ケラノバ(K)2025年第3四半期決算発表(2025/10)

はじめに

2025年10月30日(木)には自分の所有しているケラノバ(K)の2025年第3四半期決算発表があった。

ケラノバは2024年8月半ばにマースによる買収が発表され、それ以来株価は買収合意時の価格@83.50ドルをやや下回る程度で推移しており、前回7月の2025年第2四半期決算でも株価への影響は無く、その後も市場の動きとは変わらず同水準で推移していた印象がある。

今回も決算内容というよりは、買収関連の進展状況がどうなっているのかを確認するためにケラノバの決算内容及び株価について確認・整理しておく。


ケラノバ2025年第3四半期決算概要

以下の情報はケラノバの企業サイトより引用・抜粋。今回もマース社との合併を控えているため通期見通しは発表せず、カンファレンスコール(決算内容の説明及び質疑応答)も無く資料提示のみだった。

  • 2025年第3四半期の総売上高(Reported Net Sales)は32億6000万ドル、前年同期は32億3300万ドルで前年同期比0.9%増加
  • 2025年第3四半期の一時項目を除く調整後1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.94ドル(恒常為替ベースでは0.93ドル)、前年同期は0.91ドルで前年同期比3.3%増加(恒常為替ベースでも0.91ドルで2.2%増加)

決算資料で気になった点は以下の通り。

  • 当社は長期にわたる業界全体の低迷とコスト上昇を乗り越え、再び粘り強さと粘り強さを発揮した
  • この循環的な景気後退の中、当社はイノベーション、生産性向上、新興市場、特にアフリカにおける麺類事業の拡大に軸足を移し、優先的な支出によって第3四半期も予想を上回る利益を達成することができた
  • 引き続き、当社はマース社との取引を完了させ、エキサイティングな次の章へと踏み出すために取り組んでいく
  • 第3四半期業績
    • 売上高は、アフリカにおける麺類の成長と為替変動の影響が、世界および業界全体のカテゴリー低迷による影響を相殺し、前年比でわずかに増加
    • 営業利益は、時価評価による利益の急激な減少が、事業再編費用の減少と販売費及び一般管理費の減少によるプラス効果を相殺したため、前年比でわずかに減少
    • 上記の要因と前年度の税制優遇措置の重複により、1株当たり利益は減少
  • 通期見通し
    • マースとの合併が予定されているため、ガイダンスは提供しない
  • マースとの合併
    • 前四半期と説明は変わらずで、2025年末完了予定

ちなみに10月7日にロイター通信が、マースによるケラノバ買収に関して欧州連合(EU)の独占禁止法に関する無条件の承認を獲得、と関係筋の情報として伝えている。EUの競争監督機関である欧州委員会、マース、ケラノバはいずれもコメントしておらず、この取引に関するEUの決定は12月19日までに下される予定とのこと。

数ヶ月前にEUの独占禁止法に関して調査が入ったために、元々2025年上半期完了予定だった買収完了時期が2025年末となった訳だが、この報道が正しければ予定通り2025年末に買収が完了することになるだろう。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2025年第3四半期の総売上高(Reported Net Sales)は32億6000万ドル、市場予想の32億5000万ドルをやや上回っている
  • 2025年第3四半期の一時項目を除く1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.94ドル、市場予想の0.87ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてのケラノバの株価は

前日比0.13%の上昇。同日の米国市場は

ハイテク銘柄を中心に下落しているが、やはりマースによる買収中のケラノバ株には大きな変化はなし。

決算後数日を含めた年初来のケラノバ株の推移を市場(S&P 500)と比べると

年初来、市場の動きとは関係なく買収価格@83.50ドル近辺での推移が続いていたが、EUの独占禁止法に関して調査が顕在化してからは買収価格をやや下回る推移。そして9月半ばには欧州委員会のウェブサイトに、EUの反トラスト法規制当局がマースによるケラノバ買収に関する調査を再開(7月下旬から情報の提出を待つ間、調査を一時中断)し12月19日を決定期限としたことで更に下落はしたものの、その後買収が承認される見込みとの報道を受けて、再び買収価格@83.50ドル近辺での推移となり、今回決算発表を経てもその状態が続いている。

今後のケラノバ株だが、何事もない限りは@83.50ドル近辺での推移が続くだろう。そして12月にEU当局の承認を経て、年内に取引が完了することになる予定。12月に入ってからのケラノバの動きに注意しておきたい。

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