所有銘柄の株価で米インフレが現実化してきた実感(2021/6)

はじめに

ここ最近「米市場におけるインフレ懸念」という言葉をよく使ってきた気がするが、実際のところ自分の所有銘柄については金融株を除いてそれ程影響を感じてはいなかった(金融株は院インフレ懸念に伴う長期金利の変動で間接的に影響は出ていた)。

しかし昨日の米国市場では、自分の所有銘柄にもインフレの影響が出始めたかもしれない、という事を感じる出来事があったので、以下に整理しておくことにする。


自分のポートフォリオにもインフレの影響が出始めたかもしれないと感じた出来事

自分の所有している米国株銘柄のポートフォリオは米Yahoo! Financeで管理しているのだが、ティッカー順ではいずれもConsumer DefensiveセクターのPackaged Foodsインダストリーに属するケロッグ(K)、クラフト・ハインツ(KHC)が並んでいる。そして昨日の時間前取引の時点で両銘柄が約2%のマイナスで取引されていた。実際の終値は

と時間前取引よりは持ち直してはいたが、昨日のダウ工業平均が0.44%、S&P 500が0.18%、NASDAQが0.09%いずれもマイナスだったことを差し引いてもやや下落幅が大きかった。

そこで両社の下落の原因を調べてみたところ両社そのものに何かがあった訳ではなく、同じConsumer DefensiveセクターのPackaged Foodsインダストリーに属するキャンベル・スープ・カンパニー(CPB)の決算発表が影響していたと思われる。

キャンベル・スープ・カンパニー(CPB)の2021年第3四半期決算

キャンベルの第3四半期は2~4月。以下簡単に決算内容を見てみると

  • 売上(Net Sales)が19億8400万ドルで前年同期比11%減少
  • 金利及び税引き前調整後の利益(EBIT)が2億8300万ドルで前年同期比27%減少
  • 調整後希薄化1株当たり利益が0.57ドルで前年同期比31%減少

そして2021年の通期見通しを以下の様にいずれも下方修正している。

そしてこの低調な四半期決算と2021年通期見通し下方修正の主要な原因として輸送、原材料、労働力に関するコストインフレーションを挙げていた。ちなみにアナリストとのカンファレンスコールでの説明でInflation、inflationaryという単語を16回、アナリストとの質疑で19回使用している。

キャンベルの株価は

6.51%の大幅下落で、これが先に挙げた同じセクター・インダストリーの自分の所有しているケロッグ、クラフト・ハインツの株価下落につながったのだろう。

ちなみにキャンベルは2022年初頭に製品の値上げをするとしている。そういえばインダストリーはHousehold & Personal Productsと異なるが同じConsumer Defensiveセクターで自分の所有銘柄であるプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も4月の第3四半期決算で一部製品の値上げを明らかにしていた。


まとめ

上記の様に自分の所有銘柄にも米国でのインフレの影響が出始めた様な気がする。

これを受けて自分がどうするかという事を考えるべきなのだが、

  • 自分の投資はバイアンドホールド/長期投資で売却は約20年間ほとんどしていない(投資開始後1ヶ月時と昨年JCペニーが上場廃止になった時の2回)スタイル
  • 2020年10月末で退職/完全リタイアし、新規の追加購入をする金銭的余裕はない

という点が大前提としてある。

所有銘柄を売却してインフレに強い銘柄に乗り換えるというのは自分の投資スタイルに合わないし、会社員時代の様に給与収入があり定期購入をしているのであればもしかするとインフレも検討要素の一つとしたかもしれないが、今は追加投資をする余剰資金もないし、そもそもインフレに強い銘柄があるかどうかも定かではない。

米国株式以外のインフレに強い投資に乗り換えるというのも、ひと月ほど前に書いた様に自分の中では米国株式が良さそうな気がする。

結局基本的には何もしない(あるいはできない)という事になるのか。これを書いている内に何かいいアイデアが出るかとも思ったがそう上手く行くわけも無かった。ただ無策で何もしないのではなく、考えた末に「何もしない」という選択をしたので、それを忘れずに今後しばらくはインフレ動向を気に掛けつつも、短期的な上下動を過度に気にしないようにしたい。

とはいえ本日2021年6月10日は米国の消費者物価指数(CPIコア指数)が発表されるので、その結果次第ではインフレ懸念で市場が大きく変動する可能性があると考えてしまうのは性格的なものなのだろう・・・。

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