エクソン(XOM)2021年第4四半期決算発表(2022/2)

はじめに

2022年2月1日には自分の所有銘柄であるエクソン・モービル(XOM)の2021年第4四半期決算発表があった。

エクソン株については2022年1月に入ってから

エクソン(XOM)の2021年第4四半期見込み(2022/1)

でまとめた様に2021年第4四半期決算が好調であることが見込まれることやそれを受けてアナリストの投資格付け上方修正などがあり、市場が不安定な中エクソン株はあまりよく見ていないが堅調に推移した印象がある(少なくとも大幅下落はなかったはず)。

そんな状況の中実際の決算結果はどうなったのか、以下にその内容を確認しまとめておく。


エクソン2021年第4四半期決算概要

以下の情報はエクソン・モービルの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第4四半期の総収入(Total revenues and other income)は849億6500万ドル、前年同期は465億4000万ドル
  • 2021年第4四半期のGAAPベースでのエクソン帰属純利益(Net income(loss) attributable to ExxonMobil(U.S. GAAP) )は88億7000万ドルの利益、前年同期は200億7000万ドルの損失
  • 2021年第4四半期の1株あたり利益(損失)(EPS)は2.08ドル、前年同期は4.70ドルの損失

  • 2021年第4四半期の特別項目を除く調整後1株あたり利益(Earnings/(Loss) Excluding Identified Items Per Common Share Assuming Dilution)は2.05ドル、前年同期は0.03ドル
  • 2021年第4四半期の設備及び探鉱用投資(Capital and Exploration Expenditures)は58億800万ドル、前年同期は47億7100万ドル

各事業部の結果は以下の通り。

【アップストリーム(U/S)(探索権の獲得、原油の探鉱、開発、生産)】

利益は60億8500万ドルで、前年同期は185億3200万ドルの損失、前四半期は39億5100万ドル。前四半期と同様に価格の上昇が利益増に寄与しているが、昨年の損失との乖離が極めて大きいのは昨年は減損処理で180億ドル強を計上しているため。

昨年との価格の違いは以下の通り。

米国の原油価格:1バレルあたり73.62ドル、前年同期は39.06ドル

米国以外の原油価格:1バレルあたり69.97ドル、前年同期は37.86ドル

米国の天然ガス価格:1000立方フィート(Mcf)あたり4.96ドル、前年同期は2.20ドル

米国以外の天然ガス価格:Mcfあたり14.32ドル、前年同期は4.85ドル

【ダウンストリーム(D/S)(精製、販売)】

利益は14億6700万ドルで、前年同期は12億1100万ドルの損失、前四半期は12億5500万ドル。需要増によりマージンが前年同期比で20億6000万ドル増加していることが大きい。

【ケミカル事業(CHEM)】

利益は19億2100万ドルで、前年同期は6億9100万ドル、前四半期は21億4000万ドル。前四半期に比べるとコスト高がやや利益を押し下げているものの前年同期比では大幅増。

財務に関しては今回は2021年第4四半期ではなく通年のスライドが提供されている。

第4四半期は営業活動と資産売却(Cash Flow from Operations and Asset Sales)から197億2500万ドルのキャッシュを生み出しており、前四半期は121億900万ドル。期末時負債(Ending debt)も前四半期の566億ドルから477億ドルと89億ドル減少している。

2021年通期では481億ドルのキャッシュを産み出しており、これは2012年以来最高。期末時負債は通期で201億ドル減少している。現金および現金同等物は44億ドルから68億ドルへと増加している。

2022年見通し

2022年の見通しに関しては第1四半期の考慮要素を提供しているが数値目標的なものはない。

スライドとは別に2022年の数値見通しに関して以下の2点について言及している。

  • During the fourth quarter, ExxonMobil’s board of directors approved the company’s corporate plan for 2022, with capital spending anticipated to be in the range of $21 billion to $24 billion
    第4四半期にエクソン・モービルの取締役会は、2022年の設備投資は210億ドルから240億ドルの範囲になると想定される同社の企業計画を承認しています
  • Beginning in the first quarter of 2022, the company initiated share repurchases associated with the previously announced buyback program of up to $10 billion over the next 12 to 24 months
    2022年の第1四半期から、以前に発表された買い戻しプログラムに関連して今後12〜24ヶ月で最大100億ドルの株式買戻しを開始しました

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第4四半期の総収入(Total revenues and other income)は849億6500万ドル、市場予想の824億5500万ドルを上回っている
  • 2021年第4四半期の特別項目を除く調整後1株あたり利益(Earnings Excluding Identified Items Per Common Share Assuming Dilution)は2.05ドル、市場予想の1.96ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてエクソン・モービルの株価は

6.41%の大幅上昇。同日の米国市場は

後半にかけて上昇しいずれもプラスだったのだが、エクソンの上昇幅は突出している。

既述の通り四半期売上、EPSが市場予想を上回り、GAAPベースでのエクソン帰属純利益(Net income(loss) attributable to ExxonMobil(U.S. GAAP) )の88億7000万ドルは2014年以来最大となり、財務状況も大きく改善されていることが評価されたのだろう。

年初来のエクソン株の推移を市場(S&P 500)と比べてみると

市場がマイナスに沈んでいるのに対しエクソン株は30%を超える上昇となっている。

問題はこれが今後も続くのかどうかという点。過去1年で

エクソン株は80%近く上昇しており、個人的にはさすがにこのペースでの上昇は原油価格が高騰しているとはいえ限界があるような気がする。この見方が外れて引き続き上昇傾向を保ってくれればいいのだが。

最後に自分の所有エクソン株は決算発表後の株価で

久しぶりに取得価額比プラスに転じている。自分のエクソン株が取得価額比プラスになったのは2019年7月以来約2年半ぶりのこと。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。