はじめに
2021年11月10日には米労働統計局(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS)からCONSUMER PRICE INDEX(消費者物価指数)が発表された。
インフレへの懸念が続く中、消費者物価指数は注目されていたが実際の結果について確認しておく。
2021年11月の米消費者物価指数
【前段】
自分のために米消費者物価指数について整理しておくと
- 米国で使われる消費者物価指数は、正確には人口の約90%をカバーするConsumer Price Index for All Urban Consumers(CPI-U)(全都市消費者物価指数)が使われている
- 一時的な要因により大きく変動する食品、エネルギー分野を除外する消費者物価コア指数(Index for all items less food and energy)も使用される
- アメリカで発表されるCPI結果は季節調整(seasonally adjusted)を加味したもの
- 消費者物価指数の算出方法、内容などは国ごとによって異なる
- インフレ率は消費者物価指数の長期的な変化率を年率換算したもの
といった点が気に留めておくべき点だろうか。
【予想と結果】(チャート、図表は米労働統計局資料より)
前月比消費者物価指数(CPI):予想0.6%、結果0.9%
前月比消費者物価指数(CPIコア指数):予想0.4%、結果0.6%
前年同月比消費者物価指数(CPI):予想5.8%、結果6.2%
前年同月比消費者物価指数(CPIコア指数):予想4.3%、結果4.6%
細かい内訳は以下の通り。
左側大項目ごとの詳細項目データが資料全体38ページ中30ページを占めている。
まとめ
昨日の上記米消費者物価指数の影響が大きかったのか、昨日の米国主要3市場は
ダウ工業平均:前日比マイナス0.66%
S&P 500:前日比マイナス0.82%
NASDAQ:前日比マイナス1.66%
といずれも下落。報道によると前年同月比の米消費者物価指数6.2%が1990年11月以来31年ぶりの大幅な伸びだったらしい。
これを受けてバイデン大統領は、加速するインフレを下げに転じさせることが「最優先事項」だと述べたが具体的な施策については言及していない。一方で政府から独立してインフレ動向を監視し、政策金利を決定する米連邦準備制度理事会(FRB)はこれまで現在の高水準は「一時的なもの」だとの見方を示しており、すぐには利上げしないと考えられている。
上のチャートにあったように10月に一段高となった消費者物価が今後さらに上昇するのか、それとも高止まりとなるのかは分からないが、こういった状況を踏まえると消費者物価高、インフレは少なくとも高い水準が続きそうだ。米国市場は今年に入ってから最高値を更新することが多かったが、
流石にそろそろ下がるのではという気がする。願わくばそれが急落ではなく、現状維持あるいは緩やかな減少でこのインフレを乗り切って欲しいのだが。自分の考えに反してこのまま上昇し続けてくれればなお良しだが、その可能性は低いだろう。
市場が下がっても自分のポートフォリオでそれなりに割合の大きいこれまで市場の上昇に乗り切れていなかったシティグループ(C)が利上げ期待で上昇したり、原油価格の上昇に伴い株価が上昇しているエクソン・モービル(XOM)が更に頑張ってくれれば良いのだが、さてどうなるか。
しばらくは方向感に欠ける市場ひいては自分の資産の動きに神経をすり減らす日が続きそうな気がする。