ブリストル(BMY)2019年第2四半期決算発表(2019/7)

はじめに

昨日2019725日は自分のポートフォリオの中で準主力のブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の決算発表があった。実は決算発表前日24日の取引終了後にBMYの行った発表では、主力のがん免疫治療薬「オプジーボ」の最新臨床結果の内容が思わしくなかった(簡単に言うとNSCLCnon-small cell lung cancer、非小細胞肺がん)患者へオプジーボと化学療法の併用をした場合に、化学療法単独の場合と比べた全生存期間(OSOverall Survival)に関する主要評価項目を達成できなかった)ことを受けて、時間外取引で結構下落(一時4%超下落)していたので、2019年第2四半期決算を受けて株価がどうなるかかなり気になっていた。実際には、

5%の上昇。以下にその2019年第2四半期決算の内容をまとめておく。


2019年第2四半期決算概要

以下の情報はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2019年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は627000万ドル、前年同期は57億ドルで前年同期比10%増加
  • 2019年第2四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)は1.18ドル、前年同期は1.01ドルで前年同期比17%増加

  • 2019年第2四半期のがん免疫治療薬「オプジーボ」(Opdivo)の世界全体での売上は182000万ドル、前年同期は162000万ドルで前年同期比12%増
  • 2019年第2四半期の抗凝固薬「エリキュース」(Eliquis)の世界全体での売上は204000万ドル、前年同期は165000万ドルで前年同期比24%増

  • 2019年通期見通しは調整後1株当たり利益(non-GAAP EPS)が4.20 – 4.30ドル、従来予想の4.10 – 4.20ドルから引き上げ
  • セルジーンの買収に関しては目立ったアップデートはなしで、買収完了は2019年末か2020年初頭の予定(これは以前まとめた際から変わりがない


まとめ

上で挙げた主な指標が前年同期を上回っていたのに加えて、市場予測も概ね上回っていたのが昨日のBMY株価上昇の主な要因だろう。

以下は市場予測のデータとの比較。

  • 2019年第2四半期の総売上高(Total Revenues)の市場予想は611000万ドル、実際は627000万ドル
  • 2019年第2四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)の市場予想は1.07ドル、実際は1.18ドル
  • 2019年第2四半期のオプジーボ(Opdivo)の世界全体での売上予想は18億ドル、実際は182000万ドル
  • 2019年通期見通しは調整後1株当たり利益(non-GAAP EPS4.20 – 4.30ドル。市場予測は4.19ドル

今まで整理してきたように、昨日発表された結果はまずまずだったとは思うが、個人的にはBMYの今後で気になる点が3点ほどある。

  1. まずセルジーンの買収による影響が数値には含まれていない点。以下は発表資料からの抜粋。
    The financial guidance for 2019 excludes the impact of any potential future strategic acquisitions and divestitures, including any impact of the pending Celgene acquisition other than expenses incurred in 2019, and any specified items that have not yet been identified and quantified.
    簡単に言うと2019年の見通しについてはセルジーンを含む将来的な買収などのインパクトは除外されている。すなわちセルジーンの買収が具体化すると共に見通しはブレてくる可能性があるということ
  2. 昨日の第2四半期決算発表前にあったようにオプジーボの臨床試験が最近今一つな点。競合製品であるメルク(Merck)のキイトルーダ(Keytruda)にシェアを奪われて、売上が落ちる可能性も拭えない
  3. 最近言及したが、トランプ政権が医薬品価格を下げる動きをしていること。昨日725日はBMYの2019年第2四半期決算発表があった一方で、米製薬会社の業界団体である米国研究製薬工業協会(PhRMA)がトランプ米大統領と会合を実施し、処方薬の価格引き下げに向けた超党派の上院法案に反対する意向を伝えたと発表している。この行き先によってはBMYを含めた製薬会社の売上/株価に影響が出る可能性がある

この三点の事を考えると、昨日の株価の上昇はありがたいのだが、個人的には短中期的にBMYの株価はあまりパッとしない気がする。

まあBMY株を最後に購入したのは2007年3月であるし、それまでに購入したBMYがかなり良く働いてくれてきたので、余程の事が無い限りはBMY株はそのままにしておくのが無難だろう。とはいえ、こうやって適宜状況を確認しておくことは必要。

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