はじめに
昨日2021年11月15日(月)は自分の所有しているボーイング(BA)株が
5%超の大幅上昇。同日のダウ工業平均が0.04%、NASDAQが0.04%それぞれ下落、S&P 500が変わらずと前日比で米主要3市場がほぼ横ばいだったことを考えると、ボーイング株の上昇には当然何らかの理由があるのだろうと思って調べてみたところ、やはり株価上昇につながる情報がありそれが2件重なったことが原因らしい。
以下に昨日のボーイング株上昇の要因について確認しまとめておく。
2021年11月15日のボーイング株上昇要因
中国当局が737MAXの信頼性安全案を評価し、航空各社に意見を求める
以下は11月14日(日)のロイター報道より引用・抜粋。
- 中国民用航空局(CAAC:Civil Aviation Administration of China)はボーイングが提案した737MAX設計変更などの信頼性改善案について安全性の問題は解決できると判断し、この案について11月26日までに意見を求める通知を航空各社に送った
- ロイターが通知内容を確認
- 提案された案では、今後も同様の問題が発生した場合にパイロットが取るべき手順を具体的に説明。再開にあたって正常な作動が確認される必要がある搭載システムもすべて列挙
- 航空局の通知によると、同局としてボーイングの運航管理ソフトウエアやディスプレー更新を含めた改善案を包括的に審査し、墜落事故を招いたような安全でない状況は防げると評価している
2021ドバイ航空ショーでの契約
以下はボーイングの企業ページより引用・抜粋。
11月14日
- Iceleaseが11機の737-800BCF貨物機を確定注文(firm order)
- DHL Expressが9機の767-300BCF貨物機を確定注文(firm order)
11月15日
- Emiratesが2機の777 Freighter(貨物機)を注文(order)
- 注文額は定価(list prices)で7億400万ドル以上
11月16日
- Air Tanzaniaが787-8 Dreamliner1機、767-300 Freighter1機、737 MAX2機を注文(Order)
- 注文額は定価(list prices)で7億2600万ドル以上
まとめ
掲題の11月15日ボーイング株の上昇は以上の様なニュースに拠る所が大きかったようだ。
中国での737MAX運航再開については、2021年9月末にテスト飛行が成功した際から更に一歩前進したといった感じだろうか。第3四半期の決算発表時には、年末までに中国で737MAXの運航再開承認を得られるよう取り組んでおり、2022年第1四半期中の納入再開を想定しているとしていたが、概ねそのスケジュール通りに進んでいるように思われる。
ドバイ航空ショーでの売上も他社の動向までは見ていないので判断は早計だが、昨日の株価上昇度合いを見るとそれらも市場に評価されたのだろう。
年初来のボーイング株を見てみると
第3四半期決算発表の10月27日時点ではまだ厳しい状況が続くと思い、
「現在米企業の決算でよく触れられるサプライチェーンに関する問題にも影響されるだろうし、少なくとも787の問題が解決され納入再開されるまではボーイング株に期待できそうにない。まだしばらくは我慢の時が続きそうだ。」
と書いていたのだが、その感想とは逆にそれ以降は昨日の大幅上昇を除いてもやや持ち直している感がある。今後もこの直近の傾向が続いてくれるといいのだが、日本以外の国では再びCOVID-19新規感染者数が増加傾向に転じているように見受けられ、旅客需要の冷え込みの可能性も考えられるので過度な期待は持たずに見守ることにしたい。