2022年2月のOPECプラス会合結果(2022/2)

はじめに

2022年2月1日は自分の所有株であるエクソン・モービルの決算発表があり

6%を超える上昇となった。エクソンの好決算は原油価格高騰に拠る所が大きいので、原油先物価格に影響を及ぼすOPECプラス会合の結果は気になるところ。

以下に2022年2月のOPECプラス会合結果を整理しておく。


2022年2月2日のOPECプラス会合まとめ

以下は主にロイター、ブルームバークの報道より引用・抜粋。

【会合前】

  • ロイターの報道によるとOPECプラスの合同専門委員会(JTC:Joint Technical Committee)は、2022年の供給過剰見通しを従来の日量140万バレルから日量130万バレルに引き下げ
  • 2022年の世界需要の伸び見通しは日量420万バレルで維持。年後半にはパンデミック前の水準を回復すると見込んでいる
  • 一方でサプライチェーンのボトルネック、中央銀行のインフレ対応などの「重大な不確実性」を含め、石油市場には多くのリスクがくすぶっていると言及。コモディティー市場のボラティリティーや投資不足による産油能力の制限、多くの地域における高水準の政府債務、地政学的リスクなど石油市場の回復に対する他のリスクも指摘している

【会合結果】

  • OPECプラスは協調減産縮小に伴う現行の毎月日量40万バレルずつ供給拡大するペースを3月も維持することで合意
  • 原油価格の上昇は消費国が環境に優しいエネルギーにシフトする中で、化石燃料に対する十分な投資を確保できていないことに要因があるとの見解を示す

【その他】

  • OPECプラス全体として約束した供給を十分履行できず原油不足に陥る可能性
    • 現在余剰生産能力は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラク、クウェートの一部中東産油国にほぼ限られる
    • ウクライナを巡るロシアと欧米諸国との緊張、UAEの首都アブダビ周辺で爆発や火災を引き起こした無人機とみられる攻撃、リビアでの武装組織の妨害などがあり、供給途絶が発生した場合の埋め合わせが不安視されている
  • 2月2日に米エネルギー情報局(EIA:Energy Information Administration)が公表したデータでは、米原油在庫は先週100万バレル減少。市場は増加を見込んでいた

まとめ

年初来のニューヨーク原油先物価格は以下の様になっている。

2月の会合結果が伝わった2月2日は原油先物価格も上昇すると思ったのだが、同日発表された米1月のADP雇用統計の市場予想が20.7万人だったのに対しマイナス30.1万人と想定外の減少だったことも影響してか原油先物価格はほぼ変わらず。ただ2月3日は市場が

大幅マイナスだったにもかかわらずニューヨーク原油先物価格は上昇し1バレル=90ドルを超えている。これは2014年10月以来約7年4ヶ月振りとのこと。やはり原油需要に対する供給のバランス及び供給に対する懸念が原油先物価格を下支えしているのだろう。

年初来のニューヨーク原油先物価格推移と市場(S&P 500、水色)及びエクソン株(ピンク)を比べてみると

市場は2022年に入ってからあまりパッとせず年初来で6%下落しているのに対し、原油先物価格は20%を超える上昇傾向。エクソン株は流石に決算後6%上昇してからはやや下落しているものの年初来では30%を超える上昇となっている。

エクソンの決算発表後のまとめでは

「過去1年でエクソン株は80%近く上昇しており、個人的にはさすがにこのペースでの上昇は原油価格が高騰しているとはいえ限界があるような気がする。この見方が外れて引き続き上昇傾向を保ってくれればいいのだが。」

と書いていたのだが、今回OPECプラス会合のまとめをしてみると原油先物価格はまだ上昇余地があるのかもしれず、それに伴ってエクソン株もまだ上昇するのかもしれない。とはいえ燃料価格が上昇すれば各種コストがまた上昇するので市場全体にとっても自分の日常生活にとってもいい事ばかりでない。

前にも書いたかもしれないが、何とか上手い具合に原油需要と供給のバランスが取られて欲しいものだ。

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