はじめに
自分の所有銘柄であるボーイング(BA)は2025年1月28日に2024年第4四半期決算を発表することが予定されているのだが、それに先立って1月23日(木)の米株式取引時間外後に第4四半期の暫定決算を発表している。
以下、その内容について確認し整理しておく。
2025年1月23日ボーイング発表の2024年第4四半期暫定決算(Preliminary Fourth Quarter Results)
以下はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。
- ボーイングは本日、1月28日の第4四半期決算発表時に、国際機械工・航空宇宙労働組合(IAM)のストライキと合意、特定の防衛・宇宙・安全保障プログラムに関する費用、昨年発表した人員削減関連費用に関連する業績への影響が見込まれると発表
- 2024年第4四半期の見込み
- 売上高は152億ドル
- GAAPベースの1株当たりEPSは5.46ドルの損失
- 営業キャッシュフローは35億ドルの流出
- 最高経営責任者(CEO)Kelly Ortberg氏のコメント
- 短期的には課題に直面しているものの、IAMを代表するチームメイトとの合意や、バランスシートの改善に向けた資本増強の成功など、四半期中に事業を安定させるための重要な措置を講じた
- また、737、767、777/777Xの生産を再開し、当社はボーイングの新たな未来を築くために今後も懸命に取り組んでいく
- 民間航空機部門の業績
- 民間航空機部門の業績には、777Xおよび767プログラムの納入数の減少や11億ドルの税引前利益費用など、IAMのストライキと合意に関連する影響が反映される
- 777Xプログラムの税引前費用9億ドルは、IAMとの合意締結に関連する推定人件費の増加を反映しており、今後数年間にわたって発生する
- 777-9の最初の納入見込みは2026年で変わらず
- 第4四半期の売上が48億ドル、営業利益率がマイナス43.9%になると予想
- 防衛・宇宙・安全保障部門の業績
- KC-46A、T-7A、商業乗員輸送計画、VC-25B、MQ-25プログラムで17億ドルの税引前利益費用が見込まれる
- KC-46Aプログラムの税引前費用8億ドルは、IAMのストライキと合意の影響を含む推定製造コストの上昇を反映
- T-7Aプログラムの税引前費用5億ドルは、主に2026年以降の生産ロットの推定コスト上昇によるもの
- 第4四半期の売上が54億ドル、営業利益率がマイナス41.9%になると予想
まとめ
突然の上記発表を受けてボーイング株は
前日比1.37%の下落。同日の米国市場が
やや下落基調だったのと比べると、やはりボーイング株の下落幅は大きい。
事前の市場予想と比べてみると
- 2024年第4四半期の暫定売上高(Revenues)は152億ドル、市場予想の162億7000万ドルを下回っている
- 2024年第4四半期の暫定GAAPベース一株当たり損失(Basic loss per share)は5.46ドルの損失、市場予想の1.84ドルの損失よりも大きい
- 2024年第4四半期の暫定営業キャッシュフローは35億ドルの流出、市場予想は39億ドルの流出
と営業キャッシュフロー以外は市場予想を下回っているため、下落は当然のことだろう。
ただし日中の動きを見てみると
結局下落で取引を終えたものの一時は前日比プラスの局面もあり、下落幅は自分が思っていたよりも小さい。ボーイングの暫定決算を見ると損失は主にストライキと防衛事業に関連した費用発生が原因であり、ある程度市場が予想していた事が下げ幅が限定的だった要因だろう。
とは言え2024年1月28日の2024年第4四半期決算内容が悪いものである事に変わりは無いだろう。今回の暫定決算で発表された以外の新たな悪材料が出ず、今後の見通しがある程度わかるといいのだが(ここ最近ボーイングは通期見通しという形での発表はしていない)。