UAEがOPEC及びOPECプラスから脱退(2026/4)

はじめに

2026年4月28日(水)に突然掲題の通り、アラブ首長国連邦(UAE)が石油輸出国機構(OPEC)及び非加盟を加えたOPECプラスから2026年5月1日‌に脱退すると発表した。

以下、その発表内容とその後のUAEのマズルーイ・エネルギー相のインタビュー及び同日のニューヨーク原油先物価格の動向について整理しておくことにする。


2026年4月28日のUAEのOPEC及びOPECプラス脱退発表関連事項

WAM(Wakalat Anba’a al-Emarat。英名Emirates News Agency。UAEの国営通信社)の報道

現地時間2026年4月28日(火)16時過ぎ(日本時間21時過ぎ)に報道。

  • UAEは5月1日付けで石油輸出国機構(OPEC/OPEC+)を脱退する
  • この決定は、UAEの長期的な戦略的・経済的ビジョンと進化するエネルギー構成を反映したものであり、我々の国益と、市場の喫緊のニーズを満たすために効果的に貢献するという我々の決意に基づいている
  • UAEは豊富で競争力のある資源基盤を有しており、今後もパートナーと協力して資源開発を進め、経済成長と多様化を支援していく

UAEのマズルーイ・エネルギー相へのロイター通信インタビュー

  • OPEC/OPEC+からの離脱は政策上の決定で‌あり、生産水準に関する現在と今後の政策を慎重に検討した上で下された
  • (決定に際して)どの国にもこの件を提起していない
  • ホルムズ海峡を巡る現状を踏まえれ⁠ば、今回の決定が市場に大きな影響を及ぼすことはない
  • ただ世界はより多くのエネルギーを必要とし、UAEの今回の措置はそのニーズを満たすのに役立つだろう

OPECとUAEの原油生産量の現状

国際エネルギー機関(IEA)が2026年4月14日に発表した石油市場レポート(Oil Market Report)では以下の様になっている。

2月実績3月実績変動率
OPEC全体の生産量2982万バレル/日1522万バレル/日-48.96%
OPEC+全体の生産量4337万バレル/日3524万バレル/日-18.75%
UAEの生産量364万バレル/日237万バレル/日-34.89%
OPECに占めるUAEの割合12.10%15.57%
OPEC+に占めるUAEの割合9.39%6.73%

2月時点ではUAEはOPEC全体の生産量では4番目(サウジアラビア、イラク、イランに次ぐ)、3月時点では3番目(サウジアラビア、イランに次ぐ)。OPEC+全体ではロシアが2月に2番目、3月には1番目となっている。

またOPEC全体に占めるUAEの生産量割合は2月時点では約12.1%、3月時点では約15.6%となっている。


同日のニューヨーク原油先物価格の推移

UAEのOPEC/OPEC+脱退報道が伝わった米東部夏時間8時過ぎに一瞬大きく下落したが、本当に一瞬だけ。当該タイミングの拡大版は以下。

その後は方向感が定まらない動きが続いていたが、ウォール・ストリート・ジャーナルが、トランプ大統領が最近の会議で、イランの港湾への出入りを阻止することで同国の経済と石油輸出への圧力を継続することを選択した、との報道を行ったことで1バレル=103ドル近辺まで上昇している。


まとめ

以上突然発表されたUAEのOPEC/OPEC+脱退についてまとめてみた。

2026年3月以前にはOPEC生産量の約12%、OPEC+でも約9%を占めるUAEの脱退だけに原油価格が大きく変動するのではないかと思ったのだが、実際には上述の通りほとんど影響がなかった。

通常であればUAEのOPEC/OPEC+脱退は原油価格下落の要因となったと思われるが、4月初旬にトランプ大統領が米イランの停戦(当初2週間だったが、その後時間的制約なしに変更)を発表し、停戦に関する協議は打ち切られてはいないものの事実上のホルムズ海峡封鎖は続いており、それが決着するまではそちらの状況が重視されるようだ。

という訳でひとまず自分が身構えていた程の原油価格への影響は無かった訳だが、OPEC/OPEC+の生産量の約1割を占めていたUAEが離脱することで、OPEC/OPEC+の供給量調整による原油価格コントロールの枠組みが弱まり、原油価格の変動性が高まる可能性もある。影響が中長期的にどの様な形で表れてくるかには注意が必要だろう。

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