アルトリア(MO)2020年第2四半期決算(2020/7)

はじめに

2020年7月28日は自分の所有銘柄の一つであるアルトリア・グループ(MO)の決算発表があった。アルトリアは先月6月に追加購入したばかりなので、その際とどの様な違いがあったかを意識しつつ、四半期決算内容を整理してみることにする。


アルトリア・グループ2020年第2四半期決算概要

以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第2四半期の売上高(Net Revenues)は63億6700万ドル、前年同期比3.8%減少
  • 2020年第2四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は50億6200万ドル、前年同期比2.5%減少
  • 2020年第2四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.09ドル、前年同期比0.9%増加

  • 2020年第2四半期の純利益(Net earnings)は19億3800万ドル、前年同期比3.0%の減少

  • 2020年第2四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比8.8%の減少

ただ前四半期比では0.3%減少に留まっている。

通期の調整後1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)については前四半期ではCOVID-19がタバコ市場にもたらす影響が不透明なため撤回していたのだが、今回はCOVID-19の消費者需要への影響がより明確になったとして調整後1株当たり利益を4.21~4.38ドルとし、2019年の4.21ドルから0~4%の上昇になると見込んでいる。

ただ、2020~2022年の調整後1株当たり利益成長に関しては今回も提示はなし。

上記で触れたCOVID-19の影響に関しては、財務的には

  • To date, Altria recorded net pre-tax charges of $50 million, directly related to costs for disruptions caused by, or efforts to mitigate the impact of, the COVID-19 pandemic.
    これまでにアルトリアは、COVID-19のパンデミックによって引き起こされた混乱、またその影響を緩和するための努力に直接関係する5000万ドルの税引前費用を記録しました

としている。

今回の決算発表では10年計画として以下の様に述べている。

赤点線で囲ってあるFDA-authorized, noncombustibleはIQOSの事。今月にIQOSがFDAに曝露低減タバコ製品とされたことも考慮されているのだろう。IQOSに関しては更に詳しいプランが提示されている。

ただIQOSの販売はアルトリア・グループの子会社であるフィリップ・モリスUSAが販売しているためか、この計画がアルトリア・グループの業績・株価に具体的な数値としてどう影響を及ぼすのかは決算資料からは見えないのが難しいところ。

  • 四半期配当を一株当たり@0.84ドルから@0.86ドルに2.4%増配

これで「This increase marks the 55th increase in the past 51 years(過去51年で55回目の増配)」ということになる。4回@0.84ドルの配当が続いたので増配のタイミングではあったが、昨今のCOVID-19の影響を考えると増配は有難い。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2020年第2四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は50億6200万ドル、市場予想の50億4000万ドルを上回っている
  • 2020年第2四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.09ドル、市場予想の1.06ドルを上回っている
  • 通期の調整後1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)予測は4.21~4.38ドル、市場予想は4.29ドル

となっている。


まとめ

決算発表を受けてのアルトリア・グループの株価は、

0.93%の上昇。ダウ工業平均が0.77%、S&P 500が0.65%それぞれマイナスだったことを考えると決算内容が評価されたということなのだろう。

過去1ヶ月の値動きは

市場を上回るパフォーマンスではあるのだが、年初来で見ると

3月下旬からの上昇は市場に比べるとよろしくない。

こういった事を踏まえてアルトリア株をどう考えるか。2020年7月28日閉場時では投資額に対してややマイナス。

それでも前回2020年6月購入時直前

購入直後

に比べれば随分回復してきたと言えるだろう。このままプラスに転じてくれればいいのだが。

次回9月の定期購入時に追加購入するのも選択肢としてはあるかと思うのだが、紙巻タバコの出荷量の減少傾向に対してIQOSがどれ程アルトリア株に影響を及ぼすのかが今一つはっきりしない。FDAが曝露低減タバコと認定したことで米国市場の展開が期待できそうではあるのだが、先に挙げた18ヶ月プランでマーケットが3都市圏から8都市圏にしか増えておらず、まだまだ時間がかかりそうな気がする。自分の投資額が約5万ドルとなっている事もあり、銘柄分散の観点から別の銘柄を購入する可能性が高いとは思うが、税引前の配当率が8%前後と魅力的ではあるのだよなあ。

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