はじめに
2020年10月30日には自分の所有銘柄の一つであるアルトリア・グループ(MO)の決算発表があった。10月末で退職という事や、他の銘柄確認などで遅れてしまったが、アルトリア株も今後の完全リタイア・配当金生活においては重要な銘柄の一つ。
以下に決算内容を整理し、今後の見通しについて確認しておきたい。
アルトリア・グループ2020年第3四半期決算概要
以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。
- 2020年第3四半期の売上高(Net Revenues)は71億2300万ドル、前年同期比3.9%増加
- 2020年第3四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は56億7800万ドル、前年同期比4.9%増加
- 2020年第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.19ドル、前年同期とほぼ変わらず
- 2020年第3四半期の純損失(Net earnings(losses))は9億5600万ドルの損失、前年同期比63.3%の改善
2020年第3四半期が純損失となったのは上図にある「Impairment of JUUL equity securities」(JUULの減損費用)があるため。今四半期も26億ドルの減損費用を計上している。
- 2020年第3四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比0.4%の減少
通期の調整後1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)については以下の通り。
調整後1株当たり利益を4.30~4.38ドルとし、2019年の4.21ドルから2~4%の上昇になると見込んでいる。
前四半期は調整後1株当たり利益を4.21~4.38ドルとし、2019年の4.21ドルから0~4%の上昇になると見込んでいたので、下限がやや上昇している。
JUULに関しては先に述べた様に26億ドルの減損処理を行っており、その結果
9月30日時点での簿価は16億ドルとなってしまっている。2018年12月にJUUL株の35%を128億ドルで取得していたのだが、電子タバコの健康問題が取り沙汰された結果投資額の12.5%となってしまっている。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2020年第3四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は56億7800万ドル、市場予想の55億2100万ドルを上回っている
- 2020年第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.19ドル、市場予想の1.16ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記決算発表を受けてのアルトリア・グループの株価は、
2.14%の下落。同日のダウ工業平均は0.59%、S&P 500が1.21%、NASDAQが2.45%それぞれ下落しており、市場に比べてやや下落幅が大きい。
市場予想を上回る結果で、通期見通しもやや情報修正したのにも関わらず市場よりも下落したのは、やはりJUULの再びの減損処理が原因だろうか。2019年第4四半期に41億ドルの減損処理をして以来、2020年第1四半期、第2四半期とJUULに関しての減損は無かったので油断していたが、ここにきて再びの減損処理となってしまった。流石に投資額の10分の1近く、簿価が16億ドルになってしまったので今後はアルトリア株に大きな影響は与えないとは思うのだが。
最後に気になる配当だが、7月に配当増(@0.84⇒@0.86。2.4%増)を発表したばかりで、直近で変更があるわけではない。アナリストとのカンファレンスコールでも
- Dividends remain our primary vehicle for returning cash to shareholders
配当は株主に現金を還元するための主要な手段であり続けます - Certainly, we — dividend is a top priority for us
間違いなく配当は私たちにとって最優先事項です
としている。最近のアルトリア株の下落は気になるが配当の目安としては
- our long-term objective is a dividend target payout ratio of approximately 80% of adjusted diluted earnings per share
長期目標は調整後希薄化後1株当たり利益の約80%の配当性向としています
と述べており、この水準になるまでは大丈夫だろう。