はじめに
2023年6月7日(水)の米国市場は
珍しく大型ハイテク銘柄の割合が大きいNASDAQ総合が最も下落し、大型ハイテク銘柄の割合がややプラスで終えていた。
そんな中、自分の所有銘柄であるワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)が
前日比8.43%の大幅上昇となっていた。
最初に調べた際には同日ワーナーブラザース・ディスカバリーから発表のあった2件が原因と思ったがどうもそれだけでは無かったらしい。
以下どの報道がどの程度株価に影響を与えたか不明だが、それらの内容を確認しておくことにする。
2023年6月7日のワーナーブラザース・ディスカバリー関連報道まとめ
ワーナーメディア・ホールディングスが発行する2024年満期の変動利付債の元本総額最大5億ドルを対象とした現金公開買い付けの開始
以下はワーナーブラザース・ディスカバリーの企業サイトより引用・抜粋。
- ワーナーブラザース・ディスカバリーは本日、当社が以前に発表した負債削減計画に関連して、同社の完全子会社であるワーナーメディア・ホールディングスが発行者の2024年に満期を迎える発行済み変動利付債券のすべてを買い取る現金公開買い付けを開始したと発表した
- また同社は2023年6月30日までの会計四半期中に、多通貨リボルビング・クレジット契約に基づく借入金7億5000万ドルと、定期ローンに基づく未払いの借入金8億ドルを2025年4月の期日までに返済することも発表した
CNNのChris Licht会長兼最高経営責任者(CEO)が退任
以下はワーナーブラザース・ディスカバリーの企業サイトより引用・抜粋。
- ワーナーブラザース・ディスカバリーは本日、CNNワールドワイドの会長兼CEOであるChris Lichtが即時辞任したと発表
- 同社は後任者を積極的に探しており、タレントおよびコンテンツ開発担当副社長のAmy Entelis氏、編集担当副社長のVirginia Moseley氏、米国番組担当副社長のEric Sherling氏、最高執行責任者のDavid Leavy氏からなる強力な暫定リーダーシップチームを設置
米アマゾンがプライム・ビデオで広告付きプラン計画
以下はウォール・ストリート・ジャーナルの報道より引用・抜粋。
- 米アマゾンは現在のプライム・ビデオを補完する広告付きサービスの開始を計画を数週間にわたり検討
- アマゾンはワーナーブラザース・ディスカバリーとパラマウント・グローバルの動画配信サービスの広告付きプランを追加する方向で両社と個別に協議中
まとめ
それぞれの報道を見ていくとワーナーブラザースから発表のあった2つの内変動利付債の現金公開買い付け開始は債務削減という観点から単純に喜ばしいニュースだろう。
もう一つのChris Licht氏の退任は個人的には意識していなかったのだが、2022年5月にLicht氏がトップに就任した後もCNNは視聴率の低迷が続いており、2023年5月10日にトランプ前大統領の政治集会を報道した際2020年の大統領選は不正で負けたというトランプ氏の主張をそのまま伝えた後に視聴率は更に低下。先週6月2日金曜日には「CNNのメルトダウンの内部」と題するLicht氏の批判記事がThe Atlantic誌に掲載され、6月5日月曜日にLicht氏は職員に謝罪したと報道されており、後任が決まっていないことから事実上の更迭が好感されたという事だろう。
ワーナーブラザースからの報道は米国市場開場前だったがウォール・ストリート・ジャーナルの報道は取引時間中のことであり、以下の様にパラマウントも同じタイミングで急上昇していることから一段高となる原因となっている。
年初来のワーナーブラザース株は
年初の1月の上昇からは徐々に下落傾向にあり直近の四半期決算(5月5日)後の上昇も一時的なものに留まっていたのだが、6月に入ってからやや持ち直し気味。このまま上昇傾向に転じるのか、それとも一時的なものに留まるのか注意しておきたい。