はじめに
昨日2021年9月28日(火)は米国主要3市場が以下の様に軒並み大幅下落。
ダウ工業平均:前日比マイナス1.63%
S&P 500:前日比マイナス2.04%
NASDAQ:前日比マイナス2.83%
2021年9月は以下にまとめた様な不透明要素があり
S&P 500の5営業日連続下落について(2021/9/11)
恒大集団デフォルト可能性と2021年9月20日の市場下落に関して
元々市場が下落する日が多かったのだが
【ダウ工業平均:上昇7日、下落12日】
【S&P 500:上昇7日、下落12日】
【NASDAQ:上昇9日、下落10日】
昨日2021年9月28日(火)の下落幅は、恒大集団のデフォルト懸念がトリガーとなった2021年9月20日(月)の下落と同じかそれ以上の大幅下落となった。
原因として考えられるのは上に挙げたような複数問題が影響している側面もあるのだろうが、直接的にはやはり掲題に挙げた米10年債の利率が1.5%を超えたことだろう。
以下に米10年債の利率1.5%と市場の下落の関係性について簡単にまとめておく。
米10年債の利率1.5%という目安と市場の下落
米国10年債利率が急に1.5%を超えて市場下落をしたケース
この点に関しては以前
でも少し触れており、その際は
2021年2月24日:2年債0.12%、10年債1.38%
2021年2月25日:2年債0.17%、10年債1.54%
と10年債が急上昇して利率1.5%を上回った結果、市場がやはり大きく下落していた。
ダウ工業平均:前日比マイナス1.75%
S&P 500:前日比マイナス2.45%
NASDAQ:前日比マイナス3.52%
昨日の米国債は
2021年9月27日:2年債0.31%、10年債1.48%
2021年9月28日:2年債0.31%、10年債1.54%
と2月程急激な上昇では無かったことが2月に比べて下落幅がマシだった要因かもしれない。
米国10年債利率1.5%と市場の下落
以前にも書いたが、1.5%の利回りはS&P 500の配当利回りに匹敵するとも言われている。そのため、9月の株式市場下落傾向/不透明感が続く中、株式から乗り換えて債権へ、という動きが昨日は加速したと思われる。
ただ1.5%を超えればいつでも市場が下落するかというとそんなことは当然なく、年初来の10年債とS&P 500のチャートを見てみると
3月から6月にかけて米10年債の利率は概ね1.5%を上回っているが、市場(S&P 500)は
基本的に8月末までは右肩上がりとなっている。
従って10年債の利率1.5%と市場の下落についてより正確に言うと
- 米10年債の利率が1.5%を下回る状態がしばらく続いていた後で1.5%を超えた場合には市場が下落する可能性が高い
という事になるのだろうか。
まとめ
実際問題米国債の金利と市場の関係については、インフレや政策金利、長短金利差等に市場のその他要因が複雑に絡んで単純に金利が上がったから、下がったからといって市場がどうなるかを想定するのは無理がある。
一方で、しばらく1.5%を下回っていた米10年債の利率が1.5%という節目を超えると市場が大きく下落する可能性が高いという点は頭に入れて置いても良いかもしれない(あくまで2021年は2回ともそうだったというだけで、必ず大幅下落するという訳ではないだろうが)。
ただ、これを自分の投資にどう活かすかというと実際的な活用方法は無いのが現実。10年債の利率が1.5%をいつ超えるかは自分には予想できないし、自分の米国株投資スタイルもバイアンドホールド/長期投資であるため、米国債の利率が原因と考えられる市場そして自分の資産の急減にも何もしないという選択となる。
あえて米10年債1.5%という目安を頭に入れて置いて良い点を考えてみると、利率1.5%を超えて市場が大きく下落した際に、今回の様にまあ仕方ないと精神的な納得感がある点ぐらいだろうか。実際には市場・自分の資産も下がっているのだが、たまにある理由がよく分からないあるいはニュースでは納得感が薄い大幅な下落に比べると、下落の理由付けが明らかなので気持ちはスッキリとする。
自分の投資自体に直接的な活用はできないにしても、この納得感を重ねていくことが長い目で見ると投資を行っていく上でのストレスを軽減してくれる気がするので、今後も役に立つかどうかは判断しづらいかもしれないが、市場に関する気になった点については自分なりに考えてまとめ続けることにしたい。