はじめに
2022年3月2日にはOPECプラスの閣僚級会合が行われた。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってから原油供給に対する懸念はあるのだが、2022年2月25日までを少しまとめた時点では自分が思っていたほどニューヨーク原油先物価格と自分が所有しているエクソン・モービル(XOM)株は上昇せず。
今回のOPECプラス会合の結果と併せて直近の原油先物価格及びエクソン株について確認しておく。
2022年3月2日のOPECプラス会合まとめ
以下は主にロイター、ブルームバークの報道より引用・抜粋。
【会合前】
- ロイターの報道によるとOPECプラスの合同専門委員会(JTC:Joint Technical Committee)は、2022年の供給過剰見通しを従来の日量130万バレルから日量110万バレルに引き下げ
- JCTの見通しでは先進国の在庫が2022年末までに2015~19年平均を6200万バレル下回る。前回の報告書では2015~19年平均を2000万バレル上回ると予想していた
【会合結果】
- OPECプラスは協調減産縮小に伴う現行の毎月日量40万バレルずつ供給拡大するペースを4月も維持することで合意
- ウクライナ問題に関する直接的な言及は無く「現在見られている変動は市場のファンダメンタルズの変化によるものではなく、地政学的な動向によるもの」とするに留まっている
- ロシアからはノワク副首相が会合に出席
- 今回の会合は過去最短の15分で終了
- OPECプラスの次回会合は3月31日予定
【その他】
- 前日3月1日には国際エネルギー機関(IEA)が備蓄石油6000万バレルを協調放出することで合意。うち半分は米国が担当
- IEAによると6000万バレルは加盟国が保有する緊急備蓄15億バレルの4%に相当
まとめ
過去1ヶ月のニューヨーク原油先物価格は以下の様になっている(3月4日はまだ取引中)。
2月末まではウクライナ侵攻があったにもかかわらず1バレル90~95ドル程度の終値で推移していた(ただし日中ではウクライナ侵攻があった2月24日に一時1バレル=100ドルを超えている)のだが、3月に一気に1バレル=100ドルを突破してから急上昇して110ドル近くで高止まり。
一方エクソン株はOPECプラス会合後は
1.72%の上昇。ただし同日の米国市場も
いずれも同程度上昇している。
同期間のニューヨーク原油先物とエクソン株を比べてみると
と原油先物価格が20%を超える上昇となったのに対してエクソン株はほぼひと月前と同程度の価格。エクソン株は原油先物価格と連動することが多かったのが、現在の状況は特殊と言えるのだろう。
ただエクソン株と市場(S&P 500)の過去1ヶ月を比べてみると
エクソン株は市場よりはまだマシな動きをしている。
今後の原油先物価格そしてエクソン株の動きもやはりウクライナ情勢に拠る所が大きいのでどうなるかは不透明だが、ここひと月の様に市場よりは良いパフォーマンスが続くのだろうか。