はじめに
2024年2月2日(金)には自分の所有銘柄であるエクソン・モービル(XOM)の2023年第4四半期決算発表があった。
前回の2023年第3四半期決算は市場に比べてやや下げ幅が大きかったが、その後はあまり大きな上下動は無かった印象。
実際にはエクソンの2023年第4四半期決算及び株価はどうだったのか。以下に内容を確認し整理しておく。
エクソン・モービル2023年第4四半期決算概要
以下の情報はエクソン・モービルの企業サイトより引用・抜粋。前年同期はロシアのウクライナ侵攻を受けた石油・ガス価格の高騰で売上/利益が急騰していたことを割り引いて考える必要はある。
- 2023年第4四半期の総収入(Total revenues and other income)は843億4400万ドル、前年同期は954億2900万ドル
- 2023年第4四半期のGAAPベースでのエクソン帰属純利益(Net income/(loss) attributable to ExxonMobil)は76億3000万ドル、前年同期は127億5000万ドル
- 2023年第4四半期の1株あたり利益(EPS)は1.91ドル、前年同期は3.09ドル
- 2023年第4四半期の特別項目を除く調整後1株あたり利益(Earnings Excluding Identified Items Per Common Share)は2.48ドル、前年同期は3.40ドル
- 2023年第4四半期の設備及び探鉱用投資(Capital and Exploration Expenditures)は77億5700万ドル、前年同期は74億6300万ドル
事業部別業績
各事業部の結果は以下の通り。
【アップストリーム(U/S)(探索権の獲得、原油の探鉱、開発、生産)】
Non-GAAPベースの利益は62億6600万ドルで、前年同期は87億6200万ドル、前四半期は61億3900万ドル。
【エネルギー製品(EP)】
Non-GAAPベースの利益は30億1800万ドルで、前年同期は47億5400万ドル、前四半期は24億7500万ドル。
【化学製品(CP)】
Non-GAAPベースの利益は5億7700万ドルで、前年同期は2億5000万ドル、前四半期は2億4900万ドル。
【特殊製品(SP)】
Non-GAAPベースの利益は7億4300万ドルで、前年同期は8億ドル、前四半期は6億1900万ドル。
2024年通期見通し
2024年の通期見通しに関しては以下に設備投資額(capex)が記載されているのみ。
- 2024年設備投資額(capex):230~250億ドル
- 2027年までに2019年比で構造的コスト150億ドルを削減
2024年第1四半期の見通しは以下の通り。
その他
その他決算及びカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- カンファレンスコールでは2023年第4四半期にはほとんど触れられず(資料参照という形)、2023年のまとめを簡単に説明。質疑応答が大部分を占めた
- 2027年までに2019年比で構造的コスト150億ドルを削減するプロセスで、現在は97億ドルのコスト削減
OPECプラス会合
エクソンの2023年第4四半期決算発表前日の2月1日にはOPECプラスの共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitoring Committee)がオンラインで開催されている。
ここ最近はOPECプラス会合結果はそれぞれまとめていたのだが、今回は四半期決算発表が立て込んでいるタイミングなので関連のあるここで簡単にまとめておく。
- JMMCは会合で今四半期の減産計画方針変更を勧告せず
- ただしいつでも追加措置を講じる用意があるとしている
- JMMCの次回会合は4月3日予定
これを受けてニューヨーク原油先物価格は
米東部標準時間の2月1日12時過ぎに大きく値を下げている。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2023年第4四半期の総収入(Total revenues and other income)は843億4400万ドル、市場予想の852億3000万ドルを下回っている
- 2023年第4四半期の特別項目を除く調整後1株あたり利益(Earnings Excluding Identified Items Per Common Share Assuming Dilution)は2.48ドル、市場予想の2.21ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてエクソン・モービルの株価は
前日比0.41ドルの下落。同日の米国市場では
メタ・プラットフォームズ(META)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)が決算を受けてそれぞれ20.3%、7.9%上昇しており、これがS&P 500とNASDAQ総合を1%以上押し上げていることを考えるとエクソンの決算がどう市場に評価されたかを判断するのは難しい。
日中のエクソン株の動きも
市場の動きとは異なり方向感に乏しい動きとなっている。
前回決算を含めた過去3ヶ月程度のエクソン株の推移を見てみると
10月27日の2023年第3四半期決算以降はあまり大きな変化はないが、市場(S&P 500)が10%超上昇しているのと比べるとかなり見劣りがする。
今後のエクソン株だが、アナリストがどう判断するかによって動きがあるかもしれないが基本的にはこの程度の株価推移が続くような気がする。市場と同等のパフォーマンスは望まないが、何とかこれ以上は下がらずに頑張ってもらいたい。