はじめに
先週2025年10月1日にBarclaysにより自分の所有銘柄AT&T(T)の投資格付けが引き下げられ株価が下落したことは既に以下でまとめたが、
AT&T(T)株にこれ以上の上昇余地はないのか(2025/10)
10月7日今度は別の会社によりAT&Tの投資格付けアップデートがあった。掲題の様に引き下げであり、AT&Tの株価は
前日比4.40%の下落となってしまった。
以下その内容について確認し、整理しておくことにする。
2025年10月6日のScotiabankによるAT&Tの投資格付けアップデート
以下は10月6日のScotiabankのアナリストMaher Yaghi氏によるアップデートより引用・抜粋。
投資格付け:OutperformからSector Performに下方修正
目標株価:30.25ドルで変わらず
以下はMaher Yaghi氏の投資格付けアップデートの要旨。
- AT&Tは2025年第3四半期決算において、モビリティと消費者の好調が牽引役となり売上高とEBITDAが2%増加すると予想
- 一方でモビリティ以外の事業セグメントの低迷は続くだろう
- AT&Tの株価は着実な成長とキャッシュフローの安定性向上の恩恵を受けているものの、現在のバリュエーションと4.1%の配当利回りを考えると、決算において大きなサプライズなし(without a significant earnings surprise)に同業他社をアウトパフォームするのは困難かもしれない
まとめ
以上、Scotiabankの投資格付けアップデート内容について確認してみた。
先週のBarclaysの投資格付けアップデートと比べると、具体性には欠ける内容だがAT&T株の上昇余地があまりないのでは、と見ている点は同様。新たな懸念要因が提示された訳ではないので冒頭に挙げた程大きく下落したのは意外だが、僅か1週間の内に異なる会社がいずれもAT&T株の上昇余地に疑義を呈したことで更に投資家心理を悪化させ下落に繋がってしまったのだろう。
直近のAT&T株の推移を市場(S&P 500)と比べてみると
S&P 500が米2026会計年度つなぎ予算が不成立で10月1日から政府機関の一部閉鎖が続いている中で持ちこたえているのに対して、AT&T株は10月1日のBarclaysの投資格付け下方修正を受けて、10月1、2日と下落。10月3日はその格下げが株価に織り込まれたのかほぼ横ばいだったが、週が明けた10月6日に今回のScotiabankの投資格付け下方修正を受けて更に下落幅が拡大し、4営業日で約8%の下落となっている。
年初来では
と10月の2回の投資格付け下方修正前の9月半ばから下落傾向が強まり、9月半ばには年初来30%上昇していた株価も、現時点では13.6%まで落ち込んでいる。
10月6日でScotiabankの投資格付け下方修正がAT&Tの株価に盛り込まれているといいのだが、基本的には次回10月22日に予定されている2025年第3四半期決算までは低調な株価の動きが続くと思われる。第3四半期決算ではアナリストの見込みを上回る結果を出して欲しいところだが、あまり期待は出来ない気がする。下落傾向が早く止まり、決算を受けて更に下落が加速する様な事態は避けて欲しいものだ。