はじめに
先日2020年10月22日は自分の所有しているダウ・インク(DOW)の2020年第3四半期決算発表があった。
ダウ・インクは今年2020年3月の定期購入時に買い足したのでそれなりの投資額となった銘柄の一つ。ダウ・インクはあまり報道・ニュースで扱われないので、決算内容についてはきちんと確認しておきたい。
2020年第3四半期決算概要
以下の情報はダウ・インクの企業サイトより引用・抜粋。
- 2020年第3四半期の総売上(Net Sales)は97億1200万ドル、前年同期は107億6400万ドルで前年同期比約9.8%減
- 2020年第3四半期の一時項目を除く一株当たり利益/損失(Operating Earnings(Loss) Per Share)は0.50ドル、前年同期は0.91ドルで前年同期比約45%減
事業部別にもう少し詳しく見てみると、
包装・特殊プラスチックは、売上高は前年比10%減の45.6億ドル。ポリエチレン価格が12%低下したことによる影響が大きかったとする一方で、出荷量は1%増加している。
素材・インフラストラクチャは、売上高は前年比9%減の30.6億ドル。自動車、産業、エネルギー市場での需要減少により販売量が3%減少し、価格も7%減少したことが原因。
パフォーマンスマテリアル・コーティングの売上高は前年比11%減の20億ドル。出荷量が5%減少し、価格が6%下落している。
債務に関しては、
長期債務(Long-term debt)が166億9800万ドルで現金及び同等物(Cash and cash equivalents)が45億4900万ドル、Non-GAAPベースの純有利子負債(Net debt)は127億9500万ドルと12.4%減少。
2020年第4四半期の見通しは以下の通り。
前四半期にアップデートした2020年の運用コスト削減目標(3億5000万ドルから5億ドル)は今のところ順調に進んでいるとのこと。季節的要因を除けば業績回復も続くとしている。
ただし、最近の欧米でのCOVID-19の状況を考慮してか、アナリストとのカンファレンスコールで最高財務責任者(CFO)のHoward Ungerleider氏は「excluding any significant impact from a second wave of the pandemic(パンデミック第2波による重大な影響を除いて)」と付け加えている。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2020年第3四半期の総売上(Net Sales)は97億1200万ドル、市場予想の93億4000万ドルを上回っている
- 2020年第3四半期の一時項目を除く一株当たり利益/損失(Operating Earnings(Loss) Per Share)は0.50ドルで、市場予想の0.33ドルを上回っている
- 2020年第4四半期の総売上(Net Sales)予測は95億~98億ドル、市場予想の98.2億ドルを僅かに下回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてダウ・インクの株価がどうなったかというと、
0.56%の上昇。同日のダウ工業平均が0.54%、S&P500が0.52%、NASDAQが0.19%上昇したのとほぼ変わらず。第3四半期決算の結果は市場予想を上回ったものの、第4四半期がやや懸念される点を示唆していたことが影響したのだろうか。
COVID-19の影響を軽減するためのコスト削減プログラムは順調に進んでいるようだが、ここ最近の欧米のCOVID-19の状況を考えると、見通し通りに進むのかやや懸念が残る気。ダウ・インクはCOVID-19が完全に終息しないと、業績の本格的な回復は難しい気がするのだがどうだろうか。市場と同程度のパフォーマンスを維持してくれれば良いのだが・・・。