エクソン(XOM)2026年第2四半期決算(2026/7)

はじめに

2026年7月31日(金)には自分の所有銘柄であるエクソン・モービル(XOM)の2026年第2四半期決算発表があった。

前回2026年5月の2026年第1四半期決算は売上、EPSは市場予想を上回ったものの、中東情勢の影響が未だ不透明なこともあってか1.02%の下落。その際には

「今後のエクソン株だが、やはり中東情勢に連動する株価推移が続くのだろう。中東情勢がいつ、どのような形で収束するのかに引き続き注目しておきたい。事態が鎮静化した際に大幅下落とならないといいのだが。」

と書いていた。

その後しばらくして中東情勢が鎮静化の方向に向かうと原油価格が下落し、それにつれてエクソン株も下落傾向となったが、7月に入って再び事態が緊迫化するとエクソン株も上昇傾向となっていた様に思える。

ちなみにエクソンは2026年7月1日付で登記上の本社をニュージャージー州からテキサス州へ移転したことに伴い、社名を「Exxon Mobil Corporation」から「ExxonMobil Holdings Corporation(エクソンモービル・ホールディングス)」へと変更している。ティッカーXOMに変わりはない。

そんな状況の中、今回のエクソンの決算及び株価はどうだったのか。以下に内容を確認し整理しておく。


エクソン・モービル2026年第2四半期決算概要

以下の情報はエクソン・モービルの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2026年第2四半期の総収入(Total revenues and other income)は1160億1700万ドル、前年同期は815億600万ドル
  • 2026年第2四半期のGAAPベースでのエクソン帰属純利益(Net income/(loss) attributable to ExxonMobil)は145億2500万ドル、前年同期は70億8200万ドル

  • 2026年第2四半期の調整後1株あたり利益(Adjusted Earnings/(Loss) Per Common Share)は3.52ドル、前年同期は2.09ドル

事業部別業績

各事業部の業績は以下の通り。前四半期決算までは事業部ごとに別れていたが、今回は以下の様にまとめられ、前年同期の実績も割愛されている。

【アップストリーム(U/S)(探索権の獲得、原油の探鉱、開発、生産)】

  • Non-GAAPベースの利益は91億8900万ドル、前期は62億6500万ドル

【エネルギー製品(EP)】

  • Non-GAAPベースの利益は40億9900万ドル、前期は27億9900万ドル

【化学製品(CP)】

  • Non-GAAPベースの利益は12億1400万ドル、前期は1億1000万ドル

【特殊製品(SP)】

  • Non-GAAPベースの利益は9億5600万ドル、前年同期は6億5100万ドル

2026年通期見通し

2026年の通期見通しに関する資料提示はなし。

2026年第3四半期の考慮事項は以下の通り。

【アップストリーム事業】

  • ガイアナの正味権益量は100Koebd(kilo oil-equivalent barrels per day:日量1000石油換算バレル)/日減少する見込み
  • 四半期全体でホルムズ海峡が閉鎖された場合、中東地域の生産量は2025年比で約750Koebd/日減少する見込み

【プロダクトソリューション事業】

  • 定期メンテナンスは2026年第2四半期を下回る見込み

【コーポレート】

  • 経費および資金調達費用は8億ドルから10億ドルの見込み

その他

その他決算及びカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 第2四半期総括
    • 第2四半期は混乱に見舞わたが、我々の実行力がその真価を発揮した
    • 市場環境は追い風となったが、我々の業績は、長年にわたり構築してきたポートフォリオと事業運営モデルの強さを反映したもの
    • 状況の変化に応じて、グローバルに統合されたポートフォリオを最大限に活用し、製品を需要のある場所へ供給し、資産を最適化し、顧客を支援した結果、強固な収益とキャッシュフローを達成し、優位性のある機会への投資を継続し、株主への利益還元を行うとともに、バランスシートの強化も実現した
    • 何よりも重要なのは、信頼できるエネルギーに対する世界的な需要に応えるため、優位性のある生産量をさらに拡大していくという姿勢を堅持していること
    • エクソン・モービルは、特定の市場や特定の四半期、あるいは特定の状況下だけで機能するようには作られていない。市場の進化に合わせて主導的な役割を果たし、自社の強みをより高い業績と株主への優れた長期リターンへと転換できるよう構築されている
  • 第2四半期業績概要
    • 業界トップクラスの145億ドルの利益と236億ドルの営業キャッシュフローを含む、卓越した財務実績を達成
      • 上流部門の生産量の約10%が一時的に減少したにもかかわらず、中東を除く上流部門では、20年以上ぶりの最高生産量を達成
      • エネルギー製品部門では、世界のディーゼル供給が逼迫する中、統合された米国メキシコ湾岸精製事業が安定的に稼働し、この事業は第2四半期に過去最高のディーゼル生産量を達成し、市場のニーズを満たすのに貢献
      • 化学製品では、北米の施設が有利な原料と記録的な上半期の信頼性により、中東での混乱による供給不足を補い、化学製品のマージンが第1四半期比で約180%増加
      • 特殊製品では、バリューチェーン全体にわたる統合的なアプローチ、再配合能力、グローバルな拠点、強力な実行により、供給上の大きな課題にもかかわらず顧客のニーズを満たし、過去最高のベースストックマージンと記録的な四半期および上半期の調整後利益を達成
    • ガイアナはこの四半期に日量約90万バレルの総生産量を達成し、Longtailプロジェクトは最終投資決定に向けて順調に進んでいる
    • パーミアンでは、今四半期、1日あたり180万バレル以上の石油換算バレルという新たな生産記録を樹立
      • 当四半期中は、物流の逼迫、サプライチェーンの制約、重要な製品不足といった複雑な状況に対処する必要があった
      • 当社のグローバル取引およびサプライチェーン組織は、新しい運用モデルを運用し、原料と製品の配置を最適化し、地域間の供給バランスを取り、局地的な混乱に対応し、年換算で約7億5000万ドルの混乱コストを回避することができた
  • 7月1日、当社は上流事業をグローバル事業組織に統合(48ヶ国150以上の拠点で約31000人の従業員)
    • 目標は明確で当社が持つリソースを最大限に活用しつつ、すべての資産において安全で信頼性が高く効率的なパフォーマンスの基準を引き上げること
    • 初期導入は順調に進み、2027年の大規模展開に向けた強固な基盤が構築されている
    • この取り組みにより、既にプロセスの簡素化、可視性の向上、断片化されたレポートのより一貫性のある企業データへの置き換えが進んでいる
    • 取り組みが進むにつれて、より迅速に学習し行動し、規模のメリットをより効果的に活用し、AIの導入と価値を加速させるのに役立つ
  • 財務関連
    • 2019年以降、累積構造コスト削減額は163億ドル
    • また140億ドルを超える利益、170億ドルを超えるフリーキャッシュフロー、70億ドルを超える純負債削減を達成し、好調な四半期となった
    • 現金による設備投資は約70億ドルで、配当と自社株買いを通じて90億ドル以上を株主に還元
  • 9月に例年通り年次グローバル見通しを発表する予定
    • 2050年までの世界のエネルギー需要と供給に関する最新の見解を詳細にまとめた包括的なレポートであり、弊社の長期事業計画の基礎となるもの
  • 質疑応答
    • ガイアナの状況についての詳細
      • 率直に言って、当初の予想よりも早く、より低いコストで生産ユニットを納入し、投資額を上回る収益を上げている
      • 探査に関してもベネズエラ紛争に関する国際司法裁判所の最終判決を待っている、不可抗力条項が適用されている広大な鉱区を保有しており、そこで何が起こるかを見届けた後、探査を開始し、その鉱区に潜在的に何が潜んでいるかを理解する機会が生まれると考えている
      • それ以外の探査でも人工知能に多大な努力を注ぎ込み、これまでに実施した掘削や地下の特性評価に基づいてモデルを訓練して適用した結果、当初想定していた以上の4つの新たな発見があった
      • それらを確証するにはまだまだ多くの作業が必要だが、我々の見解では、ガイアナでの事業はまだ終わっておらず、今後も非常に明るい未来が待っていると考えている
    • 現状精製が石油システムのボトルネックとなっている点について
      • 率直に言って、ここでの明らかな課題は海峡が閉鎖されているため、市場に利用できない約300万バレル/日の生産能力があること
      • 中国は輸出を停止しており、ウクライナがロシアの精製施設を効果的に無力化しているため、かつては広範な市場に製品を供給していたロシアの精製能力のうち、日量約100万バレル分も失われている
      • これまで見てきた中で最も供給能力が不足しており、需要が全くなかったCOVID-19の影響を除けば、需要に対する供給能力の比率が今日ほど低い状態は見たことがない
      • 業界がこの窮地から抜け出すにはしばらく時間がかかるだろう
      • 我々は、非常に高い利益率を伴う堅調な精製市場が今後も続くと考えている
      • もちろん、我々の仕事は、生産量を最大化し、需要を満たすために全力を尽くし続けることで、こうした高い利益率が製品価格の高騰につながり、それが消費者や人々の家計に大きな影響を与えることも認識しており、できる限り多くの製品を市場に投入できるよう最善を尽くしている
    • ホルムズ海峡の現状について
      • 海峡の状況に関して、私自身(最高経営責任者Darren Woods氏)はあまり詳しい見解を持っていないと思う
      • 率直に言って、メディアでかなり報道されていると思うし、私が政権と交わす議論は、市場の見通しや供給制約の影響、そしてそれがどのように現れるかといった点に重点が置かれている
      • 今後も制約は続くと思う。事態が収束した後も、人々が自信を取り戻し、活動を再び非常に高いレベルまで引き上げるには、しばらく時間がかかるだろう
      • 世界はその地域の資源を必要としており、海峡が開放され、この紛争以前のレベルまで輸送が再開される必要があり、我々はそれが将来いつか実現すると確信しているが、それがいつ起こるのか、あるいは具体的にどのような形になるのかは正確には予測できない
    • ガイアナでの生産権益(production entitlement)の減少について
      • 現時点では、550億ドルの投資とすべての運営コストを完全に回収済み
      • 契約内容では、投資額の最大75%まで回収でき、その後、残りの生産量は当社とガイアナ政府で50/50で分配される
      • 仮に今日で事業を停止し、追加投資を行わないとすれば、生産分や収益のより多くがキャッシュフローに回ることになり、それも我々とガイアナ政府の間で分配されることになる
      • しかし実際には今後も投資が続くので、新たな投資や操業コストが発生すればそれらは引き続き「コストバンク(回収対象コスト)」に計上され、75%という上限の範囲内で回収していくことになるが、回収すべき投資の残高は以前より大幅に少なくなっている
      • 多額の投資を完全に回収した今、収益の大部分はコストと投資の回収ではなく、フリーキャッシュフローに充てられると予想している。生産権の減少ではなく、フリーキャッシュフローへの転換点と捉えるのが妥当
    • 中東における事業展開、特にLNG事業について
      • LNG事業における当社の事業機会のポートフォリオを見ると、当社が保有する事業機会を通じて、中東以外の地域への生産分散を図っている
      • これにより事業分散が実現するだろうが、天然ガスが果たす重要な役割を鑑み、今後もこの地域から目を背けるつもりはない
    • 昨日、あるヨーロッパの国が、実質的に下流工程に対する超過利潤税を承認したことについて(ポルトガルが石油精製(Refining)などの下流工程を担う石油会社を主な対象とした、33%の臨時超過利潤税(連帯課税)の導入を承認)
      • 世界中で、政府が長年にわたって実施してきた悪い政策から目をそらし、業界をスケープゴートにしようとする大きな誘惑があると思う
      • 現実には、ヨーロッパが率直に言って経済の脱工業化と製油所の閉鎖に重点を置いてきたことから、いずれ製品が不足する時期が来ることはずっと前から分かっており、そして、まさに今、それが起こっている
      • これまでこれらの国々を支援し、今後も製品を提供してきた企業に罰則を科すのは非常に近視眼的であり、過去に導入された超過利潤税(ウィンドフォール・プロフィット・タックス)の​​例を見ても、そうした措置は投資意欲をさらに減退させることにつながり、実際、前回超過利潤税が導入された際、我々は欧州向けに計画していた投資を撤回した
      • 現在、我々はEUを提訴しているが、これは当該措置が業界に対する適法な資産収用には当たらないと考えているから
      • 現地の多くの指導者たちと対話を重ねる中で、彼らもこのアプローチが抱える問題点や、それが招きかねない予期せぬ結果を認識していると感じている。もっとも、だからといって彼らが支持基盤からの懸念に応えようとする動きを止めるかどうかは定かではないが、今後、そうした認識が実際の政策や規制に具体的に反映されるかどうか、注視していく必要がある

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2026年第2四半期の総収入(Total revenues and other income)は1160億1700万ドル、市場予想の1086億ドルを上回っている
  • 2026年第2四半期の調整後1株あたり利益(Adjusted Earnings/(Loss) Per Common Share)は3.52ドル、市場予想の3.60ドルを下回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてエクソン・モービルの株価は

前日比0.97%の下落。同日の米国市場が

アマゾン・ドット・コム(AMZN)が決算を受けて15.32%の急騰となったこともあって、市場自体は上昇(ただし米国株式市場全体では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.3対1で上回っている)しているのと比べるとやや見劣りがする。

売上は市場予想を上回り、EPSも決して悪くない結果だったと思うのだが、市場予想のより高い期待に届かなかったことが下落の原因だろう。

決算後数日を含めた年初来のエクソン株の推移を市場(S&P 500)と比べると

前四半期決算以降の動きは概ね冒頭に書いた通り。そして迎えた今回決算では下落となり、その後も3営業日続落してどうなることかと思ったが、以降はまずまず上昇し第2四半期決算前の株価を上回っている。

今後のエクソン株だが、前四半期時の所感と同様に中東情勢次第の動きが続くのだろう。中東情勢が鎮静化してエネルギー価格が下落した場合でも、大幅な株価下落とはならないでもらいたいのだが、どうなるのだろうか。

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