はじめに
自分が所有している銘柄の決算発表を確認し整理する日が続いていたのだが、その間に掲題の通りボーイング787の納入が再開されていたらしい。
7月27日に行われた自分が所有しているボーイング(BA)の第2四半期決算発表のまとめ時には
「上記の様な決算後の状況を加味すると今後のボーイング株がどうなるかはまだ不透明だが、利益率の高い787が納入再開されれば回復基調が続くのではないかと思われる」
と書いていたのだが実際にはボーイング株はどうなっているのか。その他ボーイング関連ニュースも含めて整理しておくことにする。
ボーイング第2四半期決算(7月27日)以降のボーイング787納入再開関連情報
前提としてボーイングは2021年5月以来787の納入を停止している。詳しくは以下を参照。
【2022年7月29日】
- 米連邦航空局(FAA)が、ボーイングの提出した中型機787ドリームライナー納入再開に向けた検査・修正計画を承認したと関係者2人が明かす
【2022年8月8日】
- 米連邦航空局(FAA)が、ボーイングの787ドリームライナーの納入が必要な検査・修正が行われ、安全性認証基準が満たされたため数日以内に再開されるとの見通しを明らかにした
- FAAが8日遅くか9日に納入を承認し、早ければ10日にアメリカン航空へ引き渡しが行われる予定
- 実際には同日8月8日に納入が承認された
【2022年8月10日】
- アメリカン航空への787-8型機引き渡しを実施
- ボーイングは「私たちはすべての航空機がボーイングの厳格な仕様と規制要件に適合するよう徹底したエンジニアリング分析、検証、リワーク活動に従い、787の納入を再開した。規制当局や顧客、サプライヤーと透明性のある話し合いを続け、すべての規制要件とボーイングの最高品質基準を満たす航空機を引き続き提供することを約束する」との声明を発表
- ボーイングは今後の納入タイムラインに関する追加情報の提供はせず
ボーイング787は納入停止中に製造した機体約120機の大部分の引き渡しを2023年末までに行い、現在月間生産2機を順次月間生産5機に引き上げる見込みとのこと。
ボーイングの7月商用航空機受注・納入情報
ボーイングは8月9日に7月商用航空機受注・納入情報を公開している。
以下の情報はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。
【受注】
2022年7月の商用機受注は130機で前年同月は31機。デルタ航空から737MAXを100機受注しているのが受注数を押し上げている。
【納入】
2022年7月の商用機納入は26機で前年同月は28機。今年2月の22機以来5カ月ぶりに30機を下回っている。
直近1ヶ月のボーイング株推移
上記の情報及び決算発表を含めた直近1ヶ月のボーイング株は以下の様に推移している。
7月27日の第2四半期決算発表は株価にほとんど影響を及ぼさず。
8月1日(月)に大きく上昇しているのは、上述した7月29日(金)の米連邦航空局(FAA)がボーイングの提出した中型機787ドリームライナー納入再開に向けた検査・修正計画を承認という報道が時間外後にされたため。
8月8日、10日のアメリカン航空向け787の検査承認、引き渡し実施は株価上昇とはなったもののそれ程の上昇とはならず。
8月9日のボーイングの7月商用航空機受注・納入情報もそれ程材料視はされなかった。
また8月16日以降は市場が下落傾向ではあるものの市場に比べて大きい下落となっている。
まとめ
ボーイング787納入再開を受けての株価確認等をしてみたが、8月1日にFAAの787ドリームライナー納入再開に向けた検査・修正計画を承認という報道を受けて大きく上昇したもののその後の実際の承認・納入ではそれ程の上昇は無く、結局のところ直近1ヶ月のボーイング株は0.9%上昇でS&P 500の5.7%上昇に比べて見劣りがする状況となっている。
繰り返しになるが7月の決算発表まとめ時点ではボーイング787の納入が再開されれば、
「上記の様な決算後の状況を加味すると今後のボーイング株がどうなるかはまだ不透明だが、利益率の高い787が納入再開されれば回復基調が続くのではないかと思われる」
と書いていたのだが、残念ながら回復基調がとはとても言えない状況になっている。
この状況が既に787納入再開が既に株価に織り込み済みであるためなのか、実際の納入が今後も順調に続くのを注視しているためなのかの判断が自分にはつかない。願わくば後者であって787の納入が増加するにつれて株価も上昇してくれるといいのだが。