ブリストル(BMY)2020年第1四半期決算発表(2020/5)

はじめに

2020年5月7日はブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の決算発表があった。新型コロナウイルスに関して、ブリストルは目立った自社薬の報道は無かったと思うのだが、四半期決算の内容はどうだったろうか。それらを含めて整理しておくことにする。


2020年第1四半期決算概要

以下の情報はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は107億8100万ドル、前年同期は59億2000万ドルで前年同期比82%増加
  • 2020年第1四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)は1.72ドル、前年同期は1.10ドルで前年同期比56%増加

この増加は主に2019年11月20日完了したセルジーンの買収によるもの。また、

  • The quarter benefitted by approximately $500 million due to COVID-19 related buying patterns.
    今四半期はCOVID-19に関連する購買パターンにより、約5億ドルの利益を得ました

と述べており、COVID-19の影響がブリストル・マイヤーズの業績にはこの四半期は良い方向に働いたようだ。

そして主力製品の売上は以下の通り。

2019年が「ー」の製品はセルジーン買収に伴う製品のため比較はできない。元々のブリストル・マイヤーズのPrioritized製品ではオプジーボ以外は世界全体で売り上げを伸ばしている(米国ではヤーボイも売上減)。オプジーボの売上が振るわないのは前四半期の決算から変わらず。

またブリストルはこの状況にもかかわらず割と細かい通期見通しを提示している。

いくつか2月の決算時からアップデートがあるが、Non-GAAPベースでは大きく変わってはいない。売上(Net Sales)が5億ドル程下振れしているが、市場予測の413億ドルの範囲内に収まっている。またNon-GAAPベースの調整後1株当たり利益(Diluted EPS)の市場予想6.10ドルにも今の所は合致している。


まとめ

上記の主な決算内容と市場予想を比べると、

  • 2020年第1四半期の総売上高(Total Revenues)の市場予想は99億3000万ドル、実際には107億8100万ドルで上回った
  • 2020年第1四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)の市場予想は1.49ドル、実際には1.72ドルで上回った

総売上高、EPS共に市場予測を大きく上回る結果となった。しかし不思議な事に株価は、

0.15%のマイナス。理由については残念ながらよく分からない。

気になるのは今後この調子が続くのかという点だが、ブリストルは次四半期以降の予想についてもプレゼンテーション資料にまとめている。

他の多くの企業と同じ様に、次四半期がCOVID-19の影響のピークとなり下半期からは回復傾向に向かう見通しとしている。

まずはオプジーボとヤーボイの併用療法の審査が5月15日予定なので、その結果がどうなるかに注目だろう。製薬会社の常として治験や認可の結果が株価・業績に大きく影響する可能性があるからなあ。特にオプジーボは下落傾向が続いているので、ここで何とか良好な結果を出して転機となってくれれば良いのだが。

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