はじめに
米国によるベネズエラ軍事介入後初めての取引があった2026年1月5日(月)の米石油企業株は
アメリカのベネズエラ軍事介入後の市場と原油価格(2026/1)
でまとめた様に

トランプ大統領が軍事行動後のFOXニュースとのインタビューで、ベネズエラの石油事業に関与することになる、と発言したことなどで米石油企業のエクソン、シェブロン(CVX)は上昇(BP、SHELはイギリス企業)。ニューヨーク原油先物価格も1月6日(火)の米国市場開場前までは上昇傾向にあった。

しかし翌日2026年1月6日(火)の米石油企業株は

と僅か1日で大幅下落に転じている。米企業だけでなく下落しているのは

とニューヨーク原油先物価格が下落しているためだろう。
以下、石油企業株、原油先物の下落理由について確認し整理しておく。
2026年1月6日の石油企業銘柄、原油先物価格下落の要因
以下のロイター通信の報道が石油企業株、原油先物価格の下落のキッカケとなったようだ。
- 米国とベネズエラ当局者が、ベネズエラ産原油の米精製施設への輸出について協議していると政府や業界関係筋5人が6日、ロイターに明らかにした
- これによりベネズエラ産原油の供給先を中国から米国に転換できるとともに、ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)の大幅減産を回避できる可能性がある
- トランプ米大統領はベネズエラのロドリゲス暫定大統領に対し、石油産業への「完全なアクセス」を米国と民間企業に与えるよう求めており、原油輸出に関する協議は政府がこうした要求に応じようとしていることを示す最初の兆候
- ベネズエラでは昨年12月中旬以降、トランプ政権の封鎖によりタンカーや貯蔵タンクに数百万バレルの原油が積み込まれたまま輸送できない状態に陥っている
- PDVSAは米の禁輸措置によって貯蔵余力がなくなりつつあるため原油生産の削減を開始しており、関係筋によるとPDVSAは早急に原油輸出の方法を見つけない限り、さらなる減産を余儀なくされる可能性がある
- 滞留する原油を米国に輸出する場合、当初中国向けだった原油を振り向けることが必要になる見通し(中国は過去10年間、ベネズエラ産原油の最大の買い手だった)
- 業界関係者の1人は「トランプ大統領は輸出が早く実現して大きな勝利だと言えることを望んでいる」と語った
- ホワイトハウス、ベネズエラ政府、PDVSAはロイターの質問にコメントしていない
つまりベネズエラ産原油が米国に輸出される可能性が出て来たため、供給過剰への懸念からニューヨークに限らず原油先物価格が下落したことで、石油企業銘柄も下落となったようだ。
この報道があったのは米東部標準時10時前で、そこから上述チャートの様にニューヨーク原油先物価格が1バレル=58.50ドル位から1バレル57.0ドル前後まで下落。そして米国株式市場閉場後にトランプ大統領がSNSに以下の投稿をしており、更に一段安となり一時1バレル=56ドルを割り込んでいる。
- I am pleased to announce that the Interim Authorities in Venezuela will be turning over between 30 and 50 MILLION Barrels of High Quality, Sanctioned Oil, to the United States of America.
ベネズエラ暫定当局が、3000万バレルから5000万バレルの高品質で制裁対象の原油をアメリカ合衆国に引き渡すことをお知らせする - This Oil will be sold at its Market Price, and that money will be controlled by me, as President of the United States of America, to ensure it is used to benefit the people of Venezuela and the United States!
この原油は市場価格で販売され、その資金はアメリカ合衆国大統領である私が管理し、ベネズエラとアメリカ合衆国の国民の利益のために確実に使用される! - I have asked Energy Secretary Chris Wright to execute this plan, immediately. It will be taken by storage ships, and brought directly to unloading docks in the United States.
エネルギー長官Chris Wright氏にこの計画を直ちに実行するよう指示した。原油は貯蔵船で輸送され、アメリカ合衆国の荷降ろし場へ直接輸送される
またその後ロイター通信が再び以下の報道をしている。
- 関係筋3人が明らかにしたところでは、トランプ米大統領は今週後半ホワイトハウスで石油会社幹部らと会談し、ベネズエラの石油部門を復活させる方法について話し合う
- うち2人はロイターに対し、会談は9日に行われる可能性が高いと語った。また誰が出席するかは今のところ不明
- ホワイトハウスからはコメントを得られていない
まとめ
ベネズエラ軍事介入後初めての取引があった2026年1月5日(月)の市場の動きまとめの際に
「ただし1日だけで判断するのは時期尚早で、今後の事態の推移・動向については注意していく必要があるだろう」
と書いてはいたが、さっそく原油関連の情勢には様々な変化があった。トランプ大統領のSNS投稿やホワイトハウスでの石油会社幹部の会談報道は米国株式市場閉場後のことなので、それがどう影響するのかが気になるところ。
幸いなのは米国株式市場全体では

と続伸している点。S&P 500構成銘柄でも値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.1対1の割合で上回っている。
原油関連に関してはまだまだ動きがありそうだが、米国株式市場が全体としてはこのまま堅調な推移を続けてくれることを願いたい。