はじめに
本日2021年2月25日に、昨日2月24日の米国市場閉場後の自分の所有銘柄を確認したところ、
先日777-200型機がエンジン損傷事故を起こしたボーイングが8%超の上昇。以下にその原因について考察してみることにする。
ボーイングとエンジントラブルに関連すると思われるGE、レイセオン・テクノロジーズの株価について
事故自体と事故発生後の株価については
2021年2月19日のボーイング(BA)株4%超上昇について、他
ボーイング777エンジン損傷後のBA/GE株価(2021/2)
で整理しているが、再度非常に簡素化してまとめると、
- 現地時間2月20日(土)にボーイング777-200型機のエンジントラブルが米国で発生し、死者等は発生しなかったがエンジン部品が居住域に落下
- 777-200型機のエンジンはGE、レイセオン、ロールスロイスが提供。今回のトラブル機はレイセオンのPW-4000シリーズを採用
- 原因はレイセオンのPW-4000シリーズの金属疲労によるものと推察
- 事故後初日の株価はボーイングが2.11%、レイセオンが1.7%それぞれ下落したが、ダウ工業平均が0.09%の上昇、S&P 500が0.77%、NASDAQがそれぞれ2.46%下落した事を考えると思ったよりも少ない下げ。GEに至ってはアナリストの目標株価引き上げがあって3.99%の上昇
と想定したよりも事故による株価への影響は少なかった。
その後の関連しそうな情報としては
- 20日にオランダからニューヨークへ向かうボーイング747-400型貨物機からエンジン部品が落下。この機体もPW-4000シリーズエンジンが使用。欧州航空安全機関(EASA)はP&Wのエンジンについて追加情報を求め分析を行った結果、「現段階で(米国とオランダの2件に)類似点はない」とし、双方に関連性はないとの見解を示している
- 21日ボーイングはエンジン故障を受け、連邦航空局(FAA)が検査指針を明らかにするまでPW-4000シリーズエンジンを搭載した777型機の運行を停止するよう航空各社に要請。FAAによると米国で同機を運航するのはユナイテッドのみで、米国以外では日本と韓国の航空会社が運航
ぐらいだろうか。
上述の通り、目立ったニュースはないのに冒頭の通り8.12%の上昇。これはレイセオン・テクノロジーズのエンジンに原因があるという風に落ち着いたからだろう、と思ってレイセオンの株価を見てみたところ、
こちらも何故か4.97%と5%近い上昇。
これで全く自分には訳が分からなくなってしまった。確かに同日の市場は軒並み上昇(ダウ1.35%、S&P 5001.14%、NASDAQ0.99%)したが、ボーイングとレイセオンの株価がこれ程上昇した理由にはならない。他に2社に目立ったニュースも無かったのだが、自分が調べ切れない所で何かあったのだろうか。
過去1ヶ月の両社の株価を見てみると、
【ボーイング】
【レイセオン】
いずれも昨日が直近1ヶ月の最高値を更新している。
人的被害が出ていないことや事故を起こした機体と同型機の運航を停止したのがプラスに働いたのかもしれないが、それでもこれ程上昇するとは自分には考えにくいのだがなあ。
ちなみに事故機と同型機にエンジンを提供している1社であるGEの株価は、
こちらも4%超の上昇。
ただ、このGEの上昇は事故当初に思ったレイセオンに代わってエンジン供給が増えるという事ではなく(そうであればレイセオンの株価は下がるはず)、低迷しているGEの航空機部門(GE Aviation)がボーイングの株価上昇につれて改善されるのではという期待と、昨日アルテア・エンジニアリング(ALTR)と戦略的パートナーシップを締結した一環としてGE AviationからアルテアがFlowSimulatorを購入したことも寄与しているのだろう。
ちなみにGEの過去1ヶ月の株価は
とこちらも昨日が直近1ヶ月での最高値となっている。
まとめ
週末のニュースを見て、自分が所有しているボーイングとゼネラル・エレクトリックの株価が下がるでのは、という不安は現時点ではひとまず解消されるどころか、理由は判然としないし今後もこの調子が続くのかは不明だが、予想外の大幅上昇となっている。
今回のトラブルはここまでの自分の所有しているボーイングとGEの株価を見てみると、
- 当初懸念していたようなボーイングの株価に大きな悪影響をもたらすものでは無さそう(今の所はであって今後は不明ではあるが)
- GE株には直接的な影響はなさそう(ただし、ボーイング株が上がれば連れてGE株も上昇する可能性は高い)
という事に落ち着く気がする。
結果オーライになりそうではあるが、昨日のボーイング株の上昇は結局自分には納得のいく説明が見出せずスッキリしない感じが残る。ボーイング株に限らずたまにこういう理由が不可解な株価の上下動が発生するが、あまり気にしないでいる方が精神衛生上は良さそうだ。
自分なりにきちんと考える(今回の様に明確ではない場合もあるが)ことが長い目で見れば投資の役に立つことを信じるとしよう。