はじめに
2025年6月27日(金)の米国市場閉場後に2024年の米銀ストレステスト結果が公表されたのは既にまとめたが、それを受けて自分の所有銘柄であるJPモルガン・チェース(JPM)が7月1日(火)の米国株式市場閉場後に発表を行っている。
以下、JPモルガンの発表内容について確認し整理しておく。
2025年ストレステストを受けてのJPモルガン発表
以下はJPモルガン・チェースの企業サイトより引用・抜粋。
四半期配当の増配
- 2025年第3四半期の普通株式四半期配当を1株当たり1.50ドル (現在は1株当たり1.40ドル) に増額(7.1%の増配)する予定であると発表
新たな自社株買戻しプログラムの承認
- 当社取締役会は、2025年7月1日より500億ドルの新たな普通株式買い戻しプログラムを承認
新たなストレス資本バッファー(SCB:Stress Capital Buffer)要件
- 連邦準備制度理事会が定める当社の暫定的なストレス資本バッファー(SCB)要件は2.5%(現行の3.3%から引き下げ)
- 規制バッファー(regulatory buffers)を含む当社の普通株式等Tier 1(CET1)資本比率要件は11.5%(現行の12.3%から引き下げ)
- 連邦準備制度理事会(FRB)は2025年8月31日までに当社に対し最終的なSCB要件を通知し、当該要件は2025年10月1日に発効し2026年9月30日まで有効となる
- 当社は、連邦準備制度理事会による資本要件の変動性を低減するための規則制定案の最終決定を待っており、この規則には過去2年間のストレス テスト結果を平均化することや、発効日を10月1日から1月1日に変更することなどが含まれる
最高経営責任者(CEO)Jamie Dimon氏のコメント
- 取締役会が計画している配当の増額は今年2回目となるが、株主への持続可能な資本配分水準を示すものであり、堅調な財務実績に支えられている
- 新たな自社株買戻しプログラムは、我々が適切と考えるタイミングで株主への資本配分を長期的に行う能力を提供する
- 連邦準備制度理事会(FRB)による2025年のストレステストの結果は、銀行が極めて高い想定上のショックにも耐え、経済全体と金融市場を支えるという強靭性を示し続けている
- FRBのポイント・イン・タイム・ストレステストに加え、我々は毎週数百件のストレステストを実施し、様々な事態から会社を守っている
- 潤沢な余剰資本と強固な流動性を備えた強固なバランスシートは、我々が金融の柱となることを可能にしており、好況時も不況時も強固な基盤を築き、世界中のお客様、地域社会、そして各国に一貫したサービスを提供し続けることができる
- FRBが、透明性を高め、現行のSCB枠組みにおける長年の課題に対処するストレステストのモデルとシナリオについて今後提案してくれることを期待している
まとめ
以上2025年米銀ストレステストを受けてのJPモルガン発表をまとめてみた。
この発表後7月2日(水)のJPモルガン株は
0.55%の上昇。同日の米国株式市場が
ハイテク銘柄中心に上昇で、ダウ工業平均がややマイナスとなったことを考えると悪くはないが、やや物足りない結果。ちなみにJPモルガンを含む米銀大手4行は
となっており、自分が所有しているJPモルガンとシティグループが上昇幅が小さくなっているのが残念。バンク・オブ・アメリカ(BAC)が8%、ウェルズ・ファーゴ(WFC)が12.5%の増配だったのに対し、JPモルガンは上述の様に7.1%の増配、シティも偶然にもJPモルガンと同じ7.1%の増配だったことが影響したのだろうか。
とはいえ、年初来のJPモルガン株の推移を市場(S&P 500)と比べてみると
S&P 500の約6%上昇に対し、JPモルガンは20%越えとなっているので堅調といってよいだろう。
今後は2025年のFRBストレステスト結果全体まとめで触れた7月22日に開催される大手銀行の自己資本規制に関する会議で、規制緩和がさらに進むのかどうかが要注目。規制緩和が進めばこれまで自己資本に充てていた分を、自社株買いや配当として還元したりすることが可能になるので株価上昇にも期待できるのだが、どうなるだろうか。その前にまずは7月15日に予定されている2025年第2四半期決算を無難に乗り切って欲しいものだ。