アルトリア(MO)が電子タバコNJOYの買収発表(2023/3)

はじめに

2023年3月6日に自分が所有しているアルトリア・グループ(MO)が掲題の通り電子タバコ企業Njoy Holdings Inc.の買収を発表した。この件に関しては2月27日にウォール・ストリート・ジャーナル誌が報じていたのだが、その報道通りになったという事になる。

3月6日の発表では買収に伴うアップデートも行われているので、以下にその内容を確認し整理しておくことにする。


電子タバコ企業NJOYの買収に関して

以下はアルトリア・グループの企業ページより引用・抜粋。

  • NJOY Holdings, Inc.(NJOY)を買収する正式契約を発表
  • NJOYは規制当局であるFDA(米食品医薬品局)から製品の認可を受けている数少ない電子タバコ企業
  • 買収完了後、アルトリアはNJOYに約27億5000万ドルの現金を支払う
  • 取引条件には、一部製品が当局の許認可獲得で一定の条件を満たした場合最大5億ドルの条件付き追加現金支払いも含まれる

NJOYの買収を含めた事業アップデート

以下はアルトリア・グループの企業ページより引用・抜粋。

  • 買収完了後2年以内にキャッシュフロー、3年以内に調整後希薄化後EPSにそれぞれ成長効果(Accretive)をもたらすと予想(具体的な数値は無し)
  • 2023年通期の調整後希薄化後EPS見通し4.98~5.13ドルのガイダンスに変更はない
  • 2023年末までに10億ドルの自社株買いプログラムを完了する見通しに変更なし
  • 2023年7月15日までにPM(フィリップ・モリス・インターナショナル)から17億ドルの支払い(および利息)を受ける見込み
  • 2023年3月3日の時間外後にアルトリアは米JUULの少数株主持ち分とジュールが持つ加熱式タバコの知的財産権を交換(Exit of JUUL Investment:JUULへの投資から撤退)することを発表
    • 2022年12月31日時点におけるJUULへの投資の帳簿価額と推定公正価額は2億5000万ドル
    • 2023年第1四半期にこの合意による財務的影響を計上し、これに関連する額を特別項目として扱い調整後・希薄化後1株当たり利益(EPS)から除外する予定

まとめ

上記の様な発表を受けてアルトリア・グループの株価は

1.42%の上昇。同日の米国市場が

ほぼフラットだったのに比べるとまずまずの上昇。また日中のアルトリア株の動きを見ると

市場(S&P 500)が時間経過と共に右肩下がりとなっている一方で、アルトリア株は緩やかではあるが右肩上がりとなっている事を加味すると、電子タバコへの投資をJUULからNJOYに切り替えるのは概ね好意的に評価された模様。

2018年12月のJUULへの元々の投資は128億ドルだった事を考えるとJUULへの投資は大失敗だった訳だが、時間をかけて評価損を計上してその都度株価に反映されている。今回も年々出荷量が減少している紙巻きタバコの代替としてのNJOYへの投資ではあるが、NJOYはJUULと異なりFDAの認可を受けている製品がある点を考えると悪くはなさそうである。買収に関して通年EPSや自社株買いに影響は無いとしている点も好材料だったのだろう。

とはいえJUULで大失敗している点に変わりはないので、NJOYが同様の道を辿らないとも言い切れない。アルトリアの目論見通り買収完了から2~3年でプラスの効果をもたらすことを期待したいのだが・・・。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。