はじめに
先日2022年8月末には自分の所有銘柄であるブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の新薬が臨床試験目標未達となり株価が6%超下落してしまったのだが、今回は9月9日(金)の時間外に乾癬治療薬がFDAに承認されたことを発表し、それを受けて9月12日(月)のブリストル株は
3%を超える上昇となった。
ただ同日の米国市場は
とそれなりの上昇をしており、また自分が寝る前のブリストル株は74ドル台で前日比5%以上の上昇だったので、それを思うと終値としては今一つの感がある。
今回の乾癬治療薬がFDAに承認されたことは1日の株価には思った程の上昇とはならなかったのだが、中長期的な視点で考えた場合にどの様なメリットが期待できるのかについて整理しておくことにする。
2022年9月にFDAに承認されたブリストル・マイヤーズの乾癬治療薬に関して
承認された乾癬治療薬の内容
以下はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業ページより引用・抜粋。
- 製品名はSotyktu™(deucravacitinib)
- 中等度から重度の尋常性乾癬における初の経口治療薬で1日1回の投与
- 臨床試験ではプラセボや1日2回のOtezla®(apremilast)よりも有効性が確認された
競合となるであろうOtezla®に関して
Sotyktu™の臨床試験時の比較対象として挙げられたOtezla®に関して以下まとめておく。
- アムジェン(AMGN)が製造している乾癬治療薬で1日2回の投与
- 2022年8月発表の2022年第2四半期のOtezla®の売上は5億9400万ドル
またOtezla®という単語に覚えがあったので確認してみると、以前ブリストル・マイヤーズがセルジーンを買収する際に米連邦取引委員会(FTC)が反トラストの懸念を示したため、セルジーンが所有していたOtezla®を現金134億ドルでアムジェンに売却していたことが原因。
ちなみに昨日のアムジェン(AMGN)の株価は
4%程の下落。やはりブリストルの新薬が競合となる懸念を受けてのことだろう。
まとめ
ブリストルのSotyktu™の概要と競合となるであろうアムジェンのOtezla®等について確認してみた。
最新のOtezla®の四半期売上5億9400万ドルだが、ブリストルの2022年第2四半期の製品売上は以下の様になっており
Otezla®からどれだけ市場シェアを奪えるかにもよるが、Sotyktu™はブリストルの製品群の中では新製品(New Product Portfolio)の中では有望に見えるが、主力製品(In-Line Products)には及ばない程度だろうか。
それでもブリストルは特許切れ製品(LOE Products)の影響が懸念されていることを考えると、こういった有望そうな新規の製品が出てくることは有難い。
ブリストルは2022年8月末の臨床試験目標未達の際に株価が大きく下がり
70ドルも割り込んで不安だったのだが、いつの間にか70ドルを回復している。
年初来の株価も
市場(S&P 500)に比べるとかなり良く年初来プラスとなっている。8月後半からやや不安だったが9月に入ってからの好調をこのまま維持して欲しいものだ。