フィリップ・モリス2021年第1四半期決算(2021/4)

はじめに

昨日2021年4月20日は自分の所有しているフィリップ・モリス(PM)の2021年第1四半期決算発表があった。

2021年4月19日には米国でのタバコニコチン規制に関する報道があり、同じく所有しているタバコ銘柄であるアルトリア・グループ(MO)は株価が酷いことになってしまったのだが、フィリップ・モリスは決算を受けてどうなったか。以下に確認しておく。


フィリップ・モリス2021年第1四半期決算発表概要

以下の情報は、フィリップ・モリス・インターナショナルのサイトより引用・抜粋。

  • 2021年第1四半期の純収入(Net Revenues)は75億8500万ドルで、前年同期比2.9%増加
  • 2021年第1四半期の調整後営業利益(Adjusted Operating income)は34億9200万ドルで、前年同期比18.5%増加

  • 2021年第1四半期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)は1.57ドルで、前年同期比29.8%増加

  • 2021年第1四半期のタバコ製品(Cigarettes)と加熱式タバコ製品(Heated Tobacco Units)の出荷量は、タバコ製品が前年同期比7.3%の減少、加熱式タバコ製品が前年同期比29.9%の増加。トータルでの出荷量は3.7%の減少

2021年第2四半期及び下半期の見通しは以下の通り。

2021年第2四半期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)を1.50~1.55ドルと見込んでいる。これには1株あたり約4セント為替がプラスに働く影響を含めている。

2021年の通期予想及び想定は以下の通り。

2021年2月の2020年第4四半期決算発表時の見通しも2020年に比べると強気な見通しだったのだが、今回も2021年第1四半期の好調な決算を受けて見通しを上方修正している。

  • 調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS):5.95~6.05ドル。前回の5.90~6.00ドルから11~13%増加
  • HTU(Heated Tabaco Units)出荷量:950~1000億ユニット。前回の900~1000億ユニットから上方修正

市場予想との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第1四半期の純収入(Net Revenues)は75億8500万ドルで、市場予想の71億8300万ドルを上回っている
  • 2021年第1四半期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)は1.57ドルで、市場予想の1.40ドルを上回っている
  • 2021年通期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)見通しは5.95~6.05ドルで、市場予想は5.96ドル

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてフィリップ・モリスの株価は

2.54%の上昇。同日のダウ工業平均が0.75%、S&P 500が0.68%、NASDAQが0.92%いずれも下落したことを考えると、フィリップ・モリスの決算内容が市場にかなり高評価されたことが分かる。

フィリップ・モリスはアメリカでは商品展開をしていない(フィリップ・モリスUSAはアルトリア・グループ傘下)ので、冒頭に挙げた米国のニコチン規制に関する報道はフィリップ・モリスには影響を及ぼさなかったことになる(個人的にはその他地域での同様規制の連想をさせる可能性もあるかと思ったのだが)。

決算内容も見通しも好調であり、見通しには最近のCOVID再拡大も以下の様にある程度は織り込んでいる。

  • パンデミック関連の制限が長引いた場合でも、2020年第2四半期の消費水準の低下に戻ることはないという仮定(even in the event of prolonged pandemic-related restrictions, there will not be a return to the depressed consumption levels of the second quarter of 2020)

こうしてみるとタバコ銘柄に投資している自分としては、自分が購入していた際は主に配当率の高さ重視でアルトリアを選んでおりそれはそれで悪くなかったとは思うのだが、アルトリアの株数(1200株)を減らしてフィリップ・モリス(100株)をもう少し多く保持しておくのがリスク分散の観点から適切であったかもしれない、という反省点はある。もっとも長期的なタバコ製品の需要逓減傾向を考えると、そもそもタバコ銘柄を保持するのが良いのか、という根本的な問題はあるのだが。

まあ投資額が1270ドルにもかかわらず、税引後の円ベース年間配当で4万円弱を産み出してくれているフィリップ・モリス株は、しばらくは問題がなさそうなだけで良しとすべきだろう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。