はじめに
2022年8月2日には自分の持ち株であるデュポン・ドゥ・ヌムール(DD)の2022年第2四半期決算が発表された。
以下決算内容を確認し整理しておく。
デュポン・ドゥ・ヌムール2022年第2四半期決算概要
以下の情報はデュポン・ドゥ・ヌムールの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第2四半期の総売上(Net Sales)は33億2200万ドル、前年同期は31億400万ドルで前年同期比7%増
- 2022年第2四半期の継続事業による希薄化後1株当たり利益(Earnings per common share from continuing operations – diluted)は0.71ドル、前年同期は0.73ドルで前年同期比3%減
- 2022年第2四半期のNon-GAAPベース調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.88ドル、前年同期は0.79ドルで前年同期比11%増
事業部別業績
【Electronics & Industrial部門】
売上は前年同期比16%増の15億2700万ドル。事業の買収・売却や為替の影響を除いた既存事業売上高(Oragnic Sales)が8%増。前年比でOperating EBITDAが増加した一方で、Operating EBITDA marginが減少しているのは前年の事業売却に関係している。
【Water & Protection部門】
売上は前年同期比6%増の14億9700万ドル。既存事業売上高は9%増。Operating EBITDA、Operating EBITDA marginが減少しているのは主に原材料コスト及び輸送、エネルギーコストのインフレーションによるもの。
2022年通期見通し
2022年通期及び第3四半期見通しは以下の通り。
【2022年通期】
- 総売上(Net Sales):130億ドル~134億ドル(前四半期は133億ドル~137億ドル)
- 営業EBITDA(Operating EBITDA):32億5000万ドル~33億5000万ドル(前四半期は32億5000万ドル~34億5000万ドル)
- 調整後一株当たり利益(Adjusted EPS):3.27ドル~3.43ドル(前四半期は3.20ドル~3.50ドル)
【2022年第3四半期】
- 総売上(Net Sales):31億7000万ドル~33億7000万ドル(前四半期は32億ドル~33億ドル)
- 営業EBITDA(Operating EBITDA):約8億1000万ドル(前四半期は7億5000万ドル~8億ドル)
- 調整後一株当たり利益(Adjusted EPS):約0.81ドル(前四半期は0.70ドル~0.80ドル)
前四半期から色々と変更があるが概ね下方修正。プラス要因としては堅調な需要と注文、マイナス要因としては2022年5月末に売却完了したバイオマテリアル事業分が無くなったことや為替の悪影響、工場の予定外メンテナンスによる操業停止などを挙げている。
その他
その他アナリストとのカンファレンスコールでの説明・質疑も含めた主な項目は以下の通り。
- 2022年通年では前四半期約6億ドルのコスト増を見込んでいたが、主にエネルギーと物流コストの上昇により現在は7億ドルを超える見通し
- 2021年11月に発表したRogersの買収は中国当局の審査を残すのみで、2022年第3四半期に完了予定
- 同じく2021年11月に発表したMobility & Materials部門の大部分売却は2022年第4四半期に完了予定
- 第2四半期に5億ドルの自社株式を買い戻し、年初来の総額は8億7500万ドル。承認プログラム残は5億ドルで年内に買い戻し実施予定
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第2四半期の総売上(Net Sales)は33億2200万ドル、市場予想の32億5000万ドルを上回っている
- 2022年第2四半期のNon-GAAPベース調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.88ドル、市場予想の0.74ドルを上回っている
- 2022年第3四半期の売上見通しは31億7000万ドル~33億7000万ドル、市場予想の33億9000万ドルを下回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算を受けてデュポン・ドゥ・ヌムールの株価は
2.71%の下落。同日の米国市場は
いずれも下落しているもののデュポンの下落幅はそれより大きくなっている。市場予想を上回る決算結果にもかかわらずデュポンの株価が下がったのは、見通しの下方修正が多かったためだろう。
年初来のデュポン株の推移を決算発表後も含めて市場(S&P 500)と比べてみると
市場に比べて10%以上の低パフォーマンス。前四半期の決算時には
「気になる今後のデュポン株だが、上記の市場との対比や決算発表を受けて特に上昇した訳でもない事を考えるとあまり期待はできないのだろう。」
と書いていたが、残念ながら概ね想定通りとなってしまった。
今後のデュポン株だが、7月半ばからは上昇傾向で市場と同程度のパフォーマンスになっているものの見通しの弱さから上昇幅は限定的なのだろう。あまり期待せずに大幅下落とならないことを望みたい。