の20億ドル超から下方修正)
その他
その他決算発表/アナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- 2023年第3四半期中に1億ドルの自社株買いを実施
- 2023年第3四半期中に価格を約12%引き上げたが、それでも販売量は3.8%増加
- 2023年第3四半期はすべての地域で売上と収益の双方が2桁の成長を遂げた
- 今年の残りと来年にかけての販売量については建設的な見方をしている
- 進行中のインフレによる大幅な価格引き上げにも関わらず、消費者は当社の信頼できるブランドを選び続けている
- 10月2日に完了したガム事業の売却影響は通期見通しに含まれているが、影響範囲や滞留コストの除去にまだ取り組んでいるため、アップデートされた財務情報は提供していない
- 次四半期には最新情報を提供する予定だが、大幅なEPS希薄化は予想していない
- ガム事業の売却により、当社のポートフォリオ再構築戦略である売上の90パーセントをチョコレート、ビスケット、焼き菓子という中核カテゴリーで提供するという目標へ向かって前進している
- 自社株買いは当初の年間見通しである20億ドルを下回っていることを認識しているが、現在の低い株価水準を活用する機会となると考えており、適切な機会があれば24年の自社株買いを前倒しする可能性もある
- 当社の主要市場では、消費者の需要が引き続き非常に回復力があることがわかり、消費者は引き続き食料品やブランド製品への支出を優先している。また2024年の消費者信頼感見通しは、北米とヨーロッパの先進国市場では安定し、新興国市場では非常に明るい
- 2024年の見通しは策定中だが、今日の状況からの勢いは2024年に入っても売上高と収益の両方の点で継続するだろう
- 我々は依然として当社の株が過小評価されていると考えている
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2023年第3四半期の純売上高(Reported Net Revenues)は90億2900万ドル、市場予想の88億3000万ドルを上回っている
- 2023年第3四半期の調整後希薄化1株当たりの利益(Adjusted Diluted EPS)は0.82ドル、市場予想の0.78ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてモンデリーズ・インターナショナルの株価は
前日比1.72%の上昇。同日の米国市場が
前日のFOMC結果を受けた流れと当日の好調な決算結果発表を受けて大きく上昇したのと同程度。決算内容やカンファレンスコールでの発言は良かったと思われるだけに、思ったよりも上昇幅が少なかったのは残念。
年初来のモンデリーズ株の推移を見てみると
10月初旬(既述のガム事業売却数日後)に何故か市場の上昇に反して大きく下落して年初来安値に沈んだ(理由は今一つ不明。特に大きなニュースや投資格付けアップデートは無いはず)が、そこから株価は回復し決算後も上昇となっている。
今後のモンデリーズ株だが、決算内容や通期見通し、カンファレンスコールでの発言からすると経営陣は今後について自信を持っている様に思われる。それを信じるのであれば、しばらくは堅調な株価が続きそうな気がするのだが、必ずしも経営陣の思惑通りに物事が進むとは限らないのだよなあ。さてどうなることだろうか。