はじめに
昨日2022年5月23日(月)には掲題の通りAT&T(T)の最高経営責任者(CEO)John Stankey氏がJ.P. Morgan Global Technology, Media & Communications Conferenceで講演を行い最新情報のアップデートを行った。
AT&Tは2022年4月21日(木)に2022年第1四半期決算を発表しており、それから約1ヶ月と割と短い期間でのアップデートとなり何か目新しいものがあるのか気になるところ。
以下、アップデートの内容及びAT&T株の動きを確認しておくことにする。
J.P. Morgan Global Technology, Media & Communications ConferenceにおけるAT&T最高経営責任者John Stankeys氏のアップデート
以下はAT&Tの企業ページより引用・抜粋。
- The company continues to grow customer relationships across wireless and fiber and feels good about the momentum it’s experiencing on the back of its consistent simplified go-to-market strategy
一貫性した簡素化された市場開拓戦略に基づいたワイヤレスとファイバーにおいて顧客との関係を拡大し続けている勢いに満足しています - Overall mobile demand remains healthy, and AT&T continues to find success in the marketplace. While the company retains its view that 2022 postpaid wireless demand is unlikely to repeat 2021 levels, Stankey indicated the company is not seeing signs of any near-term step down in demand levels
全体的なモバイル需要は引き続き堅調であり、AT&Tは市場で成功を収め続けています。2022年の月額後払い携帯需要が2021年の水準を繰り返す可能性は低いとの見方を維持していますが、Stankey氏は同社は需要水準の短期的な低下の兆候を見ていないと指摘しました - AT&T’s fiber build momentum continues. Stankey indicated that the combination of AT&T’s high-quality differentiated product, simplified pricing and an improved go-to-market strategy continue to support strong adoption levels and improved penetration rates
AT&Tのファイバー構築の勢いは続いています。Stankey氏はAT&Tの高品質で差別化された製品、簡素化された価格設定、改善された市場開拓戦略の組み合わせが、強力な採用レベルと改善された普及率を引き続きサポートしていることを示しました - Stankey indicated that the company continues to work diligently with state and local government municipalities across the country to successfully participate in the Affordable Connectivity Program by providing affordable broadband connectivity to low-income customers. This program aligns with AT&T’s 3-year, $2-billion commitment to help close the digital divide. Over time, the company also believes these efforts can help provide internet for all as well as expand the total addressable market for broadband access
Stankey氏は、同社が低所得の顧客に手頃なブロードバンド接続を提供することでAffordable Connectivity Programに成功裏に参加するため全国の州および地方自治体と熱心に協力し続けていることを示しました。このプログラムはデジタルデバイドの解消を支援するAT&Tの3年間で20億ドルのコミットメントと一致しています。時間の経過につ伴い、同社はこれらの取り組みがすべての人にインターネットを提供し、ブロードバンドアクセスのアドレス可能な市場全体を拡大するのに役立つと信じています - AT&T remains comfortable in its ability to manage inflationary pressures impacting the economy. The company recently introduced careful and deliberate price increases for select legacy wireless plans, providing an opportunity for customers to move to AT&T’s best unlimited plans which offer more features and a better value dynamic for customers. The company also remains on track with its cost transformation program as it looks to deliver its stated goal of an incremental $1 billion of cost reduction this year
AT&Tは、経済に影響を与えるインフレ圧力を管理する能力に引き続き満足しています。同社は最近一部のレガシーワイヤレスプランに慎重かつ熟考された値上げを導入し、顧客がより多くの機能とより優れた価値をダイナミックに提供するAT&Tの最高の無制限プランに移行する機会を提供しました。同社はまた今年10億ドルのコスト削減という目標を達成することを目指しており、コスト変革プログラムを順調に進めています
まとめ
5パラグラフと少なかったので全部載せてみたが特に目新しいものは無く、基本的にはAT&Tの戦略・施策が順調に行われている事を示唆する内容。あえて言えば、月額後払い携帯の需要が(COVID-19の影響で多かった)2021年レベルには達しないだろうが、短期的な需要低下の兆候は見られないとしている点と、インフレには上手く対応していると述べた点だろうか。ただし、どちらも具体的な数値は挙げていない。
具体的な内容が乏しく目新しい情報も無かった事もあってか昨日のAT&T株は
1.67%上昇してはいるが同日の米国市場が
それ以上に上昇しているので、CEOの講演におけるアップデートは特に株価に影響をもたらさなかったと言って良いだろう。
昨日のアップデートはAT&T株に特段の影響は無かったが過去3ヶ月のAT&T株を見てみると
4月11日(月)からのワーナーメディア分離で大きく上昇し4月21日(木)の決算発表で更に一段高となった後、4営業日続けて下落してやっぱりダメかと思ったのだがその後は自分が抱いていた印象と異なり堅調に推移している。市場(S&P 500)と比較してみると
AT&T株はかなり上手くここ最近の市場の下落基調を乗り越えている感がある。
今後のAT&T株がどうなるかの判断はまだまだ難しいが、ここひと月程の堅調な推移を維持して欲しい。ワーナーメディア分離に伴い配当が予定通り半分近く削減されているので、業績・回復を順調に伸ばして何とか配当増につなげてもらいたいものだ。AT&Tはワーナーメディア分離前の9四半期、つまり2年以上配当据え置きだったので過度な期待は禁物だが、分離後1年経過した来年の春先に配当増を発表してくれると嬉しいのだがなあ。