GEがバイオ医薬品事業をダナハーに売却(2019年2月)

はじめに

2019年2月21日にゼネラル・エレクトリック(GE)がスピンオフをする連絡が楽天証券からあったのに続いて、2月25日には表題の通りバイオ医薬品事業をダナハーに売却にすることが発表された。ここ最近のGEの動きが早くて情報を整理するのが大変だが簡単に整理してみる。


情報まとめ

2019年2月25日にGEはバイオ医薬品事業を医療機器メーカーのダナハー(DHR)に214億ドルで売却すると発表。

その売却額が予想されていた金額より大きく、流動性を巡る懸念への対処として評価されたこともあり、株価は終値で0.65ドル、6.39%の上昇。

GEは当初ヘルスケア部門全体をスピンオフし、新規株式公開(IPO)を行う計画を進めていたが、2019年1月に同部門の約半分を売却する方針を発表。関係筋によるとIPO計画はダナハーとの手続きが完了するまで保留されるとのこと。バイオ医薬品事業の売却は2019年下期に完了の見通し。

GEのバイオ医薬品事業は昨年の売上高でヘルスケア部門全体の15%を占めていた。バイオ医薬品事業売却後、GEに残されるヘルスケア部門は医療機器と診断薬事業となる。

ローレンス・カルプ最高経営責任者(CEO)がGEのトップに就任して以来最大の資産売却となり、カルプCEOは今回の事業売却をGEの財務立て直しに向けた重要な節目と位置付け「債務圧縮とバランスシート強化に向け慎重かつ熟考された行動を取っていくことを明示した」とコメント。ちなみにダナハーはカルプCEOの古巣。


まとめ

最初に書いたワブテック(WAB)の売却の際には、スピンオフしたワブテックの購入をどうするかを考えたのだが、今回はそれらを踏まえてGEが買いの対象になるかを考えてみる。

2018年12月の前回購入時点では、GEの株価は7ドル前後で配当も@0.01ドル。この先回復するには時間がかかるだろう、と判断していたのだが、2019年1月には買い戻しの動きや月末の第4四半期決算発表で売上高とキャッシュフローが市場予想を上回ったことで、株価は9ドル台まで回復。そして2月も総じて堅調な動きとなっている。2019年に入ってからのGEの株価チャートは以下の様になっている。

配当を別にして株価の面から考えると、この2ヶ月を見ると次回の購入タイミングである3月下旬にGEを買い足すというのも選択肢としてはありなのではないかと思う。少なくとも自分の中では検討に値すると思う。

前提として自分が現在保有しているGE株が3,850株あり、その取得価額が2019年2月26日米国市場閉場時点で@16.29ドル、つまり取得価額比-34.6%という観点ではあるが。一からGEを買うとなるとまた話は違ってくるかもしれない

またカルプCEOは26日に株主宛ての書簡で、GEの負債は多すぎるため「早期に注意深く」減らしていく必要がある、との考えを示しており「現金を生み出して負債を減らす手段はまだある」と説明。「シングルA水準の格付けを維持し、最終的に同業他社並みの配当を達成するため、規律ある財務運営を続ける意向だ」と述べている。

良いか悪いかの判断は難しいが、カルプCEOは電力事業を最優先に位置づけてGEの事業再編を進めており、実際にスピンオフや事業売却を実施して(できて)いる点では、今後に期待が持てるような気もする。

GEは3月14日に2019年見通しを公表するとみられているので、その内容も含めてGEを買い足すかどうか決めることにしよう。


補足

ちなみにこれを書いている2月27日にベトナムのベトジェットとバンブーが米ボーイング機110機の購入で契約調印している。これはベトナムの首都ハノイで27-28日に米朝首脳会談が行われており、今回の契約は会談に合わせた動きと思われる。トランプ米大統領は、ベトナム当局者らとの昼食会でボーイングの契約を称賛し、「われわれは、あなた方が米国と(ベトナムの間)の貿易赤字を削減することに大変感謝している」と述べている。

何故この様なことを書いているかというと(確かにボーイング株も自分は所有しているが)、今回ベトジェットがGEとの間に53億ドルの長期エンジンサポート契約をしているため。これもGEの負債削減の一助となるのではないだろうか。

それにしてもここ数日GEから大きめの発表が続いているなあ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。