はじめに
先日書いたボーイング(BA)の米国防総省からの65億ドルの受注は、それほど株価にインパクトが無かった(少しは6月17日に上昇していた)が、
昨日は掲題の別のニュースを受けてボーイング株が5%超上昇していた。
今後の購入検討のために、その内容を整理しておくことにする。
パリ国際航空ショー2日目の受注内容
2019年6月17日から23日まで、世界的に有名な航空ショーの一つであるパリ国際航空ショーが開催されているのだが、1日目はボーイングに関しては特に新たな受注もなく、昨年10月のライオンエアー及び今年3月のエチオピア航空の事故について改めて謝罪をした(“We are very sorry for the loss of lives” )ことや、向こう20年間の旅客機納入見通しを4万4040機とし、1年前の約4万3000機から引き上げたことがニュースとなっていた(カタログ価格ベースでは6兆8000億ドル。従来見通しは6兆3000億ドル。
ところが2日目にサプライズと言っても良いニュースが発表された。海外のニュースでは「sent shockwaves(衝撃を与える)」という強めの言葉を使っているメディアもある。それが、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の親会社IAGから旅客機「737MAX」を200機受注し、趣意書(Letter Of Intent)に調印したこと。
もう少し詳しく言うと、事故を起こした737MAX8型機と後継の737MAX10型機合計200機を2023年から2027年にかけて納入する(mix of 737-8 and 737-10 aircraft, to be delivered between 2023 and 2027)という内容。カタログ価格ベースで240億ドル超。
IAGのウィリー・ウォルシュ最高経営責任者(GEO)は、ボーイングにとって運航停止命令以降で初の大型受注となる今回の案件について、「われわれはボーイングを全面的に信頼しており、737MAXは数カ月以内に運航を再開できると見込んでいる(”We have every confidence in Boeing and expect that the aircraft will make a successful return to service in the coming months”)」と述べている。
また、同日に大韓航空もボーイングと「B787-10」20機、「B787-9」10機の計30機を導入する内容の了解覚書(MOU:Memorandum of Understanding)を締結した。B787-10は10機をリース方式で導入し、残りは購入するとのこと。
まとめ
ブリティッシュ・エアウェイズの200機受注はやはり驚きというべきだろう。
この契約には2件の墜落事故を起こした737MAX8型機も含まれており、3月以降各国で運航停止命令を受けており、運航再開のメドも明確にはなっていないのが現在の状況。それにもかかわらず200機の大型受注はどういうことなのだろう。個人的には今一つ釈然としない。
パリ国際航空ショーはまだ続くので、その期間中にこの様にボーイングの株価にインパクトのあるニュースが出てくる可能性もあるので、気を付けておくべきだろう。もしかすると、来週に予定している自分の定期米国株購入の判断に影響を及ぼすかもしれない。