はじめに
昨日2021年11月22日(月)の米国市場は
で触れた前週の資産減少の流れを受けて続落するのだろうなあ、と思っていたのだが実際には
と先週金曜日の下落をほぼ回復する程度上昇。その原因は正直あまり影響がないと思っていた掲題の連邦準備制度理事会(FRB)議長にパウエル氏が再任、副議長にブレイナード理事が指名されたこと。
以下にパウエル議長の再任に伴う市場への影響について簡単にまとめてみる。
パウエル議長の再任に伴う市場への影響
ドル円為替がドル高に
そもそも自分が前述の様にそれほど気にしていなかったパウエル議長の再任に気が付いたのは11月も月末が近づいてきたため、予定通りドル配当金を円に変換して生活費に充当する作業をしていた日本時間の昨晩22:30ぐらいにドル円為替レートが大幅に変動したため。
何故パウエル議長再任がドル高に寄与する結果となったのかというと
- パウエル議長(現在のFRB)は高インフレが米国の経済と家計に甚大な影響を及ぼしているという認識
- その認識に基づき急激な物価上昇の制御を政策の最優先事項に設定する可能性
- 具体的には現在2023年まではゼロ金利としている政策金利を前倒しに利上げする可能性
- 金利が高くなればより有利な金利を求めてドルを購入し、ドル高となる
という流れ・ロジックだと思われる。
米国債金利上昇
昨日の米国債利回りは下記の様に大幅上昇。
上昇の要因はドル高の1~3と同じロジックで4が
「金利が高くなればより有利な金利を求めて利回りの高い債券を購入し、国債の金利が上昇する」
という事になるのだろう。
米主要3市場
結果11月22日(月)の米主要3市場は以下の様になった。
【ダウ工業平均:前日比0.05%プラス】
【S&P 500:前日比0.32%マイナス】
【NASDAQ:前日比1.26%マイナス】
いずれも開場直後は上昇したが、NASDAQ、S&P 500は昼前にかけて大きく下落。その後持ち直したものの閉場前に米主要3市場はいずれも急速に下落という結果になった。
昼前後のNASDAQ、S&P 500の下落幅が大きいのは、ハイテクの割合がそれらより少ないダウ工業平均の下げ幅がそれ程ではない事を考えると、ハイテク株から他業種株等への乗り換えが多かったのだろう。その理由は判然としないのだが実際にS&P情報技術セクターは1.14%のマイナスとなっている。
まとめ
パウエル議長が再任されたことによる影響は上記の通りだが、それに加えて逆の視点からパウエル議長が再任されなかった場合はまた違った結果になったとも考えられる。そういう意味ではパウエル議長の再任でこれまでと一貫した金融政策が取られるという安心感もまずは市場にあったものと思われる。
そして自分の円ベース資産は今まで何度も触れたがハイテク株がほとんどないため、昨日のNASDAQ下落の影響を受けず、かつドル高となったため冒頭の様に上昇する結果となった。
とはいえ、閉場前には値を下げてしまった事から先週大きく値を下げた要因が解消された訳ではないことが結局市場に意識されたのではないだろうか。そう考えるとパウエル議長の再任に伴う昨日の市場の動きは一時的なもので、やはりしばらくは先週と同じ弱気な傾向が続くような気がする。
自分の予想が外れて何とか自分の資産には持ちこたえて欲しいものだが、こういう悪い考え程実現してしまう可能性が高いのだよなあ。