はじめに
2019年8月15日のゼネラル・エレクトリックの株価は既にまとめた通りだが、その翌日の株価が大きく変化したので、それについてまとめておく。
まず2019年8月15日の株価終値は、
8.01ドルだったが、翌日8月16日には、
8.79ドルと9.74%の上昇。前日の下落分を取り戻すには至らなかったが、そこそこ値を戻している。
急落翌日に値を戻した要因
前回書いた様にラリー・カルプCEO(最高経営責任者)が、200万ドル近く(1株当たり7.93ドルで普通株25万2000株)に相当する株式を15日購入したことも影響はあっただろうが、16日に株価が戻ったのは、複数のアナリストがハリー・マルコポロス氏のレポートに対して懐疑的な意見を明らかにしたため。以下はその例。
シティのアナリスト、アンドルー・カプロウィッツ氏:
報告書自体に「大きな欠点(“sufficient shortcomings”)」があり、会社を改善するCEOラリー・カルプの能力を信じ続けていると述べた。報告書で行われた申し立ての一部はすでに知られており、他の主張は「既知の未知数(“known unknowns”)」であるとしている
ウィリアム・ブレアのアナリスト、ニコラス・ヘイマン氏:
GEの財務諸表で財務状況や負債が故意に不正確に記されたとは考えられないとし、告発に疑問を呈した。費用約380億ドルが先に認識されているべきだったとの想定で、GEの財務状況を描写しようとする試みは、「よく言っても不誠実、悪く言えば非常に不正確だ( “at best disingenuous and at worst highly inaccurate”)」とヘイマン氏は述べた
ゴールドマンサックスのアナリスト、ジョー・リッチー氏(工業株担当)とアレックス・スコット氏(北米の生命保険業界担当):
対象期間あたりのGEの引当金は、プルデンシャルファイナンシャル(PRU)が保有する同様の事業の帳簿よりも高いと結論付けている。ハリー・マルコポロス氏からの否定的な報告書に関して、他の問題でもGEの長期介護保険会計の仮定の多くに異議を唱えている
まとめ
GE株をカバーしていたアナリストはコメントせざるを得なかったのだろうなあ、とも思う。何か言及しなければ、自分が分析していたゼネラル・エレクトリックに関するレポートにミスがあったと取られてしまう可能性もある。
こうなると、ゼネラル・エレクトリックに関する影響力が強いJPモルガンのアナリスト、スティーブン・ツサ氏がどういったコメントをするかが非常に気に掛かる。今のところツサ氏がこの件に関して言及してはいないだが、その内容によってGEの株価はまた大きく上下するのだろう。
15日、16日とゼネラル・エレクトリック株の値動きは激しかったが、前のまとめと上の状況を受けて来週の株価はどうなることだろうか。