はじめに
2023年4月27日(木)には自分の所有しているアルトリア・グループ(MO)の2023年第1四半期決算発表があった。
「前回2022年第3四半期決算後の株価からは、ほぼ今回2022年第4四半期決算後の株価上昇分しか変わっていないことを考えると、あまり大きく株価が上昇するとは思えない。」
としており、あまり期待はしていなかったようだが実際の決算結果及び株価はどうだったのか。以下に決算内容を確認し情報を整理しておく。
アルトリア・グループ2023年第1四半期決算概要
以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。
- 2023年第1四半期の売上高(Net Revenues)は57億1900万ドル、前年同期比2.9%減少
- 2023年第1四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は47億6300万ドル、前年同期比1.2%減少
- 2023年第1四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.18ドル、前年同期比5.4%増加
- 2023年第1四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比11.1%の減少
2023年通期見通し
2023年通期の見通しについては以下の通り。
- 2023年通期の調整済み希薄化後EPS見通し:4.98~5.13ドル、2022年(4.84ドル)比で3%~6%の成長率(前回と変わらず)
その他
その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- NJOY Holdingsを約27億5000万ドルで買収する契約を締結(最大5億ドルの条件付き追加現金支払い)
- 取引の締結には米国連邦取引委員会の承認が必要
- NJOY Holdingsの取引発表タイミングにより、第1四半期に自社株買いは実施せず
- 3月31日の時点で2023年12月31日までの自社株買いプログラム残は10億ドル相当
- JUUL株式処分で2億5000万ドルの非現金税引き前損失を計上
- 3月23日のInvestor Dayで以下の様な2028年までの目標を発表
- 年平均で1桁台半ばの調整済み希薄化後EPS成長を実現
- 毎年1桁台半ばの配当成長を目標
- 利息、税金、減価償却費および償却費控除前の債務対収益の比率を約2.0倍に維持
- 米国のタバコ業界におけるリーダーの地位を維持
- 今後5年間の各年で少なくとも60%の調整済みOCIマージンを維持
- 米国の無煙製品出荷量を2022年のベースである8億ユニットから少なくとも35%増加
- 無煙製品売上を2022年のベースである26億ドルから約2倍の50億ドルに増加
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2023年第1四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は47億6300万ドル、市場予想の49億1000万ドルを下回っている
- 2023年第1四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.18ドル、市場予想も1.18ドル
となっている。
まとめ
上記の様な決算発表を受けてアルトリア・グループの株価は
1.07%の上昇。同日の米国市場が
メタ・プラットフォームズ(META)の好決算などを受けていずれも大幅上昇であったことを考えるとアルトリア株はやや見劣りがする。
とはいえEPSは市場予想と同じだったものの売上は市場予想を下回り、タバコ製品の出荷量が10%以上減少していることを考えると市場の上昇に助けられた感が強く、決算を受けて上昇したのは有難いとするべきだろう。
決算後も含めた年初来のアルトリア株は
と冒頭に書いた様に前回2月1日の四半期決算以降は細かい上下動はあったものの市場(S&P 500)に比べて底堅い動きが続いていたが、3月23日のInvestor Dayで大きく値を下げていた。しかしその後は概ね上昇傾向。3月23日のInvestor Dayはその前後に米銀破綻の影響もあって情報を確認できていなかったのだが、上で挙げた内容に何か市場の失望を誘うものがあったのだろう。
今回の決算を株価の面では無難に乗り切ったが、今後のアルトリア株は決算内容を見る限りでは特段の上昇材料が見当たらないのであまり期待しない方が良い気はしている。直近の上昇傾向がもしかすると続く可能性もゼロではないのだろうが、その可能性は低いだろう。