米国株式投資管理ツール/アプリまとめ
自分の株式投資の方針やスタンス、実際の購買履歴や資産残高についていくつか書いてきたが、それらを管理する上で、何を用いているか具体的に触れていなかったので、それらについて言及してみようと思う。特筆すべきツールやアプリケーションがあるわけではないのだが、今のところはこれらの組み合わせで管理をしている。
楽天証券Webサイト
DLJディレクトSFG証券でスタートした米国株式投資の証券会社のサイトをそのまま使用している。証券会社自体は自分が使用するにあたっては特に大きな問題もないので変える理由もない。サイトについては適宜更新が入るが、自分が使っている際の管理方のポイントを挙げてみる。
良い点
- 基本的に投資した内容のほとんどがカバーされている
- トムソン・ロイター社提供のニュースが日本語で読める
楽天証券のサイトは何度も更新を繰り返して、だんだん良くなってきていると思う。特にあまり管理を気にしなくてもほぼ必要なデータがWebで参照できるのは大きい。多少癖はあるし、Webで参照できない情報もあるのだが、自分が投資を開始した2001年のデータも参照できる。
またトムソン・ロイターのニュースは、日本語であるし、余計なバイアスがかかっていない簡潔な記事がほとんどなので、投資をする際の検討事項として利用することが多い。提供のタイミングはやや遅いかもしれないが、日本語である点や自分の投資スタイルから考えると全く問題はない。
不満点
- 所有している銘柄が買収/合併された場合などに、正確な投資額のデータが不明になってしまう
- 資産合計の評価損益に、配当として入金されたものも含まれるため、実際の投資額と評価損益に乖離が発生してしまう
例えば自分はDD(デュポン)に投資をしていたのだが、昨年DOW(ダウ・ケミカル)と合併して、DWDP(ダウ・デュポン)となっている。その情報を見ると、
平均取得価額が0になってしまっている。実際にはDDに費やした額や合併時の比率などを踏まえて平均取得価額を把握しておきたいのだが。株式を追加購入する際は、平均取得価額に比べて購入時の価格が割安かどうかを有力な判断材料の一つにしているので。
また評価損益に関しては、自分が投資した絶対額をベースにしているので、配当金は利益とみなしているのだが、Webでは投資額に含まれてしまっているおり自分の管理方と違ってしまっている。どちらが正しいというのではないので、仕方がないのだろうが。
後述するExcelを使用して、この不満点を自分なりに補完している。
MarketSpeed
楽天証券が提供しているツール。日本株投資であればさらに利点が多いような気がする。昔はWebでは参照できないデータ(過去データ)が参照できていたので使っていたが、現在は特に米国株式を取引する上ではWebと違いがないような気がする。とりあえずは90日の無料期間が過ぎないように、投資をする際にはMarketSpeedから注文を行ってはいる。
Yahoo!Finance(米国)
英語というハードルはあるのだが、自分でポートフォリオを設定することで上に挙げた楽天証券関連の情報を補完できたり、見た目をある程度自分で設定できるので重宝している。Yahoo!Financeを使うためには前提として米国Yahooへのアカウント登録が必要となる。登録の方法については別記事を参照。
良い点
- 見た目(View)を自分が欲しい情報で設定できる
- 株価の動きがリアルタイムで見れる(無料)
- 取引(Transaction)データを自分で入力できる
上に挙げたDWDPの部分だけだが、Yahoo!Financeで管理しているポートフォリオの画像は以下のような感じ。
ここにあるCost BasisがDD時代に費やした平均取得価額を自分で管理している値。これを見ると平均取得価額が@40.75ドルに対して、株価が@65.92ドルで+61.77%のパフォーマンスというのが分かる。所有銘柄で割安感があるものが他にたくさんあるので、しばらくDWDPの追加購入はいらないか、という具合に参考にしている。
また、これらのデータがリアルタイムに無料で更新されており、自分にとってはあまり有用性はないが、デイトレードをする人には有効かもしれない。確か楽天証券では米国株式のリアルタイムデータを取得するには手数料がかかったはず。
不満点
- 当然英語である
- たまに予告なしにレイアウトやインタフェースを変更することがある。しかもあまり良くない方に
やはり英語がわからないと色々厳しいところはあるかもしれないが、慣れればそれほど不満もない。またポートフォリオに組み入れた銘柄のニュースが見れるのだが、主観が混じっているものが多くて玉石混交なのであまり参考にしてはいない。
たまにレイアウトが予告なく変更されることがある。ただその際には既存ユーザーからのフィードバックが多発して、あまりに大きな変更は緩和されているのが実態。米国の人たちにとっても今のものが概ね使いやすい/役に立っている様子。
Excel
別にExcelでなくても表計算ソフトであればよいとは思う。上記のものは証券口座や銘柄主体だが、預貯金なども含めたデータをExcelで月次ベースで管理している。メンテナンスの手間暇や、自分のバイアンドホールド/長期投資という投資スタイルを考えると月次程度で整理するのが、自分には適している。
基本となるデータそのものはWebのものと変わらないが、前月比や累計の観点で見れるように計算式を入れたりしている。
ちなみに項目としては以下のような感じ。
このブログに書いている過去データの月末資産の記事については、このExcelのデータを転記している。あくまで手持米国株全体の資産価値のみで、個別銘柄の月末資産については記録していない。それをやり始めると投資管理にかかる時間が膨大に増えてしまうのが容易に予想されるので。
各項目について補記しておく。
年月:当該の年月
貯金:昔の言い方で恐縮だが、今のゆうちょ銀行に預けている金額。月単位でほとんど変化なし
預金:ゆうちょ銀行以外の銀行に預金している額。基本的にはネットバンクの月末残高を転記している。ここには普通の生活用資金の口座(カードなどの各種引き落とし口座)の金額は含んでいない。あくまで自分の中で資産とみなせる預金にしている。
預貯金合計:その月の貯金と預金残高の合計金額
増加率(E列):預貯金の月次増加率。(当月の預貯金合計-先月の預貯金合計)/当月の預貯金合計*100として計算
MRF/預金:楽天証券口座の「預り金」を転記
米ドル:楽天証券口座の「外貨預り金合計」を転記
米株:楽天証券口座の「米国株式」を転記
外貨MMF:楽天証券口座の「外貨建MMF」を転記
資産価値:上記MRF/預金、米ドル、米株、外貨MMFの合計額。楽天証券口座の「資産合計」とイコールになる(米国株以外保有していないため)
増加率:楽天証券口座に存在している資産の月次増加率。(当月の資産価値-先月の資産価値)/当月の資産価値*100として計算
総計:預貯金と証券口座を含めた当月の総資産合計。当月の預貯金合計+当月の資産価値
月増加率:総資産の月次増加率。(当月の総計-先月の総計)/当月の総計*100として計算
累計投資額:今までの投資累計額
投資損益:累計投資額と楽天証券会社に存在している資産価値の円ベースでの差分。当月の資産価値-累計投資額として計算
リターン:投資損益の月次増加率。(当月の資産価値-累計投資額)/累計投資額*100として計算
これらの月次データをExcelのグラフ機能を使って大体月次ぐらいで見ていることが多い。
以上が自分が資産管理に使用しているツール、サイトとなる。これらの組み合わせでまずまず不満はない。これ以上細かい管理(例えば月末の個別銘柄管理)を行うとすると、その管理に使う工数/時間が多くなりすぎるような気がする。そしてその費やした時間に比べての価値が見合わないと思う。少なくとも自分の投資スタイルでは。
どのツールを使うかというよりは自分が管理したい情報は何か、という点から突き詰めていったら上記の様なツールを使っている、というのが正直な所。どういう風にデータを管理するかは人によって異なるので何が良いとは言えないが、個人的には証券口座とYahoo! Financeは米国株式投資をする上では重要だし、表計算ソフトを使ってデータを色々な角度から見てみるのも役に立つのではないか、と思うので今のところはここに挙げたもので満足しており、特に不足は感じない。