はじめに

自分が所有している米タバコ銘柄アルトリア・グループ（MO）に関しては2022年6月に

アルトリア（MO）の投資格付けアップデート（2022/6/9）

JUULの電子タバコ米国販売禁止準備中⇒禁止決定（2022/6）

といったアルトリアの株価に悪影響を与えるものがあったのだが、昨日6月29日のアルトリア株も市場が

とほぼフラットだったにも関わらず

3%を超える下落。今回の下落も掲題の様にアナリストの投資格付けアップデートが原因だったようだ。

以下昨日のアナリストアップデートを確認すると共に、JUULの電子タバコ米国販売禁止決定を受けてから昨日のアナリストアップデートまでに2回別のアップデートがあった様なので（株価はあまり変動しなかったので気が付かなかった）、併せてそれも確認しておくことにする。

JUULの電子タバコ米国販売禁止決定（6/23）以降のアナリストアップデート

BarclaysのアナリストGaurav Jain氏によるアルトリア株投資格付けアップデート（6/28）

投資格付け：Equal-WeightからUnderweightに下方修正

目標株価：53ドルから36ドルに下方修正

以下はGaurav Jain氏の投資格付けアップデートの要旨。

• アルトリアは次世代製品の公開が限られており、JUULの訴訟、Swedish Matchとの提携によるPhilip Morrisとの競争の激化、そして従来のタバコの売り上げの減少により同業他社よりもはるかに低い多角性となっている
• アルトリアはインペリアルブランズや日本たばこよりもさらに弱い立場にある
• 競合であるブリティッシュ・アメリカン・タバコがアメリカで電子タバコを5％値下げした戦略はAltriaにとっては持続可能ではなく、そうしようとするとEBITが持続的な下落に入ることにつながる

Cowen & Co.のアナリストVivien Azer氏によるアルトリア株投資格付けアップデート（6/27）

投資格付け：Market Performで変わらず

目標株価：56ドルから45ドルに下方修正

Vivien Azer氏の投資格付けアップデートの詳細は調べ切れず。

Morgan StanleyのアナリストPamela Kaufman氏によるアルトリア株投資格付けアップデート（6/24）

投資格付け：UnderweightからEqual-Weightに上方修正

目標株価：47ドルから43ドルに下方修正

以下はPamela Kaufman氏の投資格付けアップデートの要旨。

• 最近の低迷を受け、株価が慎重な見方を適切に割り引いていると考えアルトリアをUnderweightからEqual-Weightとする
• アルトリアのファンダメンタルズと長期的な構造的ポジショニングには引き続き注意を払っているが、最近の株価の低迷（6月の株価は23日閉場時点で21.4％下落しました）を考えると、市場が我々の懸念に基づきより適切な価格設定をしていると考える

Pamela Kaufman氏は6月8日にアルトリア（MO）の投資格付けアップデート（2022/6/9）でまとめた通りアルトリア株をの投資格付け/目標株価を下方修正し、その後6月17日に目標株価を50ドルから47ドルに再び下方修正している。そして6月24日は投資格付けは上方修正したものの、目標株価は更に引き下げている。

まとめ

昨日のアルトリア株下落の要因となったアナリストアップデートに加え、JUULの電子タバコ米国販売禁止決定以降のアナリストアップデートについても確認してみた。

アルトリア株に関する情報が色々あった直近1ヶ月の株価推移を市場（S&P 500）と比べてみると以下の様になる。

グラフで見てみると上述した3つの投資格付けアップデートは1ヶ月単位ではそれ程の下落には見えない。それは単に6月8日の投資格付け下方修正、そして22日のJUULの電子タバコ米国販売禁止報道での下げ幅が大きかった為に過ぎないと思うのだが、もしかするとMorgan Stanleyのアナリストが指摘している様に市場が下落要素を株価にある程度織り込んだことも影響しているかもしれない。

とはいえ直近ではアルトリア自体の要因そして市場の動きを考えると、アルトリア株が上昇する可能性は極めて少ない気がする。何とかこれ以上の大幅下落をすることなく、約1ヶ月後の7月28日に予定されている2022年第2四半期決算発表で今後の業績・株価に期待を持たせるような決算結果を提供して欲しいものだ。