はじめに

昨日2020年4月21日は、自分の所有銘柄の一つであるフィリップ・モリス・インターナショナル（PM）の2020年第1四半期決算発表があった。前回の決算は2月上旬で、新型コロナウイルスの影響がそれ程顕著ではなかった頃だったが、今回はどのような決算内容になったのか。以下にその内容を整理しておく。

フィリップ・モリス2020年第1四半期決算発表概要

以下の情報は、フィリップ・モリス・インターナショナルのサイトより引用・抜粋。

2020年第1四半期の純収入（Net Revenues）は71億5300万ドルで、前年同期比6.0％増
2020年第1四半期の調整後営業利益（Adjusted Operating income）は27億8900万ドルで、前年同期比36.0％増

2020年第1四半期の調整後希薄化1株あたり純利益（Adjusted Diluted EPS）は1.21ドルで、前年同期比11.0%増

2020年第1四半期のタバコ製品（Cigarettes）と加熱式タバコ製品（Heated Tobacco Units）の出荷量は、タバコ製品が前年同期比4.4%の減少、加熱式タバコ製品が前年同期比45.5%の増加。トータルでの出荷量は1.2%の減少

2020年通期見通し

2020年の通期見通しは以下のようにアップデートされた。

Withdrawing full-year 2020 guidance (issued February 6th) due solely to uncertainty related to COVID-19 pandemic
COVID-19パンデミックに関連する不確実性に起因する2020年通年のガイダンス（2月6日発行）の撤回

具体的には2020年2月6日には、Reported diluted EPS（希薄化後1株あたりEPS）は少なくとも$5.50以上とされていた。

Q2も上記にある通りCOVID-19に起因する様々な要因で業績の悪化が予測されている。他の資料では、

The company now anticipates a further adverse impact related to the COVID-19 pandemic, with the largest quarterly impact this year expected in the second quarter.
当社は現在、COVID-19のパンデミックに関連するさらなる悪影響を予測しており、第2四半期に今年最大の影響が出ると考えています

としている。

まとめ

主要指標を市場の予測と比較してみると以下の様になる。

2020年第1四半期の純収入（Net Revenues）の71億5300万ドルは市場予想の67億3700万ドルを上回っている
2020年第1四半期の調整後希薄化1株あたり純利益（Adjusted Diluted EPS）は1.21ドルで、市場予想の1.13ドルを上回っている

という結果。これだけ見ると悪くない。

しかし昨日のフィリップ・モリスの株価は、

5.96%と大幅なマイナス。ダウ工業平均が2.67%、S&P 500が3.07%それぞれマイナスではあったが、それよりもフィリップ・モリスの下げ幅は大きかったことになる。

市場予測は上回ったものの、通期の見通しを撤回したこと、次の第2四半期の決算が低調である可能性が高いことが嫌気されたのだろうか。

ちなみに年初来の株価の動きをダウ工業平均、S&P 500と比較したグラフは以下の様になる。

S&P 500とほぼ同じ下落率で、ダウ工業平均よりは少しマシ、ということになる。

こういった点を踏まえて、フィリップ・モリス株をどう考えるか。次回の自分の米国株定期購入タイミングは予定では2020年6月。つまり既述のCOVID-19の影響が最も大きく出るであろう、第2四半期の決算発表（2020年7月想定）前になる。まあ自分の投資スタイルは長期投資/バイアンドホールドであるから、そこはあまり気にし過ぎる点ではない。

それよりもやはりタバコ市場全体の縮小傾向が気に掛かる。確かに加熱式タバコは順調に伸びているのだが、全体で見れば縮小が続いている。そして、この新型コロナウイルス状況下で生活必需品ではない嗜好品であるタバコの売上がどうなるか。個人的にはこれを機会に禁煙をする人が増えるような気もするのだがどうだろう。

いずれにせよ、次回四半期決算の内容・結果を待ってから検討するのが良さそうだ。