はじめに
2024年3月4日の米国株式市場は
不安定な動きの中主要3市場はいずれも前日比下落。
そんな中自分の所有銘柄であるワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)が
市場を上回る大幅下落。先日の四半期決算発表を受けて約10%下落し
「2023年第4四半期の売上/一株当たり利益が予想に届かなったことに加え、今後の具体的な見通しがはっきりしないことを踏まえると、残念ながら余程の事が無い限りしばらく上昇に転じることはないのだろう。」
とは書いていたものの、まさか更なる大幅下落となるとは正直想定していなかった。
調べてみるとパラマウント・グローバル(PARA)の投資格付けアップデートがあり、その際にワーナーブラザースも言及されたことが原因だったようだ。以下、その投資格付けアップデートの内容をワーナーブラザースに関連する部分を中心に確認しておく。
2024年3月5日のパラマウントの投資格付けアップデート
投資格付け:Underperformで変わらず
目標株価:10ドル(以前は不明)
以下はMacquarieのアナリストTim Nollen氏の投資格付けアップデートの要旨でワーナーブラザースに関連する部分。
- Near-term hurdles remain: linear TV advertising and cord-cutting challenge its growth and free cash flow generation
短期的なハードルは依然として残っている:リニアTVの広告とケーブルテレビの契約解除は、同社の成長とフリーキャッシュフローの創出に課題をもたらしている
補足するとLinear TVはスケジュールに従って視聴できる従来のテレビ/ケーブルTVを指し、米国ではやストリーミングの様に都合の良い時間にいつでもコンテンツを視聴可能なサービスへの移行が進んでいる。
またCord-Cuttingという用語は直訳ではコード切断だが、転じて消費者がケーブルテレビや衛星放送などの従来の有料テレビを解約して動画ストリーミングサービスの会員になることを指す用語。
実際パラマウントは最新の2023年第4四半期決算でTV広告費収入が前年同期比15%減少、ワーナーブラザースも2023年第4四半期決算でTV広告費収入が前年同期比14%減少している。
結果パラマウントの株価も
前日比6%と近い大幅下落となっている。
まとめ
ワーナーブラザースとパラマウントの昨日の下落率はS&P 500構成銘柄の中でワースト5銘柄に入ってしまっている(ワースト1位はテスラ(TSLA)の7.15%減)。
ワーナーブラザース/パラマウント程ではないが、コムキャスト(CMCSA、前日比2.21%減)やチャターコミュニケーションズ(CHTR、前日比4.81%減)などケーブルTVの占める割合が大きい銘柄が市場に比べて軒並み大きく下落していることを考えると、Tim Nollen氏の指摘は市場に納得感を持って受け止められたのだろう。
年初来のワーナーブラザース株の推移を見てみると
市場(S&P 500)が緩やかに上昇しているのに反して下落傾向が続き、2月の2023年第4四半期決算発表で大幅下落。そこで悪材料を吸収できたのかと思える動きが続いたのだが、今回また大きく株価を下げることになってしまった。
今後のワーナーブラザース株だが冒頭に挙げた2023年第4四半期決算時のまとめ
「2023年第4四半期の売上/一株当たり利益が予想に届かなったことに加え、今後の具体的な見通しがはっきりしないことを踏まえると、残念ながら余程の事が無い限りしばらく上昇に転じることはないのだろう。」
の状況から大きく変わりはしないのだろう。また2024年2月27日には2023年12月に報道のあったワーナーブラザースとパラマウントの経営統合協議が打ち切られたとCNBCが報道している。経営統合の報道があった際にはワーナーブラザースとパラマウント双方の株価が大きく下落したので流れたのは良かったのかもしれないが、大きくワーナーブラザース株の状況が変わる可能性の一つが無くなったの残念でもある。
いずれにせよ2023年第4四半期決算時のまとめに書いた通り
「1年、2年単位では諦めているが5年、10年単位で少しでも株価が回復することを願うしかないのだろう。」
という心持ちでいるしかないのだろう。