はじめに
ここ数日所有しているボーイング(BA)に関連するいくつかのアップデートがあったので、今後のために整理しておくことにする。配当停止になっているので購入はしばらくないだろうが、逆に売却という可能性はそれなりにあると思うので情報の確認は必要だろう。
ボーイング737MAX型機が間もなく試験飛行実施
以下はロイター通信の記事(6月28日付)より引用・抜粋。
- Pilots and test crew members from the U.S. Federal Aviation Administration and Boeing Co are slated to begin a three-day certification test campaign for the 737 MAX on Monday, people familiar with the matter told Reuters.
米連邦航空局(FAA)とボーイング社のパイロットとテストクルーメンバーは、月曜日に737MAXの3日間の認証テストキャンペーンを開始する予定であると、この問題に詳しい人々はロイターに語った。 - If all goes well, the FAA would then need to approve new pilot training procedures, among other reviews, and would not likely approve the plane’s ungrounding until September, the people said.
すべてが順調に進んだ場合、FAAは他のレビューの中で新しいパイロットトレーニング手順を承認する必要があり、9月まで飛行機の運航再開を承認しない可能性が高い、と関係筋は述べた。 - “Based on how many problems have been uncovered, I would be stunned if the flight tests are ‘one and done,'” said another person with knowledge of the flight plans.
「発見された問題の数によりますが、飛行試験が「1回で完了」した場合、私は驚かされるでしょう」と飛行計画の知識を持つ別の人は述べた。
737MAXに関する試験飛行が行われるのは良いニュースではあるが、報道からすると1回で試験をパスするのは難しそうで、順調に進んだ場合でも運航再開は9月以降になりそうだ。
モロッコが24機のボーイングAH-64Eアパッチヘリコプターを発注
ボーイング社の企業サイトで6月25日付のニュースとしてモロッコへのAH-64Eアパッチの納入が掲載されていた。そこには具体的な契約金額などは出ていなかった(引き渡し開始が2024年から)。
調べてみるとこの件は2019年11月にDSCA(Defense Security Cooperation Agency:アメリカ国防安全保障協力局)が承認しており、その際は
- thirty-six (36) AH-64E Apache attack helicopters and related equipment for an estimated cost of $4.25 billion.
と36機(24 new、12 optional)で4億2500万ドルとなっていた。
ボーイングの発表によれば、
- Boeing has delivered nearly 2,500 Apache helicopters to 16 nations to date
ボーイングはこれまでに2500機近くのアパッチヘリコプターを16か国に納入
ということらしい。アパッチヘリコプターとの存在は知っていたが、ボーイング社が製造しているとは知らなかった…。
以下は2020年第1四半期決算時のプレゼンテーション資料より。
商用飛行機が42%で一番大きいのだが、防衛関連も34%と3分の1を占めて大きな割合。どうしても737MAXを含めた商用機に目が行きがちだが、今後の四半期決算時は防衛関連ももっと確認しておく必要があるかもしれない。
アナリストによる格下げ
上記の様に6月25、26日に相次いでボーイングの投資格付けが下方修正された。
BerenbergのアナリストAndrew Gollan氏はボーイングの投資格付けを下方修正すると共に目標株価を150ドルに引き下げている。主な理由としては新型コロナウイルスと旅客需要の不透明さをあげている。
BernsteinのアナリストDouglas Harned氏も投資格付けを下方修正すると共に目標株価を従来の180ドルから165ドルに引き下げている。理由もBerenbergと基本的には同じ。
まとめ
この様なアップデートがあった先週のボーイングだが株価がどうだったかというと、
と右肩下がり。ただこれは市場も基本的には同じ傾向。年初来の株価推移を見てみると、
ダウ工業平均がマイナス12.34%に対して、ボーイングはマイナス47.81%と低調。それでも5月下旬からは米国での経済再開に対する期待から市場よりも大きく上昇していた。ただアメリカでの「第2波」懸念からすると、上記アナリストの格下げも納得感はある。今後どうなるかはまだまだ不透明。
現在の自分のボーイング株は、
取得価額比ではプラスとなっている。3月に配当停止を発表した後の株価は、
そして4月の年次株主総会時は、
であった事を考えればとりあえずはマシにはなっているのだが、懸念材料はまだまだ山積み。
4月の年次株主総会前後ではボーイング株の売却も選択肢として考えたが、取り合えず取得価額比プラスになったので、売却はせずに成行をもう少し気長に見るとすることにしようか。